弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

デフレ・円高・株安

2009-11-30 22:08:12 | 歴史・社会
政府は11月20日にデフレ宣言を出しましたが、デフレ対策には触れずじまいです。一方の日銀はどこ吹く風で、自分からは何ら動き出そうとしません。そうこうするうちに、円高は進み、日経平均株価は泥沼のように下がり続けました。政府は日銀とどのような連繋をしようとしているのか。デフレ対策と円高対策のため、日銀は量的緩和政策に打って出ないのか。こちらでも、デフレ克服のためにどうすべきか再びデフレについてデフレ対策・もう一つで話題にしました。

日銀の発言を聞いていると、学会発表を聞いているようです。日銀は今やれることは実施済みで、新たな対応で有効な対応はもうない、という説明に終始しています。
この時点で必要なのは、「さらにここまで対策を打つ」という決意の表明とメッセージで市場を安心させることではないでしょうか。

11月29日の日曜に、鳩山首相は政権の主要メンバーを集めて協議しました。協議後に直ちに記者会見で対策を発表すべきシチュエーションですが、「具体的な対策はこれから考える」という状況です。鳩山首相が日銀総裁と会合するのは、当初12月1日といっていましたが、2日に延びたようです。

一方、日銀の白川総裁も30日に発言しました。
デフレ克服に最大限努力=必要なら迅速・果敢に行動-日銀総裁
11月30日13時1分配信 時事通信
『日銀の白川方明総裁は30日、名古屋市で講演し、デフレ問題への対応について、「日銀は必要と判断される場合には、迅速・果敢に行動する態勢を常に整えている」と強調。その上で、「金融緩和と金融市場の安定確保の両面で、デフレ克服のために最大限の努力を行う」と述べ、金融政策面からも全力で対応する方針を示した。
 白川総裁は、政府が11月の月例経済報告で示した「緩やかなデフレ状況にある」との見解に関し、「日銀の物価に関する判断は政府見解と同じ」と言明。その上で、日本経済を支えるために緩和的な金融環境を維持する方針を「堅持している」と改めて強調した。
 また、物価の先行きに関して、経済の持ち直しのテンポが緩やかにとどまる場合、「物価の下落圧力もある程度長期間残る可能性が大きい」との認識を示した。』

「日銀の見解は政府見解と乖離していない」「日銀もやるときはやるよ」という情報発信ですが、「もう既に必要な対策は済んでいる」とも読め、新たなデフレ対策・円高対策は行わないようにも聞こえます。

この点に関して市場はどのように見ているのでしょうか。
海外勢注目の「政治リスク」、政府・日銀の連携に疑問符
11月30日13時44分配信 ロイター
『[東京 30日 ロイター] 円高と一段のデフレ懸念が急速に広がる中で、政府と日銀が連携して政策に対応できるのか、疑問視する声が出ている。
 海外勢の間では、日本の政治リスクが高まっている、との声が出ており、円高/株安の連鎖が一服している間に早急な対応を示すことができなければ、世界的にリスク志向が回復したときに日本が再度取り残される可能性は高い、という。』
『日銀の対応策については、「日銀はデフレに対応する姿勢を示した。量的緩和やデフレ対応としての為替介入を連想させるが、このコメントでは現在の政策を継続するのか、新たな対応に踏み込むかどうか判断しにくい。為替市場ではストレートな反応は出ていない」(大手銀行)という。
 鳩山首相と白川日銀総裁との会談について、市場では、政府がデフレ対応としての一段の金融緩和や国債買い入れ、企業金融対策などを要請するとみる声が多い。平野官房長官は会談について「量的緩和するかどうかを含めての意見交換と理解している」と語った。
 ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏は「日銀はデフレの要因は需要の弱さで、マネーの蛇口を大きくしても効果はないとの立場。金融政策にできることはないと表明するとみており、政府・日銀の足並みが乱れそうだ」とみている。
 ある外銀筋は「海外では日本が考えている以上に、政府と日銀の連携プレーに対する危機意識が強い。これは政治リスクだ。このままでは、リスク志向が回復した後も、取り残されている日本株が立ち直れない可能性がある」と話している。
 円債市場でも、日銀が先手を打って動くという見方は少ない。
 みずほ証券・チーフマーケットアナリスト、三浦哲也氏は「金融危機、もしくは不安な場合は、なんらかの措置をとる可能性が高いが、今の段階では、すぐに日銀の方から動き出すということはなく、マーケットから催促されて動くという感じだ」と話している。ニッセイ基礎研究所・主任研究員の徳島勝幸氏も「(きょうの)白川総裁のコメントは、基本的にはこれまでの日銀のスタンスと変わっていないという印象だ。昔でいえば量的緩和政策のような非伝統的な措置を行うのはなるべく回避したいというのが本音で、日銀はしばらく前からその姿勢をしっかりと維持している」という。』

市場が抱いている懸念は、われわれ素人が抱いている懸念と同様であるようです。

日銀が行う量的緩和が理論的に確実に効果を出すのか否かは今の段階では問わず、「強い決意で量的緩和に踏み切る」という日銀の意思表示が必要なように思います。

もしそれができず、日銀総裁が相も変わらず学者が解説するような発言しかしないのであれば、2年前、当時の民主党は日銀総裁選びを誤った、ということになるでしょう。

11月30日、日経平均株価は前日比264円高、外為は1ドル86円台です。しかし、この状態で「小康状態に入ってほっとした」などと考えてほしくないです。日経平均が9345円というのは安すぎますし、1ドル86円も高すぎます。政府と日銀には不退転の決意を望みます。
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日本での相対的貧困率推移

2009-11-27 16:56:36 | 歴史・社会
11月8日に「相対的貧困率データが意味するものは」として記事を載せました。
10月20日に厚労省が公表した「相対的貧困率」のデータから何を読み取るのか、という問題です。
この記事に対して、びいのたけしさんから連合総研のレポートを紹介して戴き、ゆうくんのパパさんから80年代、90年代の相対的貧困率についてOECDのデータを紹介していただきました。

