弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

平成27年度弁理士論文試験合格発表

2015-10-10 09:50:59 | 弁理士
平成27年度弁理士論文試験合格発表は9月30日でしたから、ずいぶん古新聞になってしまいました。
このブログでの前回の報告は平成23年度でしたから、しばらく記事作成から遠ざかっていました。その間に、論文合格者数は、つるべ落としで減少していたのですね。
論文合格者数が一途減少をたどる一方、最終合格者数については、平成25年度まで700人台を維持していました。それも平成26年度は一気に300人台です。今年、最終合格者数はどうなるのでしょうか。

最近の弁理士試験を取り巻く情勢については何もフォローしていないので、まずは数字をアップするにとどめておきます。

     受験者数 論文 最終
            合格 合格
平成03年度 3217     96
平成07年度 4177    116
平成10年度 4362    146
平成11年度 4700 223 211
平成12年度 5166 250 255
平成13年度 5599 306 315
平成14年度 6714 470 466
平成15年度 7953 551 550
平成16年度 8883 634 633
平成17年度 9115 738 711
平成18年度 9298 655 635
平成19年度 9077 589 613
平成20年度 9679 601 574
平成21年度 7354 944 813
平成22年度 6582 822 756
平成23年度 6377 715 721
平成24年度 5255 837 773
平成25年度 4734 490 715
平成26年度 4674 358 385
平成27年度 4278 248
     (短答受験者)
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第5版鉄鋼便覧

2014-11-01 22:55:24 | 弁理士
弁理士としての私の一番大きな技術分野は製鉄関係です。製鉄分野を網羅する便覧として、「鉄鋼便覧」が知られています。その鉄鋼便覧、第4版から約10年ぶりで第5版の刊行が計画されていました。
その第5版鉄鋼便覧が、8月31日に発刊になりました。
わが事務所でも全巻の購買を予約していたのですが、届きました。
 

第5版鉄鋼便覧は、こちらの案内に記載の通り、「2014年春刊行予定」というアナウンスで、2013年3月下旬予約受付開始したものです。
この案内には、以下のように説明されています。
『日本鉄鋼協会は、創立100周年記念事業として、第5版鉄鋼便覧を刊行いたします。
前回の第4版(2002年刊行)は、1979~1982年にかけて出版された第3版の完全復刻に加え、第3版刊行時から2000年までの約20年間の鉄鋼技術の進歩・発展を追補した内容で、「計測・制御・システム」と「環境」の新巻を新規執筆して加えた、CD-ROM版として出版されました。
第5版鉄鋼便覧は、第4版を全面改訂し、最も要望の多かった書籍版にて刊行いたします。本便覧は、わが国が築き上げてきた鉄鋼の学術・技術を体系化し、関連する分野も含めた鉄鋼技術を全てカバーしています。本便覧の刊行により、わが国鉄鋼業の国際競争力の強化と世界の鉄鋼技術への貢献が期待されます。
予約割引期間
2013年3月春季講演大会開催初日~2013年9月30日までを予定』

私もこの案内に従い、予約期間中に予約しました。
全6巻で、一般価格での予約販売価格は合計で18万6千円です。日本鉄鋼協会の個人会員だとセット価格が9万円になるということで、私はそのために会員登録しました。日本鉄鋼協会の会員になるのは多分30年ぶりです。

しかし、予定の14年春になっても刊行されず、この8月末にやっと刊行になりました(案内はこちら)。
 

私は、第3版の全巻と第4版をいずれも所持しています。

第3版(合計7分冊)は、2000年に事務所を開設するときに古書で購入しました。神田の古書店では4分冊ぐらいしか購入できなかったのですが、その後ネットで検索したら残りも入手することができました。上の案内にあるように、1980年前後に発行されたものです。
  
第3版は、日本鉄鋼界各社が競って最新の技術を開示した渾身の作です。今でも輝きを失っていません。

第3版から20年経過後、2002年に第4版ができましたが、こちらは書籍ではなくCD-ROM板です。
 
第4版には、第3版の全部が電子化されて収納されるとともに、第3版発行以来20年間の新技術が掲載される、はずでした。
しかし、日本鉄鋼界はその20年間にスタンスを大きく変えました。各社は、技術を競って開示するのではなく、非開示の方向に転じたのです。考えれば当たり前で、各社の最新技術を開示したら、その開示は中国をはじめとする海外の競争相手を利するだけで、日本鉄鋼界には何ら利益を生まない、ということになったためでしょう。
従って第4版で新たに追加記載された部分は残念な内容でした。

