弁理士の日々

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習近平中国が台湾を武力併合!?

2017-01-15 20:32:31 | 歴史・社会
ついに習近平が本気の「台湾獲り」に動き出す 2期目の最大の目標は「中台統一」
近藤 大介 2017.01.10
『トランプ新政権は、第二次世界大戦後の歴代アメリカ政権のように「理念」ではなく、「実利」で行動するようになる。
・・・
アメリカ軍は徐々にアジアから引いていくだろう。・・・その代わり、アメリカ製の武器・兵器をどんどん買わせようとするだろう。そちらの方がアメリカ人の雇用が増えてアメリカが儲かるからだ。
・・・
私は、中でも一番リスクが高まるのは、台湾海峡だと見ている。その理由は、今年秋に2期目を迎える習近平政権が、2期目5年間の最大の目標として「台湾統一」を掲げ、本気で取りに来ると思われるからだ。』(近藤)

アメリカ時間の12月2日に、蔡英文総統がトランプ次期大統領に電話をかけて、大統領選勝利の祝意を述べたこは驚きでした。
米中が国交正常化交渉に入ったのは1972年ですが、それから7年後の1979年に、ようやく国交正常化を果たしました。7年もかかった理由は、「台湾をどう扱うか」というただ1点において、米中が合意できなかったからです。結局、「台湾独立を支持せず、中国が主張する『一つの中国』を尊重する」ということで落ち着きました。
現職大統領もしくは大統領当選者が、台湾総統と電話で話すなどということは、考えられなかったのです。(近藤より)

1996年3月に、台湾の李登輝総統が、初の台湾総統直接選挙を実施し、再選を狙いました。このとき中国は、台湾海峡に向かってミサイルを発射し、台湾を威嚇しました。これに対して米国は、台湾を救援するため、空母『ニミッツ』と『インディペンデンス』を台湾周辺に派遣しました。これだけで、このときの中国軍は撤退を余儀なくされたのでした。(近藤より)

このときの状況については、日経新聞の「私の履歴書」米ウィリアム・ペリー元国防長官の巻について、このブログで記事にしました(中国の「空母キラー」ミサイル)。
『あの事件以来、中国は海軍力の増強にまい進するようになっていった。そして、今、中国は南シナ海の南沙諸島だけでなく、東シナ海の尖閣諸島を巡っても領有権を主張。自国の海軍に所属する軍艦部隊を沖縄・宮古島周辺海域で堂々と航行させるなど日本と台湾の周辺海域で軍事プレゼンスを誇示している。』(2010年12月26日記事)

中国軍では2010年現在、「対艦弾道ミサイル(ASBM)」がほぼ完成してすでに部隊配置も始まっていたようです。ASBMとは中距離弾道ミサイル(DF21)を改造して、はるかかなたの洋上を航行する空母を攻撃できるようにした新兵器で、防御が難しいことから「空母キラー」とも呼ばれています。人工衛星から誘導するようです。
射程は1500キロを超えるということで、日本列島は沖縄を含めてすべてその範囲内に入り、グアムのアンダーセン基地のみがかろうじて射程から外れています。弾道ミサイルは迎撃が難しいと言われているようで、ということは、もはや米国空母は中国近海に進出することがきわめて危険であるということになります(中国の「空母キラー」ミサイル)。

1996年の事件の時、習近平は福州軍分区党委第一書記であり、台湾海峡の最前線で中国人民解放軍が台湾を威嚇する指揮を執った一人だったということです。
『以後、習近平は臥薪嘗胆してきた。習近平主席が誰よりも尊敬する毛沢東元主席がやり残した最大の事業が、台湾の統一である。「毛沢東の後継者」の意識が強い習近平主席は、「毛沢東の遺訓」である台湾統一を、常に胸に刻んでいるのである。』(近藤)

中国は、2005年3月に「反国家分裂法」を定めています。その第8条では、〈「台湾独立」の分裂勢力が、台湾の中国からの分裂の行動を起こした場合、・・・国家は平和的でない方式で、・・・国家主権と領土の完全な整備に死守しなければならない 〉と規定しています。蔡英文総統がトランプ次期大統領に電話したことを「分裂の行動」と捉えることも可能です。(近藤より)
習近平は、中国の国内法を根拠として、対外的政策を実行しますから、そこが恐ろしいところです。

実際に中国軍による台湾の武力統一は可能なのでしょうか。渡部悦和・元陸上自衛隊東部方面総監の「米中戦争シミュレーション 台湾紛争シナリオ」によると、台湾を巡って米中が全面戦争に突入したとしても、2017年の段階で、すでに中国軍が勝利してしまう可能性に言及しているのだそうです。また、中台戦争になってもアメリカ軍が台湾を助けないことを示唆しているといいます。(近藤より)

