酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

秋の雑感~パンサラッサ、先輩との再会、アストリッドとラファエル、火野&中野、日本沈没、マスク事件

2022-11-03 19:00:21 | 独り言
 天皇賞秋は前稿枕で推した③パンサラッサが鮮やかな逃げを披露し、2着に粘り込んだ。同馬、矢作芳人調教師、縁で結ばれた吉田豊騎手には「あっぱれ」と言いたい。矢作師は地方競馬からの転入組で、30歳の頃に起こした事件で調教師は無理と思われていた。14回目に合格(2004年)という雌伏の時代を経て、トップステープルに上り詰める。パンサラッサの次走は香港だ。ドバイの再現を期待している。

 ネタが尽きたので、雑感をダラダラ記すことにする。先週末、大学時代の先輩Kさんと数年ぶりに会った。ちなみにKさんは天皇賞でジャックドールを本命視していたが、4着に終わる。考え方の基本、文化全般など、現在の俺があるのはKさんのおかげで、ブログに綴った小説や映画の多くはKさんもチェック済みだった。

 60歳以上はテレビ世代。俺と同様、ドラマ好きのKさんに「アストリッドとラファエル」(フランス制作、NHK総合)を薦めておいた。第1シーズンは終了したが、第2シーズンは来年春に放送予定という。犯罪資料局に務める自閉症のアストリッドとラファエル警視のコンビが友情を紡ぎながら難事件を解決していく。知的でユーモアに溢れた刺激的な内容だ。

 定年まで勤めていた出版社の系列会社でフルに働いているKさんだが、心配になったのは健康面だ。俺のように定期的に検診を受けているわけではないが、血圧が160前後というのは驚きた。不健康な俺でも最近は120前後だから、かなりヤバい。受診を勧めておいた。

 部屋でゴロゴロ、チャンネルサーフィンしている俺は、「にっぽん縦断 こころ旅」(NHK・BSプレミアム)にハマっている。火野正平が視聴者の思い出の場所を自転車で回り、手紙を読むというのがお約束だが、緩さ、どこか懐かしい風景、人々やスタッフと火野とのざっくばらんなやりとりに心がまったり和んでしまう。

 「科捜研の女」の最新シリーズも悪くない。57歳の沢口靖子の輝きはいまだ褪せず……と勝手に思っている。麻雀で応援しているのは渡辺洋香プロ(最高位戦)で、50歳前後だがキュートさは変わらず、団体のリーグ戦ではトップクラスを維持している。更に、俺の年齢に相応しい〝アイドル〟を見つけた。50代半ばの〝通販の女王〟中野珠子で、地上波、BS、CSを問わずテレビショッピングでスタジオを仕切っている。1年前なら「視聴者を騙しやがって」とチャンネルを替えたはずだが、キャピキャピ発散する中野の眩さに見入ってしまうから困ったもんだ。

 <俺が消える前に、日本は壊れないでくれ>と記したことがあるが、願いは叶わないだろう。政治の劣化は<岸信介-安倍晋太郎-安倍晋三>の3代が主導してきた統一教会(勝共連合)と自民党の癒着からも明らかだ。憲法改正、夫婦別姓、LGBT問題……。戦前回帰を支えてきたのはカルト集団だった。

 そして円安だ。かつて経済通の友人に<円が高いということは、日本の国力の反映>と教わったことがある。だが、この20年、円の価値は45%ほど下落した。国力は衰え、時給もアジア各国に追いつかれ、年金の納付期限を65歳まで延長する案が検討されている。先日見た「TBS1930」では、円安で収入が目減りした外国人実習生が日本を見捨てる可能性に言及していた。

 同番組では、日銀の失策を嘲笑する海外のファンドマネジャーの声を紹介していた。出演した識者はイギリスやスウェーデンを例に挙げ、「なぜ日本人は怒らないのか」と話していた。怒りの刃は権力ではなく、生活保護受給者ら弱者に向けられている。前々稿で紹介した「死刑について」で著者の平野啓一郎は、<社会に渦巻く憎しみから優しさを軸に据えた共同体に日本を変えていくべき>と結論付けていた。だが現実は、弱者が自らより弱い者を打つ酷薄な社会になっている。日本沈没の危機が迫っている。

 羽生善治九段が王将戦挑戦者決定リーグで永瀬拓矢王座を破って5連勝とし、藤井聡太王将(5冠)に挑戦する可能性が高まった。「AIも悩むような激戦」と動画解説者が評していた。その羽生は<藤井5冠は一手の隙も見逃さない>と語っていたが、その通りのことが竜王戦第3局で起きた。広瀬章人九段が優勢を築いていたが、緩手を突かれた。微差を着実に広げ勝利に近づく〝藤井曲線〟に衝撃の進化のスピードが表れている。

 将棋界を揺るがす事件が起きた。A級順位戦で上記した対局者の永瀬の指摘により、佐藤天彦九段が反則負けになった。マスクを長時間外していたというのが理由だが、佐藤は不服申立書を提出して受理された。拙速な連盟の対応と対照的に、佐藤の申立書は理に適っている。

 俺みたいな出来損ないの社会人でも、<まずは両対局者に問題を指摘し、最初は注意にとどめて今後に備えるべき>と考えた。将棋ファンの大半は同意見だろう。さらに、決定に至った経緯が不透明だ。永瀬の〝師匠筋〟である鈴木大介常務理事、A級在籍で利害関係にある連盟会長の佐藤康光九段が協議した上とされるが、一般社会では通用しない。

 16年の将棋ソフト不正使用疑惑騒動で分裂の危機にあった将棋連盟を救ったのは、デビューから29連勝した藤井5冠だった。救世主はそう簡単に現れない。抜本的な改革に着手しないと、将棋界の上昇曲線は保てないだろう。
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