弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

対談田原・岡本-アメリカ

2006-03-23 00:11:09 | 趣味・読書
田原総一朗と岡本行夫の対談「『外交』とは何か、『国益』とは何か」の中から、
2.「新アメリカ帝国」との付き合い方
で印象に残った事項、主に岡本氏の発言、を書き留めておきます。
「外交」とは何か、「国益」とは何か 増補版・生きのびよ、日本!! (朝日文庫)
田原 総一朗,岡本 行夫
朝日新聞社

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私(ブログ主)がアメリカについて持っている印象というと、
「普段はすごくいいやつで、『気が優しくて力持ち』なんだが、ひとたびプライドが傷つけられると、ムキになつて自分の考えを押し通そうとするときがある。力が強いだけに手に負えない。」
といった感じでしょうか。

核兵器問題で、アメリカがイランに対してだけ特に辛く当たっている、という点について、岡本氏は「アメリカの二重性」という表現で説明しています。
「アメリカはひとつの国家としてみればすばらしい国。多様な人びとがいて、対立するすべてのグループの考え方が最終的に一つになって、そこでアメリカの最終的な決定がなされるときは、これはすばらしいものがある。」
「ところが、そのすばらしい国家意思の発現に対して、国外的な外交政策には、何だこれはと思うものが出てくることがある。」「これは比較的少人数の、しかもひとつの集団から出てきた人たちが、そのときどきの行政を担当しているせいもある。」
「ネオコンと呼ばれている人たち・・、非常に強い、潔癖な倫理観を持っている人たちですね。自由と民主主義への強烈な思い入れ。個人的な信念の強い人たちです。」「9・11という大事件が勃発して、一挙に彼らの主張が通りやすい雰囲気になった。」

イラクで大量破壊兵器が出てこないため、イラク戦争を始めた理由をアメリカがコロコロと変えている点に関して(岡本氏の発言)
「アメリカは、大正義を実現するためならば、その過程については案外と柔軟ですね。そういう国民性。日本は国会答弁で一度口にしてしまったら、後々まで縛られて動けなくなるけれども、そういうことはない。」

日米関係を日本の安全保障の観点から見たとき、一番重要なことは何か、という議論で(岡本氏の発言)
「抑止力。」「周辺諸国が『ああ、日米安保条約というのは本物だな。両国とも本気なんだな』と思えばいいが、逆に日本が攻撃されたときにアメリカだって日本を守ったり守らなかったりするんじゃないかと、これは日本がじゃないですよ、北朝鮮がそう思う。そう思ったとたんに、抑止が効かなくなってしまう。」
「抑止というのは、敗れたらみんなが敗者になる。日本の対米協力というのも、すべてここにつながる話と考えるべきだと、僕は思っています。」
コメント
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