日本学術会議、6人の任命拒否問題について、私は『日本学術会議と加藤陽子先生 2020-10-03』ではじまる5件の記事で問題とし、特に『加藤陽子「満州事変から日中戦争へ」(3)(再掲)~菅総理・恐怖政治の始まりか?? 2020-10-06』では
『「理由も明かされずに突然拒否される。想像するに政権の方針に反対の意見を表明したかららしい。」
これって、独裁政権における恐怖政治ではないですか。
菅政権では発足当初から、恐怖政治をやり始めたらしい・・・。想像だにしない事態が勃発してしまいました。
さらに言えば、菅さんには学問に対する尊敬が欠如しているように思います。今回の6人について、おそらく、どんな業績を挙げてきた人たちか興味も持たず、知ろうともせず、ただただ「自分の政策に楯突く意見を表明した」とその点のみを見て決めてしまったのでしょう。
言い換えれば、菅さんは教養に欠けるところがある、とも言えるでしょう。こんな人を我が国の総理にいただいてしまった・・・。今後が薄ら寒く感じます。今回の任期いっぱいまでの短命政権で終わってくれることを祈るばかりです。』
として厳しく問題を指摘しました。
一方、マスコミの論争では、「そもそも日本学術会議というのが胡散臭いのではないか」「総理が任命権を有しているのだから、推薦があっても任命しないことに違法性はない」など、論点外しの議論が盛んに論じられ、結果として6人任命拒否問題が陰に追いやられている気配がありました。
そこへ来て、以下の新聞記事です。
6人除外前の名簿「見ていない」 菅首相インタビュー
2020年10月9日 朝日新聞
『菅義偉首相は9日、朝日新聞などのインタビューに応じ、日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人を任命しなかった判断について、安倍前政権ではなく現政権で下したと説明した。一方、6人を除外する前の推薦者名簿は「見ていない」と述べた。首相が名簿を確認した段階で、すでに6人は除外されていたとした。
首相は任命除外をめぐる判断の過程の一部を明らかにしたが、除外の理由は具体的に語らなかった。
首相は決定の経緯について「最終的に決裁を行ったのは9月28日。会員候補のリストを拝見したのはその直前」としたうえで、「現在の会員となった方が、そのままリストになっていたと思う」と説明した。
自身が確認した名簿は実際に任命した99人分で、学術会議が提出した105人の候補者名簿は見ていないとしたが、誰が6人分を除外したかは明らかにしなかった。
一方、6人を除外した理由について問われると、「総合的・俯瞰的な活動、すなわち広い視野に立ってバランスの取れた行動をすること、国民に理解される存在であるべきことを念頭に全員を判断している」「一連の流れの中で判断した」などと述べるにとどめた。推薦者の思想信条が任命の是非に影響するかは「ありません」と否定した。』
「今回除外した6人はこの方たちです」という情報が本当に菅総理に提示されなかったのかどうか、その点が今一不明確ですが、どうも「見ていない」ようですね。
そうとすると、「なぜこの6人を任命拒否したのか」が明言できないのは当たり前です。そもそも、下僚が勝手に6人を除外して決裁を挙げてきたのに対し、何の疑問をも呈さずに決済したことが、任命権者としてあまりに無責任です。
さて、「総理が実は6人を具体的に知らなかった」問題はさておき、「6人を拒否した根拠」についての今後の展開です。
今の世の中の雰囲気では、だんだん忘れ去られそうです。
現時点で日本学術会議会員は6人欠員なのですから、補充が必要なはずです。この6人補充に関して、学術会議側から今回任命拒否された6人をそのまま推薦する、という対応がよろしいと思います。
内閣総理大臣は、この6人を推薦通りに任命するのか、もしも任命拒否するのであれば、今度こそその根拠を明示することが求められます。
任免拒否された6人のうち、私が存じ上げているのは加藤陽子東大教授です。
このブログでもご紹介したように、加藤教授は、日本の近現代史に関し、総合的・俯瞰的に論じることのできる歴史学者の第一人者であることがうかがえます。加藤さんを、「総合的・俯瞰的な活動、すなわち広い視野に立ってバランスの取れた行動をすること、国民に理解される存在であるべきこと」「推薦者の思想信条は任命の是非に影響しない」という基準で任命拒否することは不可能でしょう。
そもそも、日本学術会議が「広い視野に立ってバランスの取れた行動をする」と要請されているのですから、会員の意見が偏るようでは主旨に違反します。「時の政権の政策に反対する意見の持ち主は任命しない」などという態度が許容されないことはもちろんです。
