弁理士の日々

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神戸大岩田教授への質問(2)

2020-07-19 11:41:39 | 歴史・社会
神戸大学の岩田健太郎教授のブログ「楽園はこちら側」でのご発言に対し、私がコメントを上げています。その第1を先日紹介しました
岩田先生の神戸大でのプロフィルは、こちらにあるとおりです。
ここでは、私の第2のコメントについて記述しておきます。

このブログの、「なぜ、国ごとに差が出たのか。そして第二波がどうなるか。」2020/06/23
を読みました。その中のコメント
『そして、少数のクラスターを見つけ、封じ込めることで日本は3月下旬まで非常に上手に感染対策をし続けました。
3月下旬から、特に東京でクラスター追跡では追いつけない感染者が見つかるようになりました。検査抑制、クラスター追跡という「後から追っかける」方法では間に合わなくなるのです。そのため、日本は「緊急事態宣言」という「先回りする」方法を選択せざるを得なくなりました。

に着目しました。

そこで私は、以下のような質問事項を上記ブログのコメントに上げました。
投稿情報: 内藤 俊太 | 2020/06/25 20:20
--コメント開始-------------
【岩田先生のご指摘
『そして、少数のクラスターを見つけ、封じ込めることで日本は3月下旬まで非常に上手に感染対策をし続けました。』
『3月下旬から、特に東京でクラスター追跡では追いつけない感染者が見つかるようになりました。検査抑制、クラスター追跡という「後から追っかける」方法では間に合わなくなるのです。そのため、日本は「緊急事態宣言」という「先回りする」方法を選択せざるを得なくなりました。』

横軸を日付、縦軸を新規感染者数としたとき、上記岩田先生のご指摘は、横軸を「陽性確認の日付」としたときのグラフに対応しているように思います。
専門家会議の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月1日)
(全国)図1の左側
(東京都)図2の左側
の図です。3月下旬まではじわじわと増加するにとどまっていましたが、3月下旬からは急激な増加に転じています。

しかし、横軸を「感染日」とすると、全く別の光景が見えてきます。下のグラフで、各患者の「感染日」をどのような手法で推定したのかは知りたいところですが。
(全国)図3
(東京都)図4
新規感染者数(感染日)は、3月初めから3月下旬にかけて、急速に増加します。実効再生産数は2を超えていました。必死でクラスター追跡を行っていたにもかかわらず、です。
それが、3月末に突然増加が止まり、逆に急激に新規感染者数が減少し始めたのです。

私が知りたいのは、
(1)横軸を感染日とした上記グラフは、本当に真の姿を現しているのか。
(2)3月中も4月も、クラスター対策は同じように努力していたのに、なぜ3月中は急激に新規感染者数が増大し、4月になると急減したのか。
(3)3月中の急拡大、4月になっての急減少に、クラスター対策以外の要因があったとすると、その要因は何なのか。

クラスター対策はもちろん必要だったでしょうが、3月中の新規感染者数の急拡大を抑止するだけの力はありませんでした。
それでは、3月末に、新規感染者数はなぜ急拡大から急減少へと転換したのでしょうか。私には、「国民が生活を変化させたからだ」しか思い当たりません。3月3連休の後、小池都知事が態度を豹変させて危機を煽り、志村けんさんの死亡が報じられました。
その結果として新規感染者数(感染日ベース)は急減に転じ、4月7日の緊急事態宣言発出の時点では、感染者数はピーク時(3月25日頃)の半分以下となっています。

以上について、ぜひ岩田先生のご見解を承りたいと存じます。】
--コメント終了-------------

現時点(7/19)で、上記私の質問コメントに対するリアクションはまだいただけておりません。そこで、取り敢えずは私のブログにアップしておくことにしました。

今回の記事作成中、岩田先生の上記記事の中に以下の記載を見つけましたので、備忘録として上げておきます。
『FAXと電話という非効率、不正確な方法はHER-SYSというオンラインシステムに置換されるようです。
 が、役人アルアルで、現場のことを考えずにやたら入力項目が多いために、現場の負担は大きいようです。ぼくの周辺の感染管理認定看護師の評判はすこぶる悪い。
 そもそも、入力項目が多いと、誤入力の可能性は増え、入力の遅れが生じ、遅れによりさらに入力の正確さは下がります。』
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神戸大岩田教授への質問(1)

2020-07-18 12:13:21 | 歴史・社会
神戸大学の岩田健太郎教授のブログ「楽園はこちら側」を見つけました。
プロフィルによると、岩田教授は神戸大で、神戸大学都市安全研究センター感染症リスクコミュニケーション分野および医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授。神戸大学病院感染症内科診療科長、国際診療部長を勤められています。

このブログの、「検査について」2020/06/24
を読みました。その中のコメント
『まずはPCRから
・・・
臨床現場で、検査の正しさを吟味する指標は基本的には「感度」と「特異度」ということになります。
・・・
「感度」は
陽性数/感染者数X100(%)
です。
臨床医学の最高レベルの専門誌、New England Journal of Medicineでは、PCRの感度を70%とするのがリーズナブルな見積もりだ、と述べています(Woloshin S, Patel N, Kesselheim AS. False Negative Tests for SARS-CoV-2 Infection — Challenges and Implications. New England Journal of Medicine. 2020 Jun 5;0(0):null.)。だいたい、そんなところかな、とぼくも思います。
感度が70%ということは、10人の感染者を検査しても、3人は検査が陰性になり、見逃してしまうことを意味しています。
・・・
特異度は、
陰性の数/感染がない人の数X100(%)で算出します。
前掲のNEJMの論文ではPCRの感度を70%、特異度を95%として議論していました。
に着目しました。

そこで私は、以下のような質問事項を上記ブログのコメントに上げました。
投稿情報: 内藤 俊太 | 2020/06/24 23:39
『新型コロナPCRの感度は、権威ある雑誌で70%とのことです。
ダイヤモンドプリンセスで、陽性者は700人前後でした。感度が70%とすると、実は感染者が千人いて、そのうちの300人は偽陰性だった、ということになります。しかし、検査陰性で帰宅した人たちの中で、のちに陽性だと判明した人数は7人と聞いています。このデータが正しいとすると、感度は99%であることになります。権威ある雑誌と、ダイヤモンドプリンセスでの実績との乖離をどのように理解したら良いのでしょうか。
特異度も同様です。武漢からの帰国チャーター便で陽性者の比率は1~2%でした。このすべてが偽陽性だとしても、特異度は98~99%となり、権威ある数値と相違します。われわれはどの数値に信頼を置けば良いのか、ぜひ教えてください。』

現時点(7/19)で、上記私の質問コメントに対するリアクションはまだいただけておりません。そこで、取り敢えずは私のブログにアップしておくことにしました。
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