前報に続き、カナダ・オーロラの旅の第2回です。
12月14日(月)
本日も、朝から全天が雲で覆われ、オーロラ観察の前途多難が予想される天気です。
今回ツアーの一環として、イエローナイフの市内観光が組み込まれています。
ホテルに迎えに来たバスに乗り込むと、客は全員で10人足らずでしょうか。日本人女性がひとり、ガイドにつきます。
ここイエローナイフは、ノースウェスト準州の州都です。
カナダは広大な国土を有しており、行政区画については、北緯60度に境界があります。北緯60度よりも南側は、西の太平洋側から、ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州と並んでいます。それに対して北緯60度より北側は、西側から、アラスカに接するユーコン準州、ノースウェスト準州、ヌナブト準州と並んでいます。
ノースウェスト準州は、広大な面積を有しますが、人口は4万人強、そのうちの半分程度がイエローナイフに住んでいるようです。
もともとは、1930年代にイエローナイフの周辺で金鉱が見つかったことから、この街の発展が始まったようです。また近年はさらにダイヤモンド鉱山が発見され、現在のイエローナイフはダイヤモンド鉱山関係者で発展しているそうです。
市内観光の最初の訪問地は州立法議事堂です。
州立法議事堂外観
外観は、先住民族のイグルーをモチーフにして作られているようです。
玄関から入り、ホールでガイドから説明を受けていました。私も集団の端っこで説明を受けていたのですが、議事堂の職員と思われる若い女性がそばを通り抜ける際に、突然私に話しかけ、さらに握手まで求められました。多分「いらっしゃい」「こんにちは」程度の会話だったと思うのですが、突然のことでびっくりしました。私の後にいた娘とも握手を交わし、その女性は去っていきました。ガイドさんから「お知り合いですか?」と聞かれましたが、旅行者の私が職員と知り合いの筈がありません。
左下の写真は議場です。
中央にはホッキョクグマの毛皮が敷かれています。ガイドさんの説明によると・・・
あるとき、人里にホッキョクグマが出没するとの複数の情報が寄せられました。人に被害が及んだら大変です。ところが、このクマを探して駆除すべきか、それとも動物愛護でそのままにしておくべきか、議会では結論が出なかったのです。そうこうしているうちに、とうとうクマが人家の近くに現れました。幸い、クマを射殺し、人的被害はありませんでした。議員たちは、このときの教訓を忘れないようにと、射殺したクマの毛皮を議場の中央に敷くことにしたそうです。
議場 議長席
右上写真は議長の座る椅子です。椅子の前に刀置き台のような台が見えます。職杖を置く台である、とのことです。職杖?
玄関前ホールに面するガラスケースのなかに、2種類の職杖が展示されています。古い職杖と新しい職杖です。どちらが新しいか、忘れました。
新旧の職杖
職杖は、議長の権限を象徴する道具だとのことです。
次の訪問地は、多分「ノーザン・ヘリテージ・センター」だと思います。
シンガー手回しミシン 橇付き飛行機
印象に残った展示品の写真を2枚だけ挙げておきます。
シンガーミシンは、足踏みではなく手回しでした。説明文に"It's a small machine, but you can make really big things with it."と書かれており、このミシンを入手した現地の人が大変に重宝したのだろうと感じました。
凍結した湖に案内されました(上写真)。本日は曇天であるためにあまり寒くなく、氷点下5℃程度でしたが、しかしわれわれは日本での普通の防寒着で来ていたため、めちゃくちゃ寒かったです。バスに戻ってもしばらくは、体の凍えが続きました。
本日の夕食は、オーロラビレッジ内のロッジレストランで「オーロラ・ディナー」です。ホテルからオーロラビレッジまでは送迎バスで往復します。通常であれば21時にホテル発なのですが、オーロラ・ディナーを申し込むと、そのときは18時30分に迎えが来ます。
