弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

「夜明け前」で挫折する

2021-06-29 19:04:06 | 趣味・読書
6月28日朝日新聞天声人語
「いつかは最後まで読みたい小説に、島崎藤村の『夜明け前』がある。明治維新の前後を描いた大作である。頭から読んで何度も挫折し、いっそ第2部から始めようとページをめくるが、牛の歩みだ。
このままでは一生無理かもしれないと、ダイジェスト版も手に取った。うーん、これでは読んだことにならないか。でも挫折で終わるよりはましか・・・。」

うわっ! これは私と全く同じ経験です。島崎藤村の「夜明け前」を何度も読み始めましたが、途中で挫折してしまいます。「夜明け前」にはそのような魔力が潜んでいるのでしょうか。


夜明け前 (第1部 上) (新潮文庫)
夜明け前 第1部(下) (岩波文庫)
夜明け前 (第2部 上) (新潮文庫)
夜明け前 (第2部 下) (新潮文庫)

同じように途中で挫折する書籍に、バーバラ・W・タックマン著の「八月の砲声」があります。

八月の砲声 上 (ちくま学芸文庫)
八月の砲声 下 (ちくま学芸文庫)
書評には「第一次世界大戦の勃発に際し、政治と外交と軍事で何がどう決定され、あるいは決定されなかったかを克明に描いてピュリッツァー賞に輝いた、戦争ノンフィクションの傑作。」とあります。
第二次世界大戦後、キューバ危機に瀕したとき、ケネディ大統領はこの本をよりどころとして判断の過ちを防いでいました。
『彼(ケネディ大統領)は、バーバラ・タックマン女史の著書「八月の大砲」に深い感銘を受けていた。ロシア、オーストリア、ドイツ、フランス、イギリスの誤算と誤解を、その本は明らかにしている。大統領は、誤算を犯して、この十月について同じような本が書かれてはならないと決意していた。』(ロバートケネディ著「13日間 - キューバ危機回顧録 (中公文庫)」の「終章」より)

しかし「八月の砲声」は、登場人物が多く、さらに、人物の描写において国名や役職が記載されず、ファーストネームのみで記載されていたりするので、話しについて行けません。登場人物名のメモを作成したりもしているのですが、なかなかです。
いつかは読み切りたいと思っている書籍の一つです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中山編「新・注解 特許法」

2021-06-27 13:59:15 | 知的財産権
特許法の実務、特に最近の判決例を中心に最も詳細に論述している書籍として、中山信弘先生の「注解 特許法」を頼りにして来ました。「第3版 注解特許法」(注解特許法〈上巻〉第1条‐第112条の3)からスタートし、今までは「新・注解 特許法」(新・注解 特許法〈上巻〉第1条~第99条)のお世話になっていました。
6年前まで私は個人事業主として特許事務所を開設しており、そのときには「第3版 注解特許法」と「新・注解 特許法」を所有していました。6年前に自分の事務所をたたんで今の事務所の勤務弁理士となったときに、そのうちの「新・注解 特許法」を持参しました。「第3版 注解特許法」はそのときに廃棄してしまったのですが、新たな勤務先には所蔵しておらず、今になって廃棄を残念に思っています。
最近になって、「新・注解 特許法」の第2版が発行されていることを知りました。
  
新・注解 特許法〈上巻〉 ¥23,918
新・注解 特許法〈中巻〉 ¥26,817
新・注解 特許法〈下巻〉 ¥23,918
私は勤務弁理士です。このように高価な専門書については、勤務先に購入してもらい、所員全員で共有するのが普通のやり方です。必要が生じたときに手に取って、関係する箇所を閲読するのが最も多い利用方法でしょう。
ところが現在、コロナ禍で所員のほぼ全員がほぼ100%在宅勤務ですから、職場にこの本を備え付けても気軽に読むことができません。
いろいろ考えましたが、私自身が利用するために唯一最適な方法として、上・中・下巻全部、自費で購入することとしました。我が家に所蔵しています。

現在、特許法29条、36条、70条など、主要な箇所を拾い読みしているところです。

p.s.6/30
上記記事を執筆するに当たり、アマゾンをいろいろ調べたところ、「第3版 注解特許法」(上巻)の古本がそんなに高価でなく購入できることがわかりました。さっそく購入して、所蔵本に加えました。
p.s.7/18
下巻もVALUE BOOKSで安く購入できることがわかったので、購入してしまいました。
 

注解特許法〈上巻〉第1条‐第112条の3 
注解特許法 第3版 下巻 第113条~第204条 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉並区のワクチン接種計画(2)

2021-06-26 16:29:36 | 歴史・社会
杉並区のワクチン接種計画 2021-06-10」に書いたように、杉並区は以下のような計画で接種を行っています。