私がOECDのデータに直接アクセスすればいいのでしょうが、私はこの分野の専門家というわけでもないので、そこまではやらずに済ませました。そして取り敢えずは、判明した相対的貧困率のデータを1枚のグラフにまとめてみようと思います。
今回厚労省が公表した1998~2007年のデータ(pdf)、連合総合生活開発研究所による「公正で健全な経済社会への道」の124ページ図表Ⅱ-2-16「年齢階層別の相対貧困率推移」の中の「年齢計」のデータ(1995~2003年)、それにゆうくんのパパさんがコメントされたOECDデータによる日本の相対的貧困率(80年代:12%、90年代:13.7%)です。連合総研のデータは、グラフから読み取ったので数値は正確でありません。



厚労省データ、連合総研データ、OECDデータそれぞれで若干の上下がありますが、「1985年から2007年にかけて、日本の相対的貧困率は徐々にではあるが確実に増大している」という傾向を読み取ることができます。

吉川徹「学歴分断社会」によると、終戦後から現在に至るまでの経済状況を、三つの時代に分けます。1945~70年が戦後社会、70~95年が総中流社会、1995~現在が格差社会です。客観的にそのような時代であったというよりも、国民の気分がどのような気分だったかで区分けしているようでした。
ところが上記相対的貧困率の推移によると、「総中流社会」と言われた期間内において相対的貧困率は上昇傾向にあり、「格差社会」に名前を変えた以降も徐々に増大し、現在でもまだ上昇傾向が続いている、ということが事実としても言えるようです。

このように、20年以上にわたって日本の相対的貧困率が上昇傾向にあるという事実は、きちんと受け止める必要があります。このデータを「日本の年齢構成が変化したことによるものであり、実質的な格差の度合いは変わっていない」と見るのかどうか、それはデータをよく解析してみないと分かりません。少なくとも詳細解析によって真の姿を解明することは必須です。

また、「OECD諸国の中で、日本の相対的貧困率はワースト4位である」という事実も受け止めるべきです。なぜそのようになったのか、解明しなければなりません。

すべては専門家による詳細な解明が待たれるのですが、取り敢えずは私が六十有余年生きて来た実感を書き留めておこうと思います。
私が小学生だった1960年頃、日本全体が貧乏でしたし、その中での格差も今以上に強烈だった印象があります。テレビドラマ「若者たち」などで描かれていました。
その後、高度経済成長が始まりました。高度経済成長が終焉し、安定成長の時代に入るのが1975年頃でしょうか。「総中流社会」と呼ばれるのが1970年以降ということは、高度経済成長の最終段階で、日本全体が豊かになるとともに格差も是正され、その後25年間にわたって「日本は格差の少ない社会だ」という実感が継続されたことになります。
そして現在が「格差社会」です。

1960年以降の50年間の実感からいうと、むしろ1970~1995年の「総中流社会」が極めて異例の時代だったのではないかとの感想が得られます。日本の2000年間の歴史の中で、あの25年間だけがユートピアのような時代だったのではないかと。それ以前の日本は貧乏でかつ格差もありました。そして現在は、全体は昔ほど貧乏ではありませんが格差が拡大しつつある時代です。

高度成長期とそれに続く総中流時代は、世界の中でも日本が有する特質を生かせる時代でした。堺屋太一氏が「高度工業化社会」と名付けた時代で、日本人の勤勉さや組織を大事にする気質がフルに生かせた時代です。しかしその時代も終わり、現在は、日本がかつて担った高度工業化の部分は、賃金レベルが低い新興国が担うようになり、高賃金の日本はそれとは別の役割で生きて行かざるを得ません。
かつての総中流時代のような幸福な時代が再度到来し得るのかどうか、見通せません。
少なくとも、「総中流時代と同じレベルに戻れて当然」との認識は捨てた方が良いだろうと思います。


ところで、「現在の日本は、相対的貧困率がなぜ徐々に増大してきたのか。OECD諸国の中でなぜ日本は低位のレベルにあるのか。」といった謎を解明するためには、データを解析する必要があります。
先日、連合総合生活開発研究所「公正で健全な経済社会への道」の124ページ図表Ⅱ-2-16に示される年齢階層別の相対貧困率推移について、各年齢別において、例えば30歳未満の相対的貧困率を算出するに際し、中位数の人の所得とは、全年齢合計における中位数の人の所得なのか、それとも30歳未満の人の集合の中での中位数の人の所得なのか、その点が不明だったので、連合総研に直接問い合わせてみました。

結論は以前報告したとおり「年齢階層別の貧困率は、全年齢データの中位数の所得値(等価所得)の半分(50%値)を相対的貧困の基準値としたものです。この基準値を各年齢階層の所得データに当てはめ、この基準値以下の人数が、その年齢階層の人数に対して何%を占めるかという比率がその年齢階層の相対的貧困率です(OECDの相対的貧困率の作業)。」というものでした。

そして連合総研から上記回答を頂いたおり、併せて以下のコメントをいただきました。
「等価所得の計算は、個票データ(世帯単位の所得額を世帯員に配分しなおすため)が必要であり、日本の場合には所得データは国民生活基礎調査が利用されておりますが、個票データの利用には許可が必要でその条件は厳しいようです。」
即ち、国民生活基礎調査のデータを持っている厚労省がなかなかデータ使用許可を出さないので、一般のシンクタンクが有益な解析を行うことが困難です。従って、厚労省自身が独自で有益なデータ解析を行って公表しない限り、われわれは実態を正確に知ることができません。厚労省には態度を変えてほしいものです。
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クラウドコンピューティングとは何か