オーロラビレッジ内、無料で休憩できるのは円錐形のテント(ティーピーという)ですが、屋外のトイレは水洗ではありません。それに対してロッジレストランは、当然ながら水洗トイレを備えています。我々にとっては天と地ほどの差があります。
さて、食事を済ませ、トイレも済ませたので、防寒服に身を固めて外へ出ます。
といっても、晴天なら氷点下25℃程度の酷寒のはずなのですが、われわれが滞在した間は曇天で、気温は氷点下5℃程度、普段よりも20℃も暖かいのです。そのため、レンタルのオーバーミトンは必要なく、邪魔なだけでした。そのため本日は、オーバーミトンをホテルに残し、カメラ操作用にと購入した普通の手袋のみです。
昨日は、カメラ2台をそれぞれ三脚にセットして準備しましたが、真っ暗で寒い中ではスムーズな撮影が困難です。本日は、カメラ1台(S120)のみとしました。
それも、カメラ内蔵の「星空夜景モード」を選択し、お任せ撮影です。
天気は全天の曇りです。
湖畔近くに折りたたみ椅子と三脚をセットし、北の空を眺めます。そのうち、東の地平線近くがぼんやりと光り始めたのを認めました。そこで、湖畔から氷結湖のなかに場所を移し、東方向の写真撮影準備を行いました。
星空夜景モード(補正なし) 星空夜景モード(露出+2)
東の地平線近くがぼんやりと明るくなっています(左上写真)。カメラの液晶ではそれなりによく写っています。
ところで、以前にアラスカでオーロラ観察をしたときの経験で、カメラの液晶では十分な明るさが確保できていると見えたのに、実際の写真(パソコンでの表示を含め)では、明るさ不足になる、という経験をしたことを思い出しました。そこで、カメラの撮影モードを「星空夜景モード」としたままで、露出補正を最大の「+2」にしてみました(右上写真)。カメラの液晶で確認すると「これは露出オーバーか?」との印象でしたので、以降、露出補正を「+1」に修正し、そのまま継続しました。
星空夜景モード(補正+1)(東方向)
上の写真で、森林よりも下の部分で黄色く見えている部分は、雪面であり、恐らく背後の人工物(ティーピーテントや街路灯)の反射でしょう。
一方、森林よりも上の地平線近くがオレンジに光っているのは、決して夕日などではありません。明らかにオーロラを光源として雲が光っているのです。中央付近で雲が青色に光っているのも、オーロラが光源であることに間違いありません。じっと見ていると、青い光は強弱を繰り返し、オーロラが踊っていることを物語ります。
星空夜景モード(補正+1)(西方向)
そのうち、西の空の雲もぼんやりと光り始めました。上の写真、そして下の写真がそれです。
星空夜景モード(補正+1)(西方向)
トイレタイムも兼ね、レストランでお茶しました。会計も終わり、のんびりしていると、ウェイターのお兄さんがやってきて「オーロラが見えている」と教えてくれました。あわてて防寒着を着込み、外へ出ます。私だけ、防寒着のファスナーに手間取って遅れてしまいました。空を見上げると、雲の切れ間があり星が見えています。しかし、オーロラは確認できませんでした。一瞬ですが早く外に出た家内によると、ちょっとだけオーロラが見えたようです。
雲の切れ目が広がるかと期待したのですが、残念ながらまた全天が雲で覆われ、晴れ間が出そうな気配がありません。
延長券はまだいっぱい残っているので、本日もオーロラ鑑賞延長を申し込んでいたのですが、晴れそうもないので定時でやめることにしました。幸いにバスの座席が確保できたので、定時(午前1時)にオーロラビレッジを後にしました。
ホテルに到着すると、まずはレンタルの防寒着一式を返却します。ホテル1階の物置のような場所に返却しました。
早朝に飛行機が出発します。ホテル発は朝の4時30分です。部屋で帰り支度をし、そのまま出発時刻を待ちました。
イエローナイフからカルガリーまでの飛行機はプロペラ機でした。今回は無事にカルガリーに到着です。