区分 クーポン券発送日 予約受付開始日時 接種開始日 1回目接種日(私)
75歳以上  4月23日   4月30日     5月17日
65歳~74歳 5月6日  封筒が届き次第    5月17日  6月8日
60歳~64歳 6月21日    7月6日      7月6日
基礎疾患あり 6月21日    7月6日      7月6日
12歳~39歳 6月21日   7月13日     7月13日
40歳~59歳 6月21日   7月27日     7月27日

6月に入り、個別接種箇所が5カ所から117カ所に激増しました。

我が家の家族の一人(64歳以下)が杉並区在住です。上記のようにクーポン券が6月21日に発送される計画であり、到着を待っていました。6月25日にやっと配達されました。
しかし上記のように、予約受付開始はまだまだ先です。
杉並区では、予約枠の空き状況がこちらに掲載されています。6月25日現在のデータをこちらに保管しました。このデータを見てわかるように、杉並区の集団接種会場には直近で空きが多く見られます。64歳以下の区民は、こんなに空きが多くあるのに、7月6日以降にならないと予約ができないのです。一体どうなっているのでしょうか。杉並区は「7月いっぱいに65歳以上の高齢者の接種が完了すればそれでいい」と考えているとしか思われません。残念なことです。

ところで、6月になってから、杉並区の個別接種箇所が117カ所に激増しています。
我が家は杉並区ですが、世田谷区との境に近く、かかりつけ医は世田谷区です。そこで、かかりつけ医ではありませんが、杉並区内の近所の個別接種会場に当たってみました。永福町駅前の付近に3カ所あります。接種券が到着した6月25日に、その3カ所を回ってみました。3カ所とも、年齢制限なく、予約を受け付けるとのことです。1カ所目は最短で7月30日、2カ所目は7月17日、3カ所目は8月中旬に1回目の予約が可能だということでした。そこで、一番早く1回目の接種を受けることのできる、2カ所目のクリニックに予約を行いました。

接種予約を行ったクリニックの受付では、一人の方が専任でコロナワクチンの予約を行っていました。電話予約もひっきりなしにかかってきていました。杉並区の個別接種117箇所はどこでも、同じようにスタッフ一人がかかりきりでコロナワクチン予約事務をこなしていることでしょう。それが8月から9月まで続くことになると思われます。

以上のように、現時点において、杉並区については、ネット予約はほとんど機能しておらず、もっぱら個別接種のクリニックにおいて電話予約または来院予約で区民のワクチン接種が進行しているように思われます。ネット予約が再度機能し始めるのは、60歳以上が7月6日、39歳以下が7月13日、40~59歳が7月27日からになるでしょう。

p.s.6/26
杉並区のサイトでは、6月25日付けで、
「ワクチン接種の予約受付開始日を、下表のとおり前倒しします。」
と告示しています。
60歳以上・基礎疾患ありが7月1日、39歳以下が7月6日、40~59歳が7月14日
予約システム改修のため、65歳以上の方の予約受け付けを6/27~7/1朝までの期間停止するとのことです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉並区のワクチン接種計画

2021-06-10 17:31:55 | 歴史・社会
ワクチン接種 12~39歳優先へ 杉並区
6/10(木) 11:48配信  日テレNEWS24
『東京・杉並区は、59歳以下の新型コロナワクチンの接種について、来月から12歳から39歳の若年層を優先して行うと発表しました。
杉並区は59歳以下のワクチン接種について、来月13日より、12歳から39歳の若年層から優先して予約・接種を開始するということです。
感染者が多い20代・30代を優先したほか、12歳以上の10代については、夏休み期間中に接種することで学業に支障ないよう配慮したとしています。
杉並区は、今月21日から12歳から64歳を対象に、一斉に接種券を配布する予定です。
60歳から64歳や基礎疾患がある人などは来月6日から、40歳から59歳は来月27日から予約・接種を開始し、区内7か所の集団接種会場や医療機関で行うということです。』

杉並区は、64歳未満へのクーポン券発送と接種開始の日取りが未定でしたが、上記のように決まったようです。上記の情報に、私が「コロナワクチン接種予約完了 2021-05-09」で書いた内容を重ねると、全体として杉並区は以下のような計画になるようです。

区分 クーポン券発送日 予約受付開始日時 接種開始日 1回目接種日(私)
75歳以上  4月23日   4月30日     5月17日
65歳~74歳 5月6日  封筒が届き次第    5月17日  6月8日
60歳~64歳 6月21日    7月6日      7月6日
基礎疾患あり 6月21日    7月6日      7月6日
12歳~39歳 6月21日   7月13日     7月13日
40歳~59歳 6月21日   7月27日     7月27日