2009-11-25 19:25:49 | サイエンス・パソコン
「クラウドコンピューティング」という言葉を頻繁に目にします。何かインターネットを介して雲のように多数のコンピュータを使う技術に違いない、とは思うのですが、その実態がよく見えません。
数ヶ月前ですが、知人から「クラウド大全」という本が役に立つという情報を得ました。単行本なので購入はせず、近所の図書館に予約したのですが、6人程度の順番待ちで、数ヶ月もまたされました。やっと順番が回ってきたで読んでみました。
クラウド大全 サービス詳細から基盤技術まで
日経BP社出版局
日経BP社

このアイテムの詳細を見る

「クラウド」という言葉についての正確な定義はなく、人によって企業によって狭く解釈したり広く解釈したりしているようです。その中の共通する概念を抽出すると、以下のようになるようです。

(大規模システムの台頭とコスト激減)
・アマゾンやグーグルは、数万台とも数十万台ともいわれるサーバーを結合して大規模な分散処理システムを構築している。これだけの台数となると、1台あたりの単価、ストーレージのビットあたり単価は、利用者が個別にサーバーを構築するのに比較して劇的に安価になる。
5万台以上のサーバーを利用するデータセンターは、1000台以下に比較し、ネットワークコストが1/7、ストレージコストが1/6、管理コストが1/7になる。
・大規模分散処理の技術が進歩し、利用者が、その数万台の大規模分散処理システムの一部を借り、あたかも数台~数十台のサーバーを構築して利用者のコンピュータ処理を行っているような形態を取ることが可能となった。
(新たなネットビジネスにとって)
・利用者の処理規模の増減に対応し、借りるサーバーの数をいとも簡単に増減することができる。アイデア一つを元手にネットビジネスを開始しようとする個人は、まず数台規模のサーバーを借りて商売を開始し、その後爆発的にヒットして数百台のサーバーが必要になったとしても、簡単に規模を拡大することができる。例えばツイッターのように。
(大企業にとって)
・大企業が自社ユースのサーバーを構築するに際しても、新たにハード・ソフトを導入するに比較し、既存大規模分散処理システムの一部を借りて構築することとすれば、安価かつ短期間で必要なシステムを構築することができる。
・緊急に単発の大規模データ処理を行う必要が生じた場合、クラウドを利用すれば、極めて短期・かつ安価に、目的の処理を完了することができる。
(個人にとって)
・メールソフトやオフィスソフトをデータセンター(クラウド)側で準備し、個人が安価な端末を用いて種々の処理を行わせることができる。

まず、クラウド時代の到来には、アマゾンとグーグルの寄与が大きいようです。クラウドという言葉を初めて使ったのは、グーグルのCEOであるエリック・シュミット氏です。「従来ユーザーの手許にあったデータサービスやアーキテクチャが、サーバー上に移ろうとしている。我々はこれを、クラウドコンピューティングと呼ぶ。(データやアーキテクチャは)“クラウド”のどこかにある。ブラウザのようなアクセスできるソフトウェアがあれば、PC、Mac、携帯電話、BlackBerryなどどのようなデバイスからでも、クラウドにアクセスできる。」
2006年、アマゾンがAmazon EC2(仮想マシンサービス)とAmazon S3(ストレージサービス)を開始します。
2008年、アメリカのセールスフォース・ドットコムが、同社のアプリケーション基盤を使ったカスタムアプリケーションを第三者が開発できるForce.comの提供を開始します。
同年、グーグルが第三者のWebアプリケーションをホスティングするGoogle App Engineを開始します。

クラウドコンピューティングを支える技術
SaaS(Software as a Service):サービスとして提供されるソフトウェア
PaaS(Platform as a Service):
IaaS(Infrastructure as a Service):
PaaSとIaaSはいずれも、仮想マシンを自分のマシンのように動かすサービスを提供する。
(スケーリング)PaaSの場合、アプリケーションの負荷が上昇したときにサーバーなどのハードウェア資源を自動的に増強してくれる。IaaSではアプリケーション開発者が資源増強を考慮する。
(自由度)PaaSでは使えるOSやミドルウェアが限定される。IaaSでは好きなOSやミドルウェアをインストールしてアプリケーションを開発できる。

低料金
Amazon EC2では、例えば2CPU×2コア+メモリー1.5Gバイトで1時間あたり0.5ドルで使えます。Amazon S3は、保存するデータ容量1Gバイトあたり月額0.15ドルで利用できます。

第4章では、日経BP社が運営するITproで「ITproリコメンド」というサービスを開始するにあたり、Amazon EC2を利用した経緯が詳細に紹介されています。システム専門家ではなく、記者がシステムを構築し、2ヶ月で本番稼働にこぎ着けました。

クラウドを利用するということは、ネットの向こう側にあるクラウドに情報を預けることです。情報が極秘情報である場合、セキュリティーが心配になります。
この本において、「日本人は米国人と比較するとセキュリティーが恐くてクラウドを利用しない場合が多い」ということは記述されています。しかし、「現在のクラウドサービスについて、極秘情報を預けるに足りるセキュリティーが確保されているか否か」という結論については明確にしていませんでした。

日本郵政グループの郵便局会社は、セールスフォース・ドットコムが提供する顧客管理サービスを利用する世界最大の利用企業です。顧客情報をクラウドに預けるという決断をしたわけで、クラウドのセキュリティーを信頼することに決めたのでしょう。

セキュリティーに関する大企業の心配を逆手にとったサービスが、IBMの「プライベート・クラウド」です。
アマゾンやグーグルのクラウドは、これら企業が提供するデータセンターを利用するわけです。しかし大企業は、自社の極秘データを外に出したくありません。IBMは、クラウドを支える技術をそのまま用い、社内にクラウド的なデータセンターを構築するサービスを「プライベート・クラウド」と名付けました。ハードまでを保有する点で一般的なクラウドとは異なりますが、クラウド技術を適用した結果として安価で融通性のあるシステム構築が可能になったのでしょう。
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デフレ対策・もう一つ

2009-11-24 19:27:22 | 歴史・社会
月刊誌Voice12月号を買いました。最近3ヶ月間、Voiceを継続して買っています。
あの高橋洋一氏が月刊誌に復帰しているのですね。「政策工房会長」という肩書で、『「郵政見直し」国民負担1兆円 まやかしの民営化は必ず破綻する』という評論を書いています。

