ELGIN


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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先日eBayで落札した時計。
ELGINの軍用時計かと思いきや、新品のケースに手巻きの古いムーブメントを入れて作った特殊な時計である。
ネットで調べると、どうもELGINというのはいろいろ問題のあるブランドらしい。
エルジン・ウォッチ・カンパニーは1968年に無くなっており、その後はブランドの使用権を日本の会社を始めあちこちに貸している。
現在このブランドで出ている時計はオリジナルのELGINとは関係が無く、そのため時計マニアの評判が良くないようだ。



この時計に関しても、素性がよくわからない。
内部の手巻きのムーブメントはELGINのグレード556という古いもの(1940年代から50年代にかけて製造されている)で、それを新品のケースに入れてある。
文字盤や針は(当時の物だとしたら)非常にきれいである。
16mm幅の新品のNATOタイプストラップが付いてくるが、色が非常によく合っている。
もちろんケースが新品である事は販売のページに明記してあり、偽物を詐欺で売りつけようということではない。
しかし作られた経緯が今ひとつわからないので、どうしても訝しく思ってしまう。

オークションに出品されるものは、文字盤やムーブメントにいくつかのバリエーションがあり、定期的にeBayに出るし、どういうわけか日本のヤフオクにも時々出品される。
しかもヤフオクの方は米国発送なので、恐らく出品者に何らかの繋がりがあるのであろう。
僕はeBayで落札したが、本体の価格が約百ドルと、まあ気楽に買える金額であった。(ただし送料は高かった)

ここは考え方を変えて、普段使いの実用的な時計として入手した。
アンティーク調のお洒落な時計である。
実際ケースを新品にしたのは、そういう使い方を想定しているのだろう。
ファッションとして見ると、なかなか格好のいいデザインである。
ケースは小さくて(ケース径は29mm)風防もプラではなく厚みのあるガラスなので使いやすい。

実は手に入れてみて驚いたのだが、この手巻きのムーブメントの精度が意外に高い。
たまたま高性能なものに当たったのだろうが、数日使ってみてほとんど狂わないのだ。
この手の時計は1日に1分くらいずれるのが当たり前なのだが、この個体はリューズを巻いていれば一週間たっても十数秒しか狂わない。
これなら実用性は十分である。
オークションの説明文でも、最近オーバーホールしたばかりであると謳っていた。
手巻きのカッコいい機械式時計がこの価格なら、かなりお買い得と言えるだろう。
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