そして、カルガリーから成田に直行する飛行機に乗り込みました。飛行機は駐機場から動き出し、滑走路そばまで到着しました。ところがここから先に動きません。1時間前後待たされたでしょうか。「機長が不具合に気づいた。別の場所から部品の到着を待つか、あるいはバンクーバーまで飛行するか、検討中である。」といったようなアナウンスもありましたが、結局「この飛行機は飛ばない」となり、駐機場へ逆戻りです。われわれは建物に移動させられました。
ゲートに戻ると、そこには長蛇の列ができています。何事でしょうか。ひとりひとり、カウンターで説明を受けており、その順番待ちの列のようです。ところが、一向に進みません。
そのうち、別のカウンターに呼ばれ、そこで説明を受けました。紙に記されたレブッキング対応の電話番号にボールペンで丸を付け、「代替便についてはここで聞け。本日のホテルへは、4番ドアから出て16番ベイからシャトルバスに乗れ。」と言われるのみです。しょうがないので、まずは公衆電話を探しました。どこも空いていません。やっとのことで空いている公衆電話を見つけ、指定された番号にダイヤルすると、英語オペレータが出ました。「日本語で頼む」と言うと、別の電話番号に電話するようにとのことです。その番号に電話したら、日本語スタッフが応答しました。そこはレブッキング対応ではないようでした。さんざん対話をした結果、明日の代替便はAC2009であり、出発時刻が本日とは異なり9時40分であることが判明しました。
日本語のお姉さんから「予約番号はわかるか」と聞かれ、「わからない」と答えると、Kから始まるアルファベット6文字の予約番号を教えてくれました。そのとき電話口のお姉さんは「キロ・・・」と言いかけました。フォネティックコードでKは「キロ」です。しかし、よっぽどのマニアでないとこんなことは知らないはずです。実は私は、1級海上特殊無線技士、航空特殊無線技士などの試験を受ける際に必要なので、これら試験を受けるために勉強して覚えました(フォネティックコード)。もう20年以上も前のことです。しかし、アルファベットのフォネティックコードはまだしっかり覚えています。そこで、オペレータのお姉さんから6文字の番号を聞き取った後、「それでは確認します。キロ、ズールー、ロメオ・・・・ですね。」と自慢げに答えてしまいました(^^;)。
このように電話で手間取った後、言われたとおりに16番ベイに移動しました。そこには、また長蛇の列ができていたのです。同じ飛行機に乗り合わせ、同じホテルに向かう客であることに間違いありません。われわれはほとんど最後尾でした。
前の方で並んでいる日本人に聞いてみたら、「小さなシャトルバスが20分に1回程度到着している」とのことでした。いつまで経っても行列はほとんど進みません。冬のカルガリーの寒空の下です。
業を煮やして、近くのタクシー乗り場からタクシーに乗ることにしました。飛行場をぐるっと半周するほどの距離を走行し、タクシーは目的のホテルに到着しました。
ホテルのフロント前も長蛇の列です。長いこと待たされ、やっとのことでチェックインを完了して部屋に辿り着きました。
航空会社から渡されたホテルの紙には、ホテルで使えるクーポンが付いています。そこで、ホテルのレストランで夕食をとることにしました。
12月15日(火)
翌朝、前日の行列で懲りていたので、タクシーを予約していました。ホテルのロビーに降りましたが、われわれの部屋番号のタクシーはまだ来ていません。周りに言われるまま、別のタクシーに乗り込み、空港まで到着しました。
本日の飛行機は、昨日と同じ機材、同じ座席番号でした。代替機材が間に合ったということですね。昨日と同じ機体であったかなかったか、確認は取れませんでしたが。
12月16日(水)
今回の飛行機は無事に成田に到着しました。ただし、空港混雑のためか着陸に手間取り、到着時刻は遅くなりました。
本日は水曜です。本来なら出勤予定日でした。カナダから昨日中に自分の携帯で職場に電話をかけ、休暇を1日延長する旨伝えました。予定外に年休を1日消費する羽目となりました。それと、本日は夜にグループの新人歓迎会が予定されており、そちらにはなんとか間に合って出席することができました。
こうして、トラブル多く、実りの少ないオーロラ鑑賞旅行が終了しました。
12月14日(月)
本日も、朝から全天が雲で覆われ、オーロラ観察の前途多難が予想される天気です。
今回ツアーの一環として、イエローナイフの市内観光が組み込まれています。
ホテルに迎えに来たバスに乗り込むと、客は全員で10人足らずでしょうか。日本人女性がひとり、ガイドにつきます。
ここイエローナイフは、ノースウェスト準州の州都です。
カナダは広大な国土を有しており、行政区画については、北緯60度に境界があります。北緯60度よりも南側は、西の太平洋側から、ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州と並んでいます。それに対して北緯60度より北側は、西側から、アラスカに接するユーコン準州、ノースウェスト準州、ヌナブト準州と並んでいます。
ノースウェスト準州は、広大な面積を有しますが、人口は4万人強、そのうちの半分程度がイエローナイフに住んでいるようです。
もともとは、1930年代にイエローナイフの周辺で金鉱が見つかったことから、この街の発展が始まったようです。また近年はさらにダイヤモンド鉱山が発見され、現在のイエローナイフはダイヤモンド鉱山関係者で発展しているそうです。
市内観光の最初の訪問地は州立法議事堂です。

州立法議事堂外観
外観は、先住民族のイグルーをモチーフにして作られているようです。
玄関から入り、ホールでガイドから説明を受けていました。私も集団の端っこで説明を受けていたのですが、議事堂の職員と思われる若い女性がそばを通り抜ける際に、突然私に話しかけ、さらに握手まで求められました。多分「いらっしゃい」「こんにちは」程度の会話だったと思うのですが、突然のことでびっくりしました。私の後にいた娘とも握手を交わし、その女性は去っていきました。ガイドさんから「お知り合いですか?」と聞かれましたが、旅行者の私が職員と知り合いの筈がありません。
左下の写真は議場です。
中央にはホッキョクグマの毛皮が敷かれています。ガイドさんの説明によると・・・
あるとき、人里にホッキョクグマが出没するとの複数の情報が寄せられました。人に被害が及んだら大変です。ところが、このクマを探して駆除すべきか、それとも動物愛護でそのままにしておくべきか、議会では結論が出なかったのです。そうこうしているうちに、とうとうクマが人家の近くに現れました。幸い、クマを射殺し、人的被害はありませんでした。議員たちは、このときの教訓を忘れないようにと、射殺したクマの毛皮を議場の中央に敷くことにしたそうです。


議場 議長席
右上写真は議長の座る椅子です。椅子の前に刀置き台のような台が見えます。職杖を置く台である、とのことです。職杖?
玄関前ホールに面するガラスケースのなかに、2種類の職杖が展示されています。古い職杖と新しい職杖です。どちらが新しいか、忘れました。


新旧の職杖
職杖は、議長の権限を象徴する道具だとのことです。
次の訪問地は、多分「ノーザン・ヘリテージ・センター」だと思います。


シンガー手回しミシン 橇付き飛行機
印象に残った展示品の写真を2枚だけ挙げておきます。
シンガーミシンは、足踏みではなく手回しでした。説明文に"It's a small machine, but you can make really big things with it."と書かれており、このミシンを入手した現地の人が大変に重宝したのだろうと感じました。

凍結した湖に案内されました(上写真)。本日は曇天であるためにあまり寒くなく、氷点下5℃程度でしたが、しかしわれわれは日本での普通の防寒着で来ていたため、めちゃくちゃ寒かったです。バスに戻ってもしばらくは、体の凍えが続きました。
本日の夕食は、オーロラビレッジ内のロッジレストランで「オーロラ・ディナー」です。ホテルからオーロラビレッジまでは送迎バスで往復します。通常であれば21時にホテル発なのですが、オーロラ・ディナーを申し込むと、そのときは18時30分に迎えが来ます。
オーロラビレッジ内、無料で休憩できるのは円錐形のテント(ティーピーという)ですが、屋外のトイレは水洗ではありません。それに対してロッジレストランは、当然ながら水洗トイレを備えています。我々にとっては天と地ほどの差があります。
さて、食事を済ませ、トイレも済ませたので、防寒服に身を固めて外へ出ます。
といっても、晴天なら氷点下25℃程度の酷寒のはずなのですが、われわれが滞在した間は曇天で、気温は氷点下5℃程度、普段よりも20℃も暖かいのです。そのため、レンタルのオーバーミトンは必要なく、邪魔なだけでした。そのため本日は、オーバーミトンをホテルに残し、カメラ操作用にと購入した普通の手袋のみです。
昨日は、カメラ2台をそれぞれ三脚にセットして準備しましたが、真っ暗で寒い中ではスムーズな撮影が困難です。本日は、カメラ1台(S120)のみとしました。
それも、カメラ内蔵の「星空夜景モード」を選択し、お任せ撮影です。
天気は全天の曇りです。
湖畔近くに折りたたみ椅子と三脚をセットし、北の空を眺めます。そのうち、東の地平線近くがぼんやりと光り始めたのを認めました。そこで、湖畔から氷結湖のなかに場所を移し、東方向の写真撮影準備を行いました。


星空夜景モード(補正なし) 星空夜景モード(露出+2)
東の地平線近くがぼんやりと明るくなっています(左上写真)。カメラの液晶ではそれなりによく写っています。
ところで、以前にアラスカでオーロラ観察をしたときの経験で、カメラの液晶では十分な明るさが確保できていると見えたのに、実際の写真(パソコンでの表示を含め)では、明るさ不足になる、という経験をしたことを思い出しました。そこで、カメラの撮影モードを「星空夜景モード」としたままで、露出補正を最大の「+2」にしてみました(右上写真)。カメラの液晶で確認すると「これは露出オーバーか?」との印象でしたので、以降、露出補正を「+1」に修正し、そのまま継続しました。

星空夜景モード(補正+1)(東方向)
上の写真で、森林よりも下の部分で黄色く見えている部分は、雪面であり、恐らく背後の人工物(ティーピーテントや街路灯)の反射でしょう。
一方、森林よりも上の地平線近くがオレンジに光っているのは、決して夕日などではありません。明らかにオーロラを光源として雲が光っているのです。中央付近で雲が青色に光っているのも、オーロラが光源であることに間違いありません。じっと見ていると、青い光は強弱を繰り返し、オーロラが踊っていることを物語ります。

星空夜景モード(補正+1)(西方向)
そのうち、西の空の雲もぼんやりと光り始めました。上の写真、そして下の写真がそれです。

星空夜景モード(補正+1)(西方向)
トイレタイムも兼ね、レストランでお茶しました。会計も終わり、のんびりしていると、ウェイターのお兄さんがやってきて「オーロラが見えている」と教えてくれました。あわてて防寒着を着込み、外へ出ます。私だけ、防寒着のファスナーに手間取って遅れてしまいました。空を見上げると、雲の切れ間があり星が見えています。しかし、オーロラは確認できませんでした。一瞬ですが早く外に出た家内によると、ちょっとだけオーロラが見えたようです。
雲の切れ目が広がるかと期待したのですが、残念ながらまた全天が雲で覆われ、晴れ間が出そうな気配がありません。
延長券はまだいっぱい残っているので、本日もオーロラ鑑賞延長を申し込んでいたのですが、晴れそうもないので定時でやめることにしました。幸いにバスの座席が確保できたので、定時(午前1時)にオーロラビレッジを後にしました。
ホテルに到着すると、まずはレンタルの防寒着一式を返却します。ホテル1階の物置のような場所に返却しました。
早朝に飛行機が出発します。ホテル発は朝の4時30分です。部屋で帰り支度をし、そのまま出発時刻を待ちました。
イエローナイフからカルガリーまでの飛行機はプロペラ機でした。今回は無事にカルガリーに到着です。