さらに第4版は、ブラウザーとしてネットスケープを採用したのです。そのネットスケープ、Windows7では動作しないこととなりました。従って、WindowsXPの終焉とともに、第4版鉄鋼便覧は本来の姿では再生することが不可能となってしまいました。

さて、新発売の第5版鉄鋼便覧の内容はいかがでしょうか。
私はまだ読み始めていません。現在の世界情勢を考えれば、日本鉄鋼界が再度情報開示の方向に舵を切ったとは思えないので、第3版のような開示はなされていないでしょうが、追々内容を確認していきたいです。

以下に、事務所の便覧書棚(金属関係)を紹介します。
 
書棚には第3版鉄鋼便覧が収納されており、まだ第5版の居所は定まっていません。
このほかに、機械工学便覧が収納されています。
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弁理士制度見なおしについてのパブコメ結果

2014-04-15 22:45:51 | 弁理士
今年1月に、このブログで「弁理士制度見直しについての意見募集」として記事にしたように、『産業構造審議会 知的財産分科会 弁理士制度小委員会 報告書「弁理士制度の見直しの方向性について」(案)に対する意見募集』というのがありました。

パブコメの対象となった報告書の中に、「(2)論文式筆記試験必須科目について」として、現行の試験制度において、条約が論文式筆記試験では単独の必須科目とされていないことの根拠として、
「条約に規定された事項のうち弁理士が業務として行う事項については、対応する国内法で担保されている(注37)」
「注37 例えば、出題数の多いパリ条約の優先権については特許法第43条に、PCTの国内段階については特許法第184条の3以降に、国際段階については特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律にそれぞれ規定されている。」
のように記述されていました。

しかし、弁理士有資格者は、パリ条約の条文とその解釈を十分に理解していない限り、パリ優先権を伴う特許出願の代理をすることは困難です。決して、日本国特許法第43条を知っていれば済むという問題ではありません。上記報告書の「注37」は、その点を誤解しているような印象を与えます。

一方、過去の論文試験における特実の問題の中で、条約の条文知識を問う問題が出題されているかどうか、平成14~25年度の論文・特実での条約関連問題出題状況の論点を当たってみました。この10年間の過去問の中で、論点として条約の知識が記述されているのは以下の問題でした。

平成19年度論文・特実・論点
『【問題Ⅰ】
時期を前後して出願された、パリ条約による優先権主張を伴う国際特許出願及び累積的な優先権主張を伴う特許出願の特許性についての理解を問う。』
平成16年度論文・特実・論点
『問 題Ⅰ
国際出願に関する特例についての理解を問う。』

即ち、10年間の過去問において、パリ条約の優先権の知識が問われる問題が1題、PCTの知識が問われる問題が1題、それぞれ出題されています。
従って、「特実の論文試験を通じて、受験生に条約の勉強をきちんとしてもらおう」という姿勢はあるようです。ただし、10年間でパリ条約とPCTが各1題ずつ、というのはいかにも少ない印象です。

そこで、上記疑問点について、パブコメに応じて私の意見を特許庁に送付していました。
さて、パブコメの結果が、今年2月に
産業構造審議会 知的財産分科会 弁理士制度小委員会 報告書「弁理士制度の見直しの方向性について」(案)に対する意見募集の結果について
平成26年2月 特許庁
として発表されました。
『業構造審議会 知的財産分科会 弁理士制度小委員会 報告書案について、パブリックコメント手続を通じて、各方面から御意見を募集いたしました。
募集期間中に報告書案の内容について寄せられた御意見の概要と御意見に対する考え方は以下のとおりです。なお、取りまとめの都合上、寄せられた御意見は適宜集約しております。』
産業構造審議会 知的財産分科会 弁理士制度小委員会 「弁理士制度の見直しの方向性について」(案)に寄せられた御意見の概要と御意見に対する考え方(PDF:215KB)