郵政の話は、私が高橋氏の持論として今まで取り上げてきた内容を踏襲するものでした。

ここでは、亀井静香大臣のモラトリアム法案を題材にした話をメモしておきます。
「モラトリアム」的な考え方は、じつは、GDPギャップが足元で50兆円もあるような現状を前提とし、中小企業への支援対策として考えるならば、悪いものではない、とします。この法案にうまく政策をかませば、力があるにもかかわらず経営難に陥った中小企業にとって大きな救いになるだろうと。
ただし、モラトリアム法案では返済の猶予にあたり、信用保証協会などを活用して政府保証を付けるとしていますが、そのためには財政措置も必要になります。補正予算で政府保証についての計上がされなければならないと。しかし民主党政権は補正予算の提出を年明けの通常国会としています。

ここで高橋氏は、日銀に金融緩和をさせつつ、中小企業対策もやらせることを提案します。
具体的には、中小企業に銀行が貸し付けている貸付債権を日銀が買い取ります。これなら損失は日銀に回り、銀行にとっては政府保証がつくのと変わりません。一方、日銀が買うことで、日銀から出たお金が市中に出回るようになり、結果として長期金利も下がり、これは多くの人が自動的に猶予を受けるのと同じ意味を持ちます。これはまさに金融緩和策で、デフレ対策にも中小企業対策にもなり一石二鳥政策で、どこから見てもいいことずくめです。
日銀が中小企業向けの貸付債権を5兆円なり10兆円なり買い取らせるのがベストといいます。

亀井大臣はそこまで頭が回っていないだろう。金融庁や財務省は、気付いたとしても自分たちの仕事ではないから何も言わない。日銀自身はこれをやりたいと思っていないから自分たちからいいだすこともない。
--以上--

11月23日、テレビで「たけしのTVタックル」の一部を見ていたら、これらかの日本経済やデフレについて論じていました。亀井静香大臣、勝間和代氏、岸博幸氏、中小企業の社長さんたち大勢など、大人数です。

その中で勝間和代氏が、「日銀が中小企業の貸付債権を買い取ると良い」という意見を述べていました。上の高橋洋一氏と同じ意見です。「日銀が国債を買い取るべき」即ち量的緩和政策についても同時に述べていました。
しかし勝間氏の発言も、その後の別の人の発言でかき消され、それ以上進展することはありませんでした。
この番組、民主党関係者も日銀に影響力を有する学者も出演していませんでしたから、この話題で議論を深めることは不可能でしたが。

勝間氏がここで発言したということは、他の場所でも発言しているでしょうから、以前紹介した『勝間和代「リフレ論」が大反響 ネットで賛否両論が渦巻く』と同様、勝間旋風を巻き起こしてくれるかもしれません。それに期待しましょう。

本日11月24日も、日経平均株価は落ちる一方です。
民主党政権はデフレ宣言をして危機を煽るばかりで、デフレ対策を打ち出しません。こんなことならデフレ宣言をしない方がましです。民主党の野党体質が抜けていない、ということでしょうか。日銀も他人事のようにどこ吹く風です。

ps 11/25 こちらに高橋洋一氏「郵政見直し」国民負担1兆円/高橋洋一(政策工房会長)」の全文がありました。
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立ち直った!はやぶさ

2009-11-23 17:24:12 | サイエンス・パソコン
11月12日「はやぶさ! がんばれ!!で報告したように、小惑星「イトカワ」の探査を終えた惑星間探査機「はやぶさ」は、イオンエンジン不調で大きな危機に見舞われていました。
はやぶさの4基のイオンエンジン(スラスタA~D)の全部が不調になり、エンジンが停止していたのです(小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジン異常について)。
・スラスタA:打上げ直後に動作不安定等があったため、運用を休止中。
・スラスタB:中和器の劣化による電圧上昇があり、運用を休止中。(2007年4月以降)
・スラスタC,D:それぞれ中和器の劣化による電圧上昇の傾向が生じている。

提供 JAXA

それが11月19日の報告「小惑星探査機「はやぶさ」の帰還運用の再開について」において、無事に解決の方向に向かっていることが示されました。
この報告によると、はやぶさのイオンエンジンは、イオンビームを噴射するイオン源と、電子を噴射する中和器がセットになっています。中和器が不調になると、イオン源が正常であってもそのスラスタは運転不能になるようです。
そして今回の修復は、中和器が健全であるスラスタAの中和器と、イオン源が健全であるスラスタBのイオン源とを結合し、1台のイオンエンジンとして稼働再開が可能になったというのです。

        提供 JAXA

地上であれば、中和器Aとイオン源Bとを電気的に結合する回路を増設する改造は、いとも簡単にできるでしょう。しかし現在、はやぶさは宇宙空間に浮かんでいます。このような状況で中和器Aとイオン源Bとを結合することができたということは、打ち上げ前の設計・製造段階で、このような結合を可能にするスイッチ類がちゃんと装備されていたことを意味します。

つまりこれは、あらゆる不具合を想定したうえで設計段階で準備した回路が、はやぶさの命を救ったことを意味します。

はやぶさは、今までに数々の不死鳥伝説を生み出してきましたが、そのいずれも、設計段階での配慮、そして運用段階での智恵が生み出したものであり、はやぶさを設計・運用するエンジニア・研究者たちのレベルの高さを示すものでしょう。

はやぶさの地球帰還を願って。
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再びデフレについて

2009-11-21 18:46:08 | 歴史・社会
「デフレ」認識、政府と日銀に温度差
11月20日23時0分配信 読売新聞
『政府が「デフレ」による経済への悪影響への危機感を強める一方、日本銀行は20日の金融政策決定会合で景気の現状認識を上方修正するなど、政府と日銀の間のデフレを巡る認識の違いが際立ってきた。』