私は2年半前、「飯柴智亮著「2020年日本から米軍はいなくなる」」を記事にしました。
《はじめに》
『今回、飯芝氏の元米陸軍情報将校としての能力と、ミリタリー・アドバイザーのコネクションを駆使し、在日米軍が撤退する可能性とその時期について、米国内において、政府・軍関係者、および軍産複合体関係者に広く取材を敢行した。』
『台湾が中国のものになると、ドミノ倒しのように均衡が崩れていく。そのとき、米軍との戦力バランスは完璧に中国に傾く。習主席の中国は2020年頃に台湾を手に入れるだろう。
習主席は、台湾を取り戻して自国のものとして、さらに、かつて中国を侵略した日本に復讐し、アジア全域を支配下に置くという国家指針を持っている。
中国に空母が3隻揃うと、台湾に軍事侵攻を開始する。
2024年から2025年頃に、現在の練習空母遼寧に加えて、プラス2隻で、空母3隻体制が整う。』

上記のように、飯芝氏が米軍関係者から取材した予想では、習近平中国が武力で台湾を手に入れるのは、2020年頃、としていました。今回の近藤大介氏の評論によると、それよりも前倒しで、中国は台湾に対して武力行使を開始するかのようです。
別の報道によると、中国は2隻目、3隻目の空母をすでに建造中といいます。さらに、3隻目はカタパルトを装備している、とのことです。
飯柴智亮著「2020年日本から米軍はいなくなる」」によると、中国が台湾を武力で手に入れると、東アジアのバランスが崩れ、米軍の制空権が失われるので、沖縄の米軍は順次後方に下がるといいます。そのあと、日本周辺の抑止力は、まずは日本自身が有する防衛力によって確保せざるを得ません。そのような時期が、飯芝氏が預言したとおり、本当に2020年頃に到来するのでしょうか。
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群れる文化が巨木を枯らす

2017-01-09 01:03:02 | 趣味・読書
群れる文化が巨木を枯らす ─九州製鐡崩壊を目にして──
大久保健
文芸社
知り合いに紹介されて読んでみました。

東亜製鐵木更津製鐵所が舞台の小説です。東亜製鐵は、九州製鐵と北海道製鐵が1970年に合併してできた製鉄会社です。
木更津製鐵所の製鋼部には、♯2CC(第2連続鋳造設備)が建設され、1980年に操業を開始しました。小説は、♯2CCの計画、特徴、優れた品質を軸として進行します。それまで、連続鋳造設備は「湾曲型」といわれる形式がメインでしたが、♯2CCは「垂直曲げ型」を採用し、それによって従来にはない優れた品質の製品を実現しました。
主人公の秋山修は、1965年に九州製鐵に入社しました。八幡製鐵所のCC(連続鋳造)開発室を経て木更津製鐵所に転勤になり、♯2CCの計画と建設の立役者となります。

鋼の連続鋳造では、溶鋼が注入される鋳型の上端において、鋳型壁は垂直下方を向いています。湾曲型においては、鋳型部から半径10m程度の円弧になっており、鋳造された凝固シェルはその円弧に沿って下降し、下端で水平になったところで曲げ戻し矯正されて水平に向きます。
垂直曲げの場合、鋳型上端から下方に2~3mは垂直のまま直線状であり、そこで曲げ矯正されて半径10mの円弧となり、その後、水平になったところで曲げ戻し矯正される点は湾曲型と同様です。
このように、鋳型とその直下に垂直部を有しているか否かが、垂直曲げ型(VB:Vertical Bending)と湾曲型の違いです。

現実の千葉県の木更津市に木更津製鐵所は存在しません。木更津市の隣が君津市で、君津市には新日鐵住金の君津製鐵所が存在します。君津製鐵所は、新日鐵と住金との合併前は新日本製鐵君津製鐵所でした。新日本製鐵は、八幡製鐵と富士製鐵が1970年に合併してできた製鉄会社です。こうしてみると、小説の木更津製鐵所は、新日鐵住金の君津製鐵所をモデルとしていると考えてよさそうです。

新日本製鐵の連続鋳造設備(大型、板用)について、湾曲型から垂直曲げ型への変遷がどのようになされたか、調べてみました。
「連続鋳造技術の進展と今後の展望」(新日鐵技報2012)2ページに、新日鐵の主要連鋳機の主仕様一覧(表1)が掲載されています。建設時期、湾曲型から垂直曲げ型(VB)に改造した時期が記載されています。建設時期順に並べてみましょう。
         建設時期 VB改造時期
名古屋1CC 1970.11  2000.03
大分4CC  1976.03  1995.07
大分5CC  1976.08  1998.04
八幡2st  1979.04  2005.08
君津2CC  1980.03(最初からVB)
名古屋2CC 1980.11  1990.09
君津3CC  1982.01(最初からVB)
八幡3st  1982.12  1991.12
君津6CC  2006.11(最初からVB)