この中で、私の意見はどのように扱われているのでしょうか。

第3章 グローバルな強さに貢献するための資質の向上
Ⅰ.弁理士試験の充実
<論文式筆記試験必須科目(条約)>
《寄せられた御意見の概要》
[36]『パリ条約の条文、PCTの条文は日本国特許法の一部を構成していると言っても過言ではない。現行の試験制度でも、弁理士試験の論文必須科目試験において、特許法・実用新案法の問題において条約の内容を問う問題を出題すれば、受験生は必然的に条約について勉強することになるので、敢えて条約という試験科目を設ける必要はないと考える。
 他方、例えば特許法第43条は、単に優先権主張手続きについてパリ条約を補足するものでしかないため、現行制度において、パリ条約の条文の理解を、現行論文式筆記試験の特許法で出題することはできないのであれば、論文式筆記試験の科目として条約を復活させるべきである。』   1個人
[37]『報告書(案)では、論文式筆記試験必須科目について、条約を論文式筆記試験の単独科目とするのではなく、現在の出題の枠組みを維持することが適切であるとしている。「現在の枠組み」では、数年に一度しか、条約関連は出題されず、少なくとも単独科目とすることが不可欠である。
 報告書(案)で述べられている「条約に関する問題の内容や出題頻度」等を勘案すれば、基本法である特許法、実用新案法、意匠法、商標法の論理的思考能力の考査が十分になされるのかという疑問も生じる。
 報告書(案)において論文式筆記試験必須科目に関して、「工業所有権審議会において検討する」と述べられていることを評価するが、条約に関する出題の仕方や試験時間等についても併せて検討されることをお願いしたい。』   1団体

《御意見に対する考え方》
『試験の問題数その他試験運用の詳細については、御意見を踏まえ、今後、試験実施主体である工業所有権審議会で検討してまいります。
 また、平成19年に弁理士法施行規則を改正し、工業所有権に関する法令の論文式筆記試験において、同法令の範囲内で条約についての解釈・判断を問うという趣旨を明確化しております。』

上記「1個人」は私のようです。「1団体」の意見の中に、私の意見も集約されているようです。

それでは、上記パブコメを受けた結果として、報告書はどのように修正されたのでしょうか。報告書の該当箇所について、「案」と「報告書」を比較してみます。最終報告書は、「弁理士制度の見直しの方向性について-産業構造審議会知的財産分科会-」に「「弁理士制度の見直しの方向性について」(PDF:833KB) 」として収録されています。


『第3章 グローバルな強さに貢献するための資質の向上
Ⅰ.弁理士試験の充実
1.検討の背景
2.問題の所在
(2)論文式筆記試験必須科目について
報告書49~50ページ
(2)論文式筆記試験必須科目について
『現行の試験制度において、条約は、短答式筆記試験では必須科目とされているが、論文式筆記試験では単独の必須科目とされておらず、特許法等、工業所有権法令の範囲内で出題することとされている。条約に規定された事項のうち弁理士が業務として行う事項については、対応する国内法で担保されている(注37)ことから、この整理には合理性があると考えられるが、他方、経済のグローバル化を受け、弁理士には、より一層、条約に関する知識が求められているとの意見がある。また、PCT に基づく国際出願やマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願が増えていることから、論文式試験については条約を単独の試験科目とする必要があるという意見もある。』
『注37 例えば、出題数の多いパリ条約の優先権については特許法第43 条に、PCT の国内段階については特許法第184 条の3 以降に、国際段階については特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律にそれぞれ規定されている。』

残念ながら、この文章は「案」のままです。私の指摘は報告書に反映されなかったようです。
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弁理士制度見直しについての意見募集

2014-01-06 20:30:01 | 弁理士
特許庁のホームページに
産業構造審議会 知的財産分科会 弁理士制度小委員会 報告書
「弁理士制度の見直しの方向性について」(案)に対する意見募集

が掲載されています。

産業構造審議会知的財産分科会 弁理士制度小委員会報告書
「弁理士制度の見直しの方向性について」(案)