そして、カルガリーから成田に直行する飛行機に乗り込みました。飛行機は駐機場から動き出し、滑走路そばまで到着しました。ところがここから先に動きません。1時間前後待たされたでしょうか。「機長が不具合に気づいた。別の場所から部品の到着を待つか、あるいはバンクーバーまで飛行するか、検討中である。」といったようなアナウンスもありましたが、結局「この飛行機は飛ばない」となり、駐機場へ逆戻りです。われわれは建物に移動させられました。
ゲートに戻ると、そこには長蛇の列ができています。何事でしょうか。ひとりひとり、カウンターで説明を受けており、その順番待ちの列のようです。ところが、一向に進みません。
そのうち、別のカウンターに呼ばれ、そこで説明を受けました。紙に記されたレブッキング対応の電話番号にボールペンで丸を付け、「代替便についてはここで聞け。本日のホテルへは、4番ドアから出て16番ベイからシャトルバスに乗れ。」と言われるのみです。しょうがないので、まずは公衆電話を探しました。どこも空いていません。やっとのことで空いている公衆電話を見つけ、指定された番号にダイヤルすると、英語オペレータが出ました。「日本語で頼む」と言うと、別の電話番号に電話するようにとのことです。その番号に電話したら、日本語スタッフが応答しました。そこはレブッキング対応ではないようでした。さんざん対話をした結果、明日の代替便はAC2009であり、出発時刻が本日とは異なり9時40分であることが判明しました。
日本語のお姉さんから「予約番号はわかるか」と聞かれ、「わからない」と答えると、Kから始まるアルファベット6文字の予約番号を教えてくれました。そのとき電話口のお姉さんは「キロ・・・」と言いかけました。フォネティックコードでKは「キロ」です。しかし、よっぽどのマニアでないとこんなことは知らないはずです。実は私は、1級海上特殊無線技士、航空特殊無線技士などの試験を受ける際に必要なので、これら試験を受けるために勉強して覚えました(フォネティックコード)。もう20年以上も前のことです。しかし、アルファベットのフォネティックコードはまだしっかり覚えています。そこで、オペレータのお姉さんから6文字の番号を聞き取った後、「それでは確認します。キロ、ズールー、ロメオ・・・・ですね。」と自慢げに答えてしまいました(^^;)。
このように電話で手間取った後、言われたとおりに16番ベイに移動しました。そこには、また長蛇の列ができていたのです。同じ飛行機に乗り合わせ、同じホテルに向かう客であることに間違いありません。われわれはほとんど最後尾でした。
前の方で並んでいる日本人に聞いてみたら、「小さなシャトルバスが20分に1回程度到着している」とのことでした。いつまで経っても行列はほとんど進みません。冬のカルガリーの寒空の下です。
業を煮やして、近くのタクシー乗り場からタクシーに乗ることにしました。飛行場をぐるっと半周するほどの距離を走行し、タクシーは目的のホテルに到着しました。
ホテルのフロント前も長蛇の列です。長いこと待たされ、やっとのことでチェックインを完了して部屋に辿り着きました。
航空会社から渡されたホテルの紙には、ホテルで使えるクーポンが付いています。そこで、ホテルのレストランで夕食をとることにしました。
12月15日(火)
翌朝、前日の行列で懲りていたので、タクシーを予約していました。ホテルのロビーに降りましたが、われわれの部屋番号のタクシーはまだ来ていません。周りに言われるまま、別のタクシーに乗り込み、空港まで到着しました。
本日の飛行機は、昨日と同じ機材、同じ座席番号でした。代替機材が間に合ったということですね。昨日と同じ機体であったかなかったか、確認は取れませんでしたが。
12月16日(水)
今回の飛行機は無事に成田に到着しました。ただし、空港混雑のためか着陸に手間取り、到着時刻は遅くなりました。
本日は水曜です。本来なら出勤予定日でした。カナダから昨日中に自分の携帯で職場に電話をかけ、休暇を1日延長する旨伝えました。予定外に年休を1日消費する羽目となりました。それと、本日は夜にグループの新人歓迎会が予定されており、そちらにはなんとか間に合って出席することができました。
こうして、トラブル多く、実りの少ないオーロラ鑑賞旅行が終了しました。