新日鐵の大型連鋳機は、君津2CC稼働前はすべて湾曲型であり、1980年に稼働開始した君津2CCが、新日鐵での初めての垂直曲げ型(VB)連鋳機であることがわかります。君津はその後、3CC、6CCといずれも垂直曲げ型で建設されますが、君津以外は、1980年以降も、湾曲型で建設されました。そして、1990年以降に次々と垂直曲げ型に改造され、現在ではすべての大型連鋳機が垂直曲げ型であることがわかります。
連続鋳造設備において、湾曲型から垂直曲げ型に変更するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
上記「連続鋳造技術の進展と今後の展望」(新日鐵技報2012)の6ページには、以下のように記載されています。
『5.1.2 内部欠陥対策
 ブリキ材などは製缶する際,鋼材の厚みが0.1mm以下まで深絞りされるため,介在物の内部欠陥は厳格に管理しなくてはならない。連鋳工程ではタンディッシュはもちろんのこと,モールド内からも介在物を除去する必要がある。その対策の一つとして,垂直曲げ(以下VB)化が主流である。モールドから垂直部を約2~3m確保することで,モールド内に侵入した介在物を浮かせて系外に排出させる。』

こうしてみると、小説の木更津製鐵所♯2CCは、現実に存在する君津製鐵所の2CCがモデルであることがわかります。

ところで、1980年当時の新日鐵では、垂直曲げ連続鋳造設備は君津2CCが最初でしたが、日本全体で見ると、すでに垂直曲げ連続鋳造設備は存在していました。例えば、川崎製鉄(当時)千葉製鐵所のフェースト(voest)マシンです。調べてみたら以下の文献がありました。

「スラブ連鋳機の生産性と操業技術の進歩」(鉄と鋼1981年)7ページに掲載された図11は、湾曲型(千葉1号)と垂直曲げ型(千葉2号、水島4号)それぞれについて、鋳片内部に存在する大型介在物の密度を比較し、垂直曲げ型が圧倒的に優れている点が開示されています。別の文献(「連鋳鋳型内凝固におよぼす操業要因の影響」(鉄と鋼1981年)に、『垂直鋳込み遂次曲げ多点矯正型の千葉 2号機(VOEST社製,2ストランド)、円弧鋳込み2点矯正型の水島5号機(MANNESMANN社製, 2ストランド)』とあるように、千葉2号機はVOEST社製の垂直曲げ連続鋳造設備です。

「我が国における鋼の連続鋳造プロセスの開花と未来へのシーズ 」(鉄と鋼2014)には、
『我が国においては,1966年国光製鋼で湾曲型ブルーム連続鋳造機が稼働した。1967年には,大和製鋼と日本鋼管鶴見で湾曲型スラブ連続鋳造機が稼働した。湾曲型大型スラブ連続鋳造機は,急速に普及した。その後,品質要求の高度化にしたがって,まず厚板用スラブの介在物対策として,1974年に川崎製鉄千葉で,1976年に日本鋼管京浜でプログレッシブ型垂直曲げスラブ連続鋳造機が稼働した。その後,薄板用スラブの介在物対策として1980年代に多数のプログレッシブ型垂直曲げスラブ連続鋳造機が稼働し,主流となった。』
とあります。垂直曲げの千葉2号機は1974年に稼働したようです。

小説で描かれた木更津製鐵所♯2CC、現実の君津製鐵所2CC、いずれの計画・立ち上げも、今から35年以上も前、はるか昔に起きた出来事です。しかし、小説を読みながら回想すると、ついこの間の出来事のように思い出すことができます。1980年頃私は君津製鐵所で勤務していました。
また小説には、主人公の秋山修の友人として、谷本という人物が登場します。木更津製鐵所の人事室長を務め、その後、東亜製鐵の子会社のウエハー製造会社の社長を経て、2010年現在は弁護士を開業しています。私は、新日鐵の子会社のウェーハ製造会社(ニッテツ電子→シルトロニック)に9年間も勤務していましたから、この点でも奇遇でした。
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2017初詣

2017-01-08 00:15:17 | Weblog
今年も、元旦の初詣に出かけました。
今年元旦に参拝した神社は、渋谷の金王八幡宮です。渋谷駅から徒歩で向かいます。
神社に着いてみると、初詣の長い行列ができています。それも、なかなか進みません。ずいぶん行列で待たされて、参拝できたのは暗くなりかける時刻でした。われわれが到着したのも遅かったのですが・・・。行列のすぐ近くにポケモンGOのジムが2カ所建っていたので、待っている間はジムでの戦いに明け暮れました。
そんなことで、残念ながら神社の写真がありません。

7日(土曜)、散歩がてら、というかポケモンGOがてら、自宅近くの神社での初詣をしてきました。まずは、世田谷松原の菅原神社です(下写真)。
 
菅原神社まで来て、思い出したことがあります。去年の正月に購入した破魔矢を、神社のお焚き上げに奉納する役目を仰せつかっていたのでした。そこで、菅原神社から一度自宅に戻り、破魔矢を持ってあらためて和泉熊野神社へ出かけることにしました。
和泉熊野神社はわが家の氏神様です(下写真)。


なお、私のポケモンGOトレーナーレベルは現時点で30です。
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