現在、杉並区接種会場としては、集団接種が7カ所、個別接種が5カ所です。集団接種・個別接種いずれも、予約は区がまとめてネット予約あるいは電話予約です。個別接種のクリニックに直接予約するルートはないようです。

今後、予約の逼迫が予想されます。
7月6日からは、60~64歳と基礎疾患ありの人の予約が開始されるので、数日は予約困難に陥るでしょう。
7月13日からは12~39歳ですから、これはしばらくの間、予約ができないかもしれません。
7月27日からは40~59歳ですが、そもそもずっと先まで、12~39歳、60~64歳で埋まっているでしょうから、たとえ予約サイトにたどり着けたとしても、予約可能日ははるか先、9月前後になってしまうことでしょう。

小金井市などは、個別接種についてはクリニックごとに予約電話を入れる体制にしています。高齢者のみが対象のうちは良かったでしょうが、いきなり若年~中高年層が解禁になると、電話予約は大変なことになるだろうと心配しています。

p.s. 6/11
本6月11日に、杉並区のホームページでも公表されました。
それによると、個別接種箇所が5カ所から117カ所に激増しました。それ自体はうれしいことです。
問題は、そのうちの大部分が、予約をそれぞれの医療機関が受け付けることです。どのような予約システムになるのかわかりませんが、診療所単位で予約を電話で受け付けるとなると、予約開始時には電話が鳴りっぱなしになるでしょう。医療機関ごとに回線が1回線だとしたら、かける側からしたら「全然電話が繋がらない」ということになるでしょう。杉並区はこのへんをどのように計画しているのか、心配になります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大規模接種センター予約ガラ空き

2021-06-09 17:16:47 | 歴史・社会
国が設置の大規模接種センター 東京と大阪で予約枠の8割残るガラ空き状態
6/8(火) 12:33配信 フジテレビ系(FNN)FNNプライムオンライン
『自衛隊の大規模接種センターについて、岸防衛相は7日、受け付けを開始した6月14日から27日までの予約枠が多く残っているとして、早めの予約を呼びかけた。
7日から受け付けが始まった大規模接種センターの6月14日から27日までの予約では、東京会場で、14万の枠に対して12万5,000、大阪会場では、7万の枠に対して5万7,000の空きがあるという。
岸防衛相は、28日以降は、すでに1回目の接種を受けた人の2回目の接種が始まることから、1回目の接種枠が非常に少なくなるとして、早めの予約を呼びかけた。
予約減少の理由について、岸防衛相は、自治体での接種の本格化が影響している可能性を挙げている。』

問題は2つあります。
[1]6月14日から27日までの予約枠がガラガラで埋まらない。
[2]28日以降は、すでに1回目の接種を受けた人の2回目の接種が始まることから、1回目の接種枠が非常に少なくなる。

まず[1]について。
首都圏の65歳以上の高齢者については、各市区町村の接種体制が順次増強され、順調に進んでいるところが多いでしょう。杉並区については、72歳の私が昨日1回目の接種を終えました。そういった順調に進んでいる市区町村では、大手町の大規模接種まで行こうとする人は少ないでしょう。
一方、市区町村によっては、逆に準備が遅く、そもそも65歳以上でクーポン券が配布されていない地区もあります。さいたま市はやっと6/3に65歳以上のクーポン券発送を行ったところです。
こうなったら、大規模接種については、64歳未満の年齢層に開放すべきです。そのためには、各市区町村が64歳未満に大至急クーポン券を発送する必要があります。そこがネックになるでしょう。国は、クーポン券無しでの接種を認める勇気があるか。

次に[2]について
私はこれを恐れていました。
ワクチン接種回数 2021-05-30」で話題にしたばかりです。
菅総理は、「東京の大規模接種の接種人数を早く1万人/日に拡大しろ!」とハッパをかけました。自衛隊は頑張って実現しました。
そうすると、1万人/日に到達した日から4週間経過後において、大規模接種を受ける人は2回目の1万人/日で埋まってしまい、1回目の人が受ける余地がゼロになってしまいます。
こんなことは小学生でもわかるでしょうから、「最初の4週間は5千人/日の接種とし、4週間経過後から、1回目接種5千人/日+2回目接種5千人/日で合計1万人/日に増大する」とする計画が思いつくはずです。
ただしこの場合は、最初の4週間はひたすら5千人/日で我慢しなければなりません。
それとも最初から、「自衛隊による大規模接種は、4週間ごとに、「この4週間は1回目のみ1万人/日、次の4週間は2回目のみ1万人/日、そしてこれを繰り返す」という計画だったのでしょうか。
そうであれば[2]は計画通りであった、ということになります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする