酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

謹賀新年~今年の抱負は生き延びること

2023-01-03 19:36:15 | 独り言
 無職ゆえ、年末年始も普段と変わらないが、いつもにましてゴロゴロ惰眠を貪っている。ドキュメンタリーを何本か見たが、「映像の世紀 バタフライエフェクト~ロックが壊した冷戦の壁」(NHKBS1)が出色だった。ニナ・ハーゲン、ルー・リード、デビッド・ボウイの3人に照準を定め、彼らの音楽がベルリンの壁崩壊、チェコスロバキアの無血革命にいかに影響を与えたかを伝えている。ロックファン必見のドキュメンタリーだ。

 東欧を巻き込んだビートルズ革命、そしてジョン・レノン暗殺の衝撃も背景に描かれていた。東ドイツ時代にニナが歌った「カラーフィルムを忘れたのね」は人々の心に深く刻まれ、メルケル前首相は自らの退任式での演奏曲に選んだ。ルー・リードが率いたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1stアルバムを持ち帰ったハヴェルによってバンドは自由化のシンボルになる。ハヴェルはチェコ共和国の初代大統領だ。

 同アルバム収録の「アイム・ウエーティング・フォー・ザ・マン」にインスパイアされたボウイはベルリン在住時、「ヒーローズ」を発表する。同番組では紹介されていなかったが、ボウイは窮地にあったリードを支え続けていた。廃人の如きリードがボウイのツアーの楽屋で横たわる姿が目撃されている。ちなみにボウイが「ヒーローズ」を発表する4年前(1973年)、ソロになっていたリードは、傑作「ベルリン」を発表している。

 ボウイは87年、西ベルリンで野外コンサートを開催した。壁の向こうに4本のスピーカーが設置され、数千人の東ドイツ市民が集まり、「壁を壊せ」と声を上げた。壁崩壊の魁と評され2年後、メルケル、そしてKGBのエージェントだったプーチンも現場にいた。ハヴェルの残した<音楽だけで世界は変わらない。しかし、人々の魂を呼び覚ますものとして、音楽は世界を変えることに大きく貢献できる>の言葉に感銘を覚えた。

 年始は布団に寝転びながら〝酔生夢死〟状態で箱根駅伝を眺めていた。今更ながら箱根の肝が山の上り下りであることに思い至る。高校スポーツは郷里のチームを応援するのが常だが、ラグビーの京都成章は準決勝、サッカーの東山は準々決勝に進出と楽しみが増えた。

 最高の時間潰しになっているのは「名探偵モンク」だ。AXNの再放送に気付いたのは先月で、シーズン5以降を少しずつ見ているが、実に面白い。元刑事で妻トゥルーディーを亡くしたことで引きこもりになったモンク、ストットルマイヤー警部、ディッシャー警部補、アシスタントのナタリー(シーズン1~4はシャローナ)の4人が主な登場人物だ。初めて見るように楽しんでいる。健忘症も悪くない。

 今年も地味に、備忘録、存在証明、遺書代わりとしてブログを綴っていくつもりです。たまには訪れてください。目標も何もないが無事に生き延び、少しは世界と関われたらと考えています。
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