デフレ宣言 利益出ない…経済界警戒 回復基調くじく悪循環
11月21日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
『政府によるデフレ宣言は、回復基調にあった株式市場や企業業績に冷や水を浴びせる。企業活動は「作っても利益が出ない」「売ってももうからない」悪循環」に陥り、賃下げや失業増を招く恐れも強まるなど、経済界に警戒感が広がっている。』

そりゃそうですよね。
政府がデフレ宣言をするのみで、政府と日銀がともにデフレ脱却のための方策を打ち出さなかったら、国民と経済界をただ萎縮させるだけです。
日経平均の下げは止まらず、20日の終値は9500円割れです。ここ数日、景気回復の気分はあっという間に萎えてしまいました。

11月21日の日経朝刊から、「デフレと日銀の量的緩和」についての話題を拾ってみます。
1面では『「縮み」脱する成長策を』として
『税収の激減、景気の二番底懸念、そして今回のデフレ認定。日本経済に対する危機感を唐突に盛り上げるのが鳩山政権の習性のようだ。経済の全体像を見わたす司令塔が不在のまま困難な現実に直面して右往左往する。この繰り返しで根の深いデフレを克服できるのか、はなはだ心もとない。』
『政府が着手した経済対策も、麻生前政権で組んだ補正予算の凍結分を2次補正に充てる「組み替え」の色彩が濃い。
揚げ句の果てが「日銀頼み」である。菅直人経済財政担当相は「金融の果たすべき役割が多い」と注文をつけ、亀井静香金融担当相も日銀の認識の甘さを再三批判する。』
『世界市場の株価上昇と裏腹に、じわじわと4日続落した日経平均株価は、戦略不在で「買えない日本」への投資家の警告と受け止めるべきだ』

2面『社説 閉塞デフレ脱却に政府・日銀は足並みを』
『問題は政府の危機意識である。鳩山由紀夫政権は、まとまった経済政策が不在である。デフレの問題に正面から取り組んでいない。
日銀も金融は十分に緩和的だとして、追加的な対応には消極的である。行動できないことを理路整然と説明するだけでは、デフレの解消はおぼつかない。』
『デフレは物価変動を考慮した実質金利を高止まりさせ、円相場を経済の実力以上に高くする傾向にある。財政面での景気てこ入れは、長期金利の上昇を通じた意図せぬ円高という副作用を招く恐れもある。
政府・日銀が経済政策の運用で認識を共有できるなら、国債の買い入れ増額なども検討の余地があるだろう。経済財政諮問会議を廃止して以降、政府と日銀のトップが定例の話し合いの場を持っていない。そんな現状を一刻も早く改めるべきだ。』
『潜在的な需要の大きい医療、教育、保育などの分野の規制を一段と緩和することが大切だ。』

3面『資金供給の拡大 日銀総裁は慎重』
『日銀の白川方明総裁は20日記者会見し、設備投資や個人消費などの最終需要が大きく不足した状態では「流動性を供給するだけでは物価は上がらない」と指摘。デフレ克服に向けた資金供給の拡大に否定的な考えをにじませた。米連邦準備理事会(FRB)は現在、日銀のかつての量的緩和政策に匹敵する規模の資金を供給しているが「物価を押し上げる力は乏しい」とも語った。』
『総裁が追加融資の効果に懐疑的なのは、需要の弱さという「根本的な原因に働きかける」ことが今の局面では重要と考えているためだ。「家計の将来への安心感や企業の成長期待を確保することがもっとも大事」と述べ、現在の超低金利政策や潤沢な資金供給で「粘り強く支援していく」姿勢を改めて強調した。』
『日銀は景気悪化と物価下落の悪循環(デフレスパイラル)に陥らないように、金融システムの安定に務める構え。総裁は流動性が枯渇するような状況での資金供給は「物価下落を防ぐうえで大きな効果がある」と述べた。』

こうして見ると、政府と日銀はともに、自分では有効な手を打とうとせず、相手側に下駄を預けようとしているようです。
今の日銀総裁を実質的に選んだのは現民主党政権です。民主党政権と現日銀に、日本経済を立て直す力はあるのでしょうか。


ところで、「量的金融緩和政策」についていくつかの雑誌記事を拾ってみます。

Voice 10月号の緊急特集「民主党にこれだけは言いたい!」の中で竹中平蔵氏が『“生活水準”下落の悪夢 過剰な「格差是正策」で日本人は窮乏する』との論評をしています。
その中の『成長戦略とデフレ克服』において、
『私はこれまで何度も民主党に、マクロ経済についても議論すべきだと注文してきた。ところが、やるといいながら結局何もしなかった。』
『経済が成長しないと、何であれ物事を解決するのは極端に難しくなり、普通の人が生きていくのも非常に厳しくなる。』
『もう一つの「デフレの克服」はどうすべきか。・・・本来なら日本銀行が通貨供給量(マネーサプライ)を増やし、市場に出回るお金を増やす必要があるのだが、日銀はマネーを出していない。
私が大臣を務めているとき、・・アメリカのローレンス・サマーズ財務長官が来日し、日銀幹部と三人で食事をした。当時の日本経済は実質2%成長していたが、日銀はマネーを0.5%しか出していなかった。経済が実質2%成長なら、マネーは4%ぐらいに増やさなければ2%成長の物価上昇にならない。そこで私は日銀の幹部にもっとマネーを出したらいかがですか」と訪ねたのだが、答えは「日銀のバランスシートが大きくなるから出せない」というものであった。
サマーズ財務長官はこのとき、「So what?(それがどうした?)」と驚いたものである。日銀にはシニョレッジ(通貨発行によって発行者が取得する利益)が与えられている。だからバランスシートが大きくなっても問題はない。・・・いわば日銀は日本経済より、自分の「勝手な美学」を大事に考えているのだ。
本来なら、これを是正するのが政府の責任である。多くの国で、政府は中央銀行に対して年1~2%の物価上昇率を実現するように目標を課している。・・・ところが日本でこの議論をすると、メディアを含め、「日銀の独立性」を盾に囂々たる批判が巻き起こる。
だがこれは「日銀の独立性」をはき違えた議論である。独立性には「目標の独立性」と「手段の独立性」の2種類あって、本来、中央銀行が持つべきは「手段の独立性」なのである。中央銀行には目標を勝手に決める権限はない。決めるのは国民の代表である政府でなければならない。』

