「Q.つまりそれは、前半と後半とで日本はまったく違うチームになったということか?
A. そうだ。私の印象としては、前半と後半とではまったく違う2つのチームのように思えた。それが、こちらのプレーの影響によるものかどうかは分からない。もしかしたら、日本が自滅というか、自分自身でレベルを下げてしまったのではないかという印象さえ受けている。いずれにしても前半の日本は、非常にスピード感あふれていて、プレーも正確だった。攻撃時にいい動きができていたと思う。」
これ、キリンカップ2008 日本対パラグアイ戦のあとの、試合後 パラグアイ代表マルティノ監督会見でのひとこまです。
会見で記者が上記Qの質問を発し、それに対しパラグアイ監督はAのように回答しました。
パラグアイ監督の目には、前半の日本はすばらしいチームと映り、後半の日本は「自滅じゃないか」というぐらいレベルの低いチームと映ったということです。
私はテレビ番組ですらその試合を見ていないので、大きなことは言えませんが・・・
わが家は朝日と日経を取っています。それら新聞で、この試合はどのように報じられているのでしょうか。
日経新聞(阿刀田寛記者)は、「前半は遠藤、山瀬功、巻とジョイントしたが、パスは回れど攻めが停滞した感じ。松井、高原、大久保へと仲間が順々に入れ替わった後半も芳しいものでもなく」と報じ、「前半は良かったけど後半は悪い」というスタンスではありません。
パラグアイ監督の上記発言をわずかに引用していますが、「前半は良かった」という部分はなぜか引用していません。
岡田監督のコメントが、前半と後半の対比をしていないので、記者の観察もそれに引きずられた可能性があります。
朝日新聞(中川文如記者)も、「前半の日本は良かった」とは書いていません。パラグアイ監督コメントとして「前半25分までは手も足も出なかったが」とは引用しているものの、「そのときの日本は良かった」との発言は引用していません。
一方、俊輔のコメント「後半は個人個人が前に行こうとした。サイドチェンジできるところでドリブルで突っかかる。ハーフラインでトップスピードで行く必要はない。彼らの良さだけど、敵陣の最後の3分の1のエリアで個人能力を生かさないと…」は、後半に交代で入った選手たち(松井、大久保を含む)に対する苦言です。
次に湯浅健二氏のコメントを紐解きます。
湯浅氏のコメントから、上記パラグアイ監督との会見で質問Qを発したのが、湯浅氏その人であったことが判明します。
パラグアイ監督と同じ印象を持っていた湯浅氏が、パラグアイ監督からまさに思うとおりの発言を引き出した、というところでしょうか。
岡田監督の「前半のポゼッションは良かった・・ただウラスペースを突いていくという視点では十分ではなかった・・それに対して、松井が入った後半は、より良い展開になったと思う」との発言に湯浅氏は納得いかなかったとしています。大新聞の記者は納得してしまったようです。
湯浅氏は、前半の日本の戦いを手放しで賞賛しています。
一方後半については
「要は、松井大輔と大久保嘉人に代表される「諸刃の剣プレイヤー」のことです。前回のコラムでもちょっと触れたけれど、彼らのプレーは、攻守の目的を達成するための「実効」という視点で、決して役に立っていたわけじゃないと思うのですよ。彼らの才能には疑う余地はありません。だからこそ残念なのです。
二人とも「待ちの姿勢」が強すぎるのです。もっとボールがないところで「組織的なプロセス」にも絡んでいかなければいけません・・そして、もっとシンプルにプレーし、爆発的なパス&ムーブも繰り返さなければいけない・・それがあってはじめて「良いカタチ」で個人勝負を仕掛けられるようなシーンを演出できる・・動かないで足許パスをもらったって、相手に取り囲まれてしまうだけ・・そして「逃げパス」を出すだけといった体たらくになってしまう・・ 」
との評価です。
この評価、松井や大久保に対して湯浅氏が常々語っているところではありますが。
さてここで私がこの話題を取り上げた趣旨ですが
大手新聞やテレビ報道と、パラグアイ監督や湯浅氏の評価とが、このように相違している、ということに対してです。
大手マスコミは、岡田監督に媚びているのでしょうか。相手チーム監督や、私が信頼する湯浅氏の評価と違いすぎます。
われわれシロウトは、テレビで観戦しても試合の評価をする目を持っていないわけです。評論家の評論に頼るしかありません。少なくとも大手新聞の担当記者には、試合を評価する目を持ってもらいたいものです。
A. そうだ。私の印象としては、前半と後半とではまったく違う2つのチームのように思えた。それが、こちらのプレーの影響によるものかどうかは分からない。もしかしたら、日本が自滅というか、自分自身でレベルを下げてしまったのではないかという印象さえ受けている。いずれにしても前半の日本は、非常にスピード感あふれていて、プレーも正確だった。攻撃時にいい動きができていたと思う。」
これ、キリンカップ2008 日本対パラグアイ戦のあとの、試合後 パラグアイ代表マルティノ監督会見でのひとこまです。
会見で記者が上記Qの質問を発し、それに対しパラグアイ監督はAのように回答しました。
パラグアイ監督の目には、前半の日本はすばらしいチームと映り、後半の日本は「自滅じゃないか」というぐらいレベルの低いチームと映ったということです。
私はテレビ番組ですらその試合を見ていないので、大きなことは言えませんが・・・
わが家は朝日と日経を取っています。それら新聞で、この試合はどのように報じられているのでしょうか。
日経新聞(阿刀田寛記者)は、「前半は遠藤、山瀬功、巻とジョイントしたが、パスは回れど攻めが停滞した感じ。松井、高原、大久保へと仲間が順々に入れ替わった後半も芳しいものでもなく」と報じ、「前半は良かったけど後半は悪い」というスタンスではありません。
パラグアイ監督の上記発言をわずかに引用していますが、「前半は良かった」という部分はなぜか引用していません。
岡田監督のコメントが、前半と後半の対比をしていないので、記者の観察もそれに引きずられた可能性があります。
朝日新聞(中川文如記者)も、「前半の日本は良かった」とは書いていません。パラグアイ監督コメントとして「前半25分までは手も足も出なかったが」とは引用しているものの、「そのときの日本は良かった」との発言は引用していません。
一方、俊輔のコメント「後半は個人個人が前に行こうとした。サイドチェンジできるところでドリブルで突っかかる。ハーフラインでトップスピードで行く必要はない。彼らの良さだけど、敵陣の最後の3分の1のエリアで個人能力を生かさないと…」は、後半に交代で入った選手たち(松井、大久保を含む)に対する苦言です。
次に湯浅健二氏のコメントを紐解きます。
湯浅氏のコメントから、上記パラグアイ監督との会見で質問Qを発したのが、湯浅氏その人であったことが判明します。
パラグアイ監督と同じ印象を持っていた湯浅氏が、パラグアイ監督からまさに思うとおりの発言を引き出した、というところでしょうか。
岡田監督の「前半のポゼッションは良かった・・ただウラスペースを突いていくという視点では十分ではなかった・・それに対して、松井が入った後半は、より良い展開になったと思う」との発言に湯浅氏は納得いかなかったとしています。大新聞の記者は納得してしまったようです。
湯浅氏は、前半の日本の戦いを手放しで賞賛しています。
一方後半については
「要は、松井大輔と大久保嘉人に代表される「諸刃の剣プレイヤー」のことです。前回のコラムでもちょっと触れたけれど、彼らのプレーは、攻守の目的を達成するための「実効」という視点で、決して役に立っていたわけじゃないと思うのですよ。彼らの才能には疑う余地はありません。だからこそ残念なのです。
二人とも「待ちの姿勢」が強すぎるのです。もっとボールがないところで「組織的なプロセス」にも絡んでいかなければいけません・・そして、もっとシンプルにプレーし、爆発的なパス&ムーブも繰り返さなければいけない・・それがあってはじめて「良いカタチ」で個人勝負を仕掛けられるようなシーンを演出できる・・動かないで足許パスをもらったって、相手に取り囲まれてしまうだけ・・そして「逃げパス」を出すだけといった体たらくになってしまう・・ 」
との評価です。
この評価、松井や大久保に対して湯浅氏が常々語っているところではありますが。
さてここで私がこの話題を取り上げた趣旨ですが
大手新聞やテレビ報道と、パラグアイ監督や湯浅氏の評価とが、このように相違している、ということに対してです。
大手マスコミは、岡田監督に媚びているのでしょうか。相手チーム監督や、私が信頼する湯浅氏の評価と違いすぎます。
われわれシロウトは、テレビで観戦しても試合の評価をする目を持っていないわけです。評論家の評論に頼るしかありません。少なくとも大手新聞の担当記者には、試合を評価する目を持ってもらいたいものです。