酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

熱海、旧友との再会、参院選~梅雨時の雑感あれこれ

2016-06-19 22:53:27 | 独り言
 数日前から浴室の蛇口が水漏れしている。俺自身の老化は甚だしいが、家も同様なのだろう。焦ったことといえばGooのメンテナンス終了後、ブログが見られなくなったことだ。「まさか言論弾圧」と訝ったが、俺の弱小ブログなど政権にとって屁ほどの意味もない。開設以来、基本情報を変更していないことに思い当たり、現在のメールアドレスを送ったら、「パスワードを8字以上に」との通知が届いた。このようなケースが最近増えている。

 「世界侵略のススメ」(15年、マイケル・ムーア監督)では男どもがぶっ壊したアイスランド経済を、女性たちが立て直す経緯が紹介されていた。フレキシブルかつ緻密に物事に対応する能力は、女性の方が勝っているのだろう。例えば、旅行の計画……。母の最大の趣味で、時刻表やパンフレットとにらめっこしていたのを思い出す。父と全国を回り、父亡き後は妹夫婦がお供した。

 知人はインターネットを駆使して旅のプランを練っているが、女性らしい配慮にいつも感心させられる。先週末(11、12日)の熱海旅行も完璧なスケジュールだった。最初に訪れたのは旧日向別邸で、設計者はブルーノ・タウトだ。社会主義者ゆえナチスの弾圧を逃れたタウトは1933年に来日した。自然との調和を重んじる世界観、細部にこだわる意匠と、日本文化の粋を吸収したアイデアが隅々に行き渡っている。滞日期間は3年と短かったが、感受性の鋭さに才能の絶対値を感じた。

 ライトアップされた熱海梅園の蛍は衝撃的だった。源平合戦さながら宙を乱舞しつつ煌めきを競う姿は、まるで超小型ドローンである。どのように育てたら、あれほど元気になるのだろう。翌日は海外近くのジャカランダ遊歩道を散策した。姉妹都市であるポルトガル・カスカイシから贈られたジャカランダが植栽されており、他の品種を含めエキゾチックな花に魅了された。

 先日は大学時代の後輩F君が経営するビアバー(溝ノ口)を、先輩Kさん、同期U君と訪ねた。実権を握っているのは奥さんで、マスターと呼ばれていても実質は従業員らしい。ウリのクラフトビールは値が張るが、田園都市線沿線に住むリッチ御用達の立ち飲み店といった赴きか。外国人、サッカー選手、ミュージシャンも来店するという。

 2階のテーブル席で昔話に花が咲く。音信不通になった先輩を含め、メーンテーマは「あの人は今」である。昭和天皇が死んだ日、今回の4人はKさん宅に集まり、昭和と戦後について語り合った。昭和と俺自身の青春期の終焉が重なり、あの日のことを鮮明に覚えているが、あとの3人は「?」……。記憶の濃淡が個々によって異なることを知る。

 F君の奥さんは食や農業に関するライターで、高坂勝さん(緑の党前代表、脱成長ミーティング主宰)と面識があると聞き、人の縁の不思議さを感じた。緑の党は参院東京選挙区で、高坂さんも推薦人に名を連ねる佐藤かおりさん(女性と人権全国ネットワーク共同代表)を応援するが、キックオフ集会翌日(14日)、山本太郎参院議員と三宅洋平氏が記者会見を開き、三宅氏の東京選挙区立候補を発表する。

 3年前に比例区候補として擁立して以来、三宅氏は緑の党の〝内輪〟というべき存在だった。山本氏も統一地方選で緑の党の候補を積極的に応援してくれた。昨秋以降、三宅氏に東京選挙区での立候補を要請してきたが、三つの説得力ある理由を挙げて固辞した。俺も三宅氏を交えた会議に参加したので、立候補の報に驚くしかなかった。「大親友(山本氏)に恋人(三宅氏)を奪われた気分」と仲間は話していたが、俺も同感である。

 山本氏が「霞が関が最も恐れる男」と評し、三宅氏とも親交のある杉原浩司さん(武器輸出反対ネットワーク=NAJAT代表)と昨日会い、話がクリアになった。<自分は古いかもしれないけど、政治家、いや人間にとって最も大切なのは信・義・情であり、筋ではないか>と俺が言うと、杉原さんも同意してくれた。俺の感想は正しかったのだ。

 山本、三宅両氏は類い希な天才であると、俺はブログで繰り返し称揚してきた。山本氏は〝日本のサンダース〟になり得る逸材だし、三宅氏の圧倒的な表現力は仕組みを根底から覆すための起爆剤になるはずだ。そして両者には、共通のプロデューサーがいる。山本氏は会見の冒頭、「妖怪がはびこる永田町から来ました」と話したが、山本氏自身も理・知・利を重んじる妖怪になりつつあると感じた。だが、それは政治家として責められるべきではない。〝大物〟になるための必然の道筋なのだ。

 三宅氏は「自民党の改憲草案を読んで愕然とした。今しかない」と切り出したが、俺は納得出来なかった。2月の会議で、三宅氏の憲法、戦争法を巡る発言は明快で、「今まで違和感を抱いていたけど、あなたのことが好きになった」とある参加者が話すほどだった。

 今回の件で暗い気分になったが、「緑の党は当てにならない」という両氏の見方は残念ながら的を射ている。接着剤、緩衝材的に機能するのではなく、脱成長とオルタナティブをキーワードに力を蓄えることが課題といえる。
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