一方、Voice 11月号で大前研一氏が『爆発的に経済成長する法 鳩山首相に贈る「100万都市」大改造計画』との論評をしています。
その『①もはやマクロ経済政策は時代遅れ』において
『マクロ経済政策が効かない第一の理由。それは経済に国境がなくなったこと、つまり世界が「ボーダーレス化」したからである。
・・・マネタリストの議論では、マネーサプライ(通貨供給量)を増やして景気を刺激する、インフレを作り出す、となる。
しかし少なくともここ15年間の日本、あるいはここ1年間のアメリカで、これらの古典的経済政策はまったく効果を上げていない。』
『マネーサプライを見ても、日本の経済規模を考えれば、市場に流れるお金は20兆~30兆円あれば十分である。しかし現在の流通量はその3倍にあたる93兆円だ。それほどのお金が出回ってもほとんど借り手がいない。まずはそのような事実を冷静に認識しなければならない。』
と述べています。

前回の記事でも、経済学者で駒澤大学准教授の飯田泰之氏、経済学者で上武大学教授の田中秀臣氏は「量的緩和政策」に賛成、経済学者の池田信夫氏、アメリカの投資銀行に勤めている藤沢数希氏は「効果がない」という意見であることを紹介しました。

これだけ意見が分かれるのであったら、各人が勝手に自分の見解を表明するに止まらず、賛成派と反対派が一堂に会して議論を展開してほしいものです。そうしてもらわないと、素人であるわれわれにはどちらの見解が正しいのか、皆目見当がつきません。
そうこうしているうちに実体経済におけるデフレはどんどん進行しているのです。一刻の猶予もならないと思います。
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デフレ克服のためにどうすべきか

2009-11-20 20:40:22 | 歴史・社会
本日11月20日、菅直人大臣がデフレを宣言し、藤井財務大臣もデフレ懸念に危機感を表明しました。
デフレに対して日銀はどのようなスタンスなのでしょうか。

政策金利維持を全員一致で決定、景気判断を引き上げ=日銀
11月20日13時17分配信 ロイター
『日銀は19・20日開催の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.1%前後に据え置くことを全員一致で決定した。
 日銀は声明で、景気の現状について「持ち直している」との見方を示し、「持ち直しつつある」から判断を引き上げた。マイナス圏内で推移している消費者物価(除く生鮮食品)に関しては「中長期的な予想物価上昇率が安定的に推移する想定のもと、石油製品価格などの影響が薄れていくため、下落幅が縮小していく」との見通しを変えなかった。
 ただ、物価をめぐっては、経済閣僚が相次いでデフレに対して懸念を表明するなど、政府と日銀とで認識にズレが生じているとの見方も出ている。
 経済協力開発機構(OECD)は19日、物価上昇率が確実にプラスになるまで、日銀は現行の超低金利を維持しつつ、量的緩和措置を効果的に実施するという強いコミットメントを通じ、デフレと闘うべきであると提言した。
 日銀は当面の金融政策運営について、日本経済が物価安定の下での持続的成長経路に復帰していくことを粘り強く支援していく観点から「きわめて緩和的な金融環境を維持していく」との方針をあらためて確認した。』

政府の認識は日銀にきちんと伝えたい=景気認識などで菅国家戦略担当相
『菅直人副総理・国家戦略担当相は20日の閣議後会見で、あらためて日本経済は「デフレ状況にある」との認識を示した上で、「こういう状況下で金融の果たすべき役割は大きい。政府としての認識は日銀にきちんと伝えたい」と述べ、きょう開催される日銀金融政策決定会合などで政府としての景気認識などを伝える考えを示した。』

デフレ懸念に危機感、日銀超低金利政策の限界も=財務相
2009年 11月 20日 11:11 JST
『藤井裕久財務相は20日の閣議後会見で、消費者物価の前年比マイナス基調が継続するなど物価情勢にデフレ懸念が強まっていることに危機感を表明し、経済運営上の重要なポイントと強調した。』
『日銀の金融政策に対しては「民間経済活動の血液という面で、それなりの対応をしてもらわなければならない」と述べながら、「今、日銀は相当な超低金利政策を行っていることは間違いない。そこの限界もあるだろう」と指摘。現在、政策金利が0.1%前後となっている金利政策の限界にも言及した。』

上の記事によると、OECDが日本のデフレを心配してくれているようです。そして日本に対し「物価上昇率が確実にプラスになるまで、日銀は現行の超低金利を維持しつつ、量的緩和措置を効果的に実施するという強いコミットメントを通じ、デフレと闘うべきである」と提言しています。

OECDがいう「量的緩和措置」とは、日銀がマネーを供給して国債を購入するような措置を言うのでしょうね。一方で日銀が言っている「きわめて緩和的な金融環境」というのは、量的緩和を含むかどうかは不明で、単に低金利政策を継続することのみを意図しているかもしれません。そういった意味ではOECDが言う「量的緩和措置」と日銀の「緩和的な金融環境」とを区別して考える必要があるでしょう。

「デフレ対策としては日銀がマネーの供給を増やす金融政策を実施すべき」という議論については、9月1日に「消費者物価2.2%低下」の記事でも話題にしました。
このような金融政策について、私は高橋洋一氏の著書で知りました。(「霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」」(2)(3)
1.適正なインフレ率は1~3%である。
2.適正インフレ率を下回るデフレ傾向に陥ったら、日銀はマネーの供給を増やすべきである。
3.その手段は、市中銀行から国債を買い取ればよい。