さて、欠員6人の推薦と任命に関する第2ラウンドを楽しみにしましょう。
『「理由も明かされずに突然拒否される。想像するに政権の方針に反対の意見を表明したかららしい。」
これって、独裁政権における恐怖政治ではないですか。
菅政権では発足当初から、恐怖政治をやり始めたらしい・・・。想像だにしない事態が勃発してしまいました。
さらに言えば、菅さんには学問に対する尊敬が欠如しているように思います。今回の6人について、おそらく、どんな業績を挙げてきた人たちか興味も持たず、知ろうともせず、ただただ「自分の政策に楯突く意見を表明した」とその点のみを見て決めてしまったのでしょう。
言い換えれば、菅さんは教養に欠けるところがある、とも言えるでしょう。こんな人を我が国の総理にいただいてしまった・・・。今後が薄ら寒く感じます。今回の任期いっぱいまでの短命政権で終わってくれることを祈るばかりです。』
として厳しく問題を指摘しました。
一方、マスコミの論争では、「そもそも日本学術会議というのが胡散臭いのではないか」「総理が任命権を有しているのだから、推薦があっても任命しないことに違法性はない」など、論点外しの議論が盛んに論じられ、結果として6人任命拒否問題が陰に追いやられている気配がありました。
そこへ来て、以下の新聞記事です。
6人除外前の名簿「見ていない」 菅首相インタビュー
2020年10月9日 朝日新聞
『菅義偉首相は9日、朝日新聞などのインタビューに応じ、日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人を任命しなかった判断について、安倍前政権ではなく現政権で下したと説明した。一方、6人を除外する前の推薦者名簿は「見ていない」と述べた。首相が名簿を確認した段階で、すでに6人は除外されていたとした。
首相は任命除外をめぐる判断の過程の一部を明らかにしたが、除外の理由は具体的に語らなかった。
首相は決定の経緯について「最終的に決裁を行ったのは9月28日。会員候補のリストを拝見したのはその直前」としたうえで、「現在の会員となった方が、そのままリストになっていたと思う」と説明した。
自身が確認した名簿は実際に任命した99人分で、学術会議が提出した105人の候補者名簿は見ていないとしたが、誰が6人分を除外したかは明らかにしなかった。
一方、6人を除外した理由について問われると、「総合的・俯瞰的な活動、すなわち広い視野に立ってバランスの取れた行動をすること、国民に理解される存在であるべきことを念頭に全員を判断している」「一連の流れの中で判断した」などと述べるにとどめた。推薦者の思想信条が任命の是非に影響するかは「ありません」と否定した。』
「今回除外した6人はこの方たちです」という情報が本当に菅総理に提示されなかったのかどうか、その点が今一不明確ですが、どうも「見ていない」ようですね。
そうとすると、「なぜこの6人を任命拒否したのか」が明言できないのは当たり前です。そもそも、下僚が勝手に6人を除外して決裁を挙げてきたのに対し、何の疑問をも呈さずに決済したことが、任命権者としてあまりに無責任です。
さて、「総理が実は6人を具体的に知らなかった」問題はさておき、「6人を拒否した根拠」についての今後の展開です。
今の世の中の雰囲気では、だんだん忘れ去られそうです。
現時点で日本学術会議会員は6人欠員なのですから、補充が必要なはずです。この6人補充に関して、学術会議側から今回任命拒否された6人をそのまま推薦する、という対応がよろしいと思います。
内閣総理大臣は、この6人を推薦通りに任命するのか、もしも任命拒否するのであれば、今度こそその根拠を明示することが求められます。
任免拒否された6人のうち、私が存じ上げているのは加藤陽子東大教授です。
このブログでもご紹介したように、加藤教授は、日本の近現代史に関し、総合的・俯瞰的に論じることのできる歴史学者の第一人者であることがうかがえます。加藤さんを、「総合的・俯瞰的な活動、すなわち広い視野に立ってバランスの取れた行動をすること、国民に理解される存在であるべきこと」「推薦者の思想信条は任命の是非に影響しない」という基準で任命拒否することは不可能でしょう。
そもそも、日本学術会議が「広い視野に立ってバランスの取れた行動をする」と要請されているのですから、会員の意見が偏るようでは主旨に違反します。「時の政権の政策に反対する意見の持ち主は任命しない」などという態度が許容されないことはもちろんです。
さて、欠員6人の推薦と任命に関する第2ラウンドを楽しみにしましょう。