高橋洋一氏は一貫してこのように主張していますが、日々の新聞を読む限りは「デフレに対して日銀がマネー供給を増やすべき」との記事はほとんど見受けません。高橋氏の主張が間違っているのでしょうか。

勝間和代氏が高橋洋一氏と同じ主張をされているようです。
勝間和代「リフレ論」が大反響 ネットで賛否両論が渦巻く
2009/11/11 18:00
『通貨の大量発行でデフレを克服する「リフレーション」を政府に求めた経済評論家、勝間和代氏(40)のプレゼンテーションが、ネット上で大反響を呼んでいる。リフレ擁護派から反対派まで、ブログなどを通じて議論が大盛り上がりなのだ。
「それにしても勝間和代氏の影響力の大きさにびっくり……」』
『影響力のきっかけになったのが、政府が勝間氏から意見を聞いた5日の「マーケット・アイ・ミーティング」だ。勝間氏は、そこで菅直人国家戦略担当相に対し、雇用改善のために、大胆なデフレ克服策を訴えた。日銀が大量の国債を買い取ることで、通貨発行量を大幅に増やしてインフレを呼び込むというものだった。』

高橋洋一氏がいくら繰り返しても世の中への影響力が生じなかったのに対し、勝間和代氏が一言発言するとその効果は絶大だったようです。「リフレ」とは、高橋氏が主張している金融政策と同義であるようです。
しかし、上の勝間氏の発言に対する記事でも、リフレ論に対しては賛成と反対の両論があるようです。
経済学者で駒澤大学准教授の飯田泰之氏、経済学者で上武大学教授の田中秀臣氏が賛成派のようです。もうひとつ、今日のニュースによるとOECDも「日本は量的緩和すべき」との見解のようですね。
一方、経済学者の池田信夫氏は、「ゼロ金利状態でいくら通貨を供給してもインフレが起こらない」「リフレ派が久々に墓場からよみがえったようだ」「これが国家戦略に影響を及ぼすとなると放置できない」と主張しています。
アメリカの投資銀行に勤めている藤沢数希氏は、「勝間さんのインフレ政策を実行するともっとデフレになる」と批判しました。日本は少子高齢化で潜在成長率が低くなっており、結果的に低金利になって通貨を大量発行しても物価の下落は抑えられないというのです。

この金融政策の是非については、日経新聞で大きく取り上げてほしいテーマです。なぜ日経新聞は正面から取り上げないのでしょうか。やはり日銀記者クラブから締め出しを食らうのが恐ろしいのでしょうか。
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ピークルーペ

2009-11-19 20:24:33 | 趣味・読書
最近家族の一人が、フィルムカメラにリバーサルフィルムを入れて写真を撮っています。フィルムそのものが(スライド)写真になるので、プロジェクターでスクリーンに映すか、さもなければルーペでフィルムを覗くしかありません。当方にはプロジェクターがないので、後者の手段のみです。
そのような目的で使うルーペについては、ネットで検索すると数万円のものが好まれているようです。わが家はそこまで凝らず、取り敢えず千円台のものということで、アマゾンで以下の商品をゲットすることにしました。
PEAK ピーク・ルーペ 10倍 1961 東海産業 高倍率ルーペ

ピーク

このアイテムの詳細を見る

商品が届きました。
確かに大きく拡大して見えます。なにしろ10倍ですから。

しかし、平面状の対象にルーペを載せて目を近づけると、ピントがうまく合いません。ルーペを対象から数mm浮かすと、ピントが合います。
私は裸眼だと40cm程度のところにピントが合います。それと、遠方がよく見える眼鏡を持っています。裸眼でも眼鏡をかけても、同じように数mm離さないとピントが合いません。

さて、これは困った。何とかしなければなりません。
ルーペは、左下写真のように、黒色部と透明部がネジ止めされています。ネジをちょっと緩めると(真ん中写真)、レンズと被写体との距離を広げることができます。数mm緩めて覗いてみると、ピントがぴったりと合っていました。しかしこのままでは、ガタガタして使いづらいことこの上なしです。
そこで、緩めたネジ部に輪ゴムを巻き付けてみました(右写真)。これでがたつきはなくなり、ピンともぴったりで、快適に使えるようになりました。
  
買ったまま            ネジを緩める       緩めたネジ部に輪ゴムを巻き付ける

どうしてこんなことになったのか。アマゾンを通して発売元に質問を送ってみました。発売元がメーカーに問い合わせてくれたのですが、特に対策はないようでした。
思うに、ルーペで対象を見るときは対象と目との距離がものすごく近いので、目のピントも近くを見るように自然と調整されるのかも知れません。そのため、ルーペについても目のピントが近くのものを見ると想定して作ってある可能性があります。
それに対し、私は老眼が入っているため、裸眼では40cmの距離より近くはピントが合いません。そのために今回の事象が起こってしまった可能性はあります。

もし私と同じ悩みを抱えている方がおられたら、今回の対策を採用されるとよろしいでしょう。そのような思いでこの記事をアップしました。
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ダイソンの掃除機

2009-11-17 21:55:17 | Weblog
わが家では、ダイソンDC12という掃除機を使っています。
あるとき(ずいぶん前ですが)、ダイソン社のサイクロン式掃除機が優秀だという話を聞き、さっそくヨドバシカメラに見に行って速攻で買ってしまったものです。値段は他の国産のサイクロン掃除機と比較して極めて高価でした。しかし、高価であるだけ性能も高いのだろうと想像し、評判が良いのだから価値があるのだろうと想像し、購入に至りました。
下がその外観です。
  
dyson DC12 収納時              使用時

この掃除機が、評判通りに超微細なゴミを吸い取ってくれているのかどうか、その点は超微細なゴミが目に見えないので、何とも評価のしようがありません。
一方、使い勝手なら良くわかります。この掃除機の使い勝手の悪さとして、以下の3点を挙げることができます。
(1) ゴミ収納ビンは、1週間掃除をするとゴミで一杯になったように見えるのでゴミを捨てたくなる。ところが内部のメッシュ部分に付着したゴミが取れず、付着ゴミ掃除のために別にもう1台の掃除機が必要である。
(2) 掃除機の音がものすごくうるさい。
(3) 掃除機からの排気の勢いがすごく、排気方向も水平に近いので、床のゴミを巻き上げてしまう。

さはさりながら、折角のダイソンですから愛用しています。
ところがこのダイソン、よくトラブルが発生します。
まずは、ゴミ吸い込み口に配置してある回転ブラシが回転しなくなりました。

上の写真で吸い込み口の内部に配置された回転ブラシです。このブラシ、専用のモーターで駆動するのではなく、吸い込んだ空気の力を借りて回転するものです。ところがある時期から、うんともすんともブラシが動かなくなりました。
最後は仕方なく、有料で先端部分を購入しました。これだけで6千円台です。
新しい吸い込み口が届きました。ブラシが快調に回転することはもちろんですが、もう一つの変化がありました。
上の写真で、吸い込み口の裏面、床と接する部分に、4つの車輪が設置されているのが見えます。これが実は、掃除機を購入したときの吸い込み口には車輪が設置されておらず、同じ位置にフェルトが張りつけてあったのです。フェルトで接して滑るのみです。最後の頃はフェルトも剥がれてしまい、プラスチックが床と接していました。
わが家が購入した後のマイナーチェンジで、フェルトが車輪に改善されていたのでした。
そして新しい吸い込み口を用いて掃除を開始してほどなく、今度は吸い込み口内部のブラシが掃除中に落下するというトラブルです。右下写真のようにブラシが外れてしまいました。
  
よく観察すると、紫色のプラスチック部品が軸受になっており、これを吸い込み口に嵌め込めば直りそうです。そしてやってみました。
すると困ったことに、嵌め方を間違えてしまったらしく、紫色の部品が吸い込み口の床に面する面から飛び出した形で嵌ってしまいました。今度はどうしても外すことができません。
仕方ないのでサービスに電話しました。オペレータが言うには、この紫色の部品を無料で送ってくれるとのことです。ということは、外れなくなった部品を壊してでも外せばいいということです。仕方ない。壊しました。
こうして2度目のトラブルは解決です。

そして最近、3回目のトラブルです。
あるとき気付いたら、電源コードの1箇所で被覆が割れていたのです(下の写真)。

この掃除機の電源コードは被覆の柔軟性が悪く、ずいぶん質の悪いコードを使っているものだと以前から思っていたのですが、とうとう劣化したのでしょうか。

このトラブルも個人では直しようがないので、サービスに電話しました。「保証期間は過ぎているが、今回は無料で修理します」ということで、宅配便がまず掃除機を引き取りに来て、その2日後には修理が上がって戻ってきました。

これでまたしばらくは掃除機を使うことができます。

私は、コードのトラブルはコードの劣化が原因と考えており、そうだとしたらダイソンの掃除機で同じトラブルが頻発しているはずです。そこでダイソンのホームページを確認してみました。するとページの右下に小さく、「DC12の電源コード及びプラグに関するご注意点」という表記が見つかりました。
何でこの注意点が記載されているのか、趣旨がわからない文書なのですが、
「こんな症状はありませんか?
スイッチを押しても運転しない。
電源プラグや電源コードを動かすと通電したりしなかったりする。
異常な音やにおいがする。
運転中に時々とまる。
本体、電源コードや電源プラグが破損・変形したり、異常に熱い。
その他の異常、故障がある。

そのような場合は、直ちにご使用をお止めください。」

という内容からすると、DC12を長期使用すると電源コードに何らかの異常が発生することをダイソン社は認識していると思わざるを得ません。

わが家では、電気がショートして発火する前に被覆の異常を見つけることができたからいいですが、このような現象についてはもっと大々的に公表して注意を喚起すべきではないでしょうか。
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査定不服審判・前置移管の時期

2009-11-15 18:12:34 | 知的財産権
特許出願において、審査で拒絶査定がされ、それに不服である場合、出願人は拒絶査定不服審判を請求します。拒絶査定から3ヶ月の期間内において可能です。審判請求と同時に明細書等の補正書を提出することができます。
審判請求と同時に明細書等の補正書が提出された場合には、事件は前置審査に付され、補正後の出願について審査官が再度審査を行います。

審判請求(及び同時に補正書提出)を行った場合、審判請求から1ヶ月程度が過ぎると、特許庁から「前置移管通知」の葉書が送られています。これで、事件が前置審査官に回されたことを知ることができます。

ところが1件、審判請求(及び同時に補正書提出)から2ヶ月以上が経過するのに、前置移管通知が送られてこない案件があります。一体どうしたのかと心配になって、特許庁に電話で問い合わせてみました。
答えはすぐに分かりました。

この案件、当方が気付かずに、拒絶理由に対する応当のうちの一つについて対処することなく、意見書・補正書を提出していたのです。拒絶査定を見てすぐにその点に気付きました。こんなことなら、審査官も拒絶査定を出さず、最後の拒絶理由通知にしてくれれば良かったのに、と思いつつ、拒絶査定からほどなくして審判請求書(及び同時に補正書提出)を提出した案件だったのです。

電話で問い合わせたときに得た回答では、「拒絶査定から3ヶ月以内であれば、出願人は審判請求を何度でも出し直すことが可能である。従って、審判請求の出し直しがあり得ることを想定し、前置移管については、審判請求可能期間である3ヶ月を経過してから出すようにしている」ということでした。

言われてみれば良く分かります。
拒絶査定を受け、審判を請求し、同時に明細書等を補正し、拒絶査定を発した審査官であればその補正で直ちに特許査定をくれるであろうことが想定できたとしても、とにかく拒絶査定から3ヶ月間は処理が止まってしまう、ということを覚悟しなければなりません。

以上、最近知った知財関連の小ネタでした。
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