平成25年12月

この中で、「弁理士試験の論文必須科目において、条約に関する問題を出題する必要があるのではないか」との論点に関し、以下のように報告されています。

『第3章 グローバルな強さに貢献するための資質の向上
Ⅰ.弁理士試験の充実
1.検討の背景
2.問題の所在
(2)論文式筆記試験必須科目について
現行の試験制度において、条約は、短答式筆記試験では必須科目とされているが、論文式筆記試験では単独の必須科目とされておらず、特許法等、工業所有権法令の範囲内で出題することとされている。条約に規定された事項のうち弁理士が業務として行う事項については、対応する国内法で担保されている37ことから、この整理には合理性があると考えられるが、他方、経済のグローバル化を受け、弁理士には、より一層、条約に関する知識が求められているとの意見がある。また、PCT に基づく国際出願やマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願が増えていることから、論文式試験については条約を単独の試験科目とする必要があるという意見もある。
37 例えば、出題数の多いパリ条約の優先権については特許法第43条に、PCTの国内段階については特許法第184条の3以降に、国際段階については特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律にそれぞれ規定されている。』

《パリ条約》
弁理士は、パリ優先権を伴う特許出願の代理(日本特許庁への)を受任することが予定されています。
パリ優先権を伴う特許出願において、パリ優先権の成立要件、優先権の効果などに関する根拠条文はどこにあるでしょうか。日本国特許法には規定されていません。パリ条約の条文そのものです。
パリ優先権の基本的な性格についてはパリ条約4条A項で規定しています。
具体的なパリ優先権の成立要件はパリ4条C項です。4条C(4)のややこしい条文をきちんと理解しておく必要があります。また、優先権の効果はパリ4条B項に規定されています。部分優先権がどのような効果を有するのかについては、パリ4条F項、H項を解釈しなければなりません。
優先権主張の手続きに関し、日本国特許法43条が規定されており、これはパリ4条D(1)項を補足する内容となっています。

以上のとおりですから、弁理士有資格者は、パリ条約の条文とその解釈を十分に理解していない限り、パリ優先権を伴う特許出願の代理をすることは困難です。決して、日本国特許法第43条を知っていれば済むという問題ではありません。

パリ条約の条文が日本国特許法の一部を形成しているといっても良いわけですが、その根拠条文は、
『特許法26条 特許に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。』
であるということができるでしょう。

《PCT》
PCT(特許協力条約)はどうでしょうか。
PCT出願の日本国内段階を受任する弁理士は、日本国特許法第184条の3以降を知っていれば十分でしょうか。特許法第184条の3以降の条文を確認すると、PCTの条文がいやというほど参照されています。これらPCTの条文を理解していることを前提に、日本国特許法が形成されているのです。
従って、弁理士有資格者は、PCTの条文とその解釈を十分に理解していない限り、PCT出願の日本国内段階の出願を代理することは困難です。

以上のとおり、パリ条約の条文、PCTの条文は日本国特許法の一部を構成していると言っても過言ではありません。従って、弁理士試験の論文必須科目試験において、特実の問題において条約の内容を問う問題を出題すれば、受験生は必然的に条約について勉強することになるので、敢えて条約という試験科目を設けることなく弁理士の資質を担保することが可能になるでしょう。
それでは、現在の弁理士試験制度において、論文必須科目で条約の条文理解を問う問題を出題することは許されるでしょうか。
特許庁ホームページで「弁理士試験の案内」で調べてみると、試験科目については以下のように記されています。

(1)短答式筆記試験
試験科目
○ 工業所有権(特許、実用新案、意匠、商標)に関する法令
○ 工業所有権に関する条約
○ 著作権法
○ 不正競争防止法

(2)論文式筆記試験
【必須科目】
○ 工業所有権に関する法令
(1) 特許・実用新案に関する法令
(2) 意匠に関する法令
(3) 商標に関する法令

即ち、短答式では、特許・実用新案に関する法令と条約とは、別の科目として認識されています。ということは、論文必須科目の科目(特許・実用新案に関する法令)には、条約は含まれていないと理解することが自然でしょう。
このような試験制度の中で、果たして条約の条文理解を問う問題を出題できるかどうか、やや疑問に思います。

一方、過去の論文試験における特実の問題の中で、条約の条文知識を問う問題が出題されているかどうか、平成14~25年度の論文・特実での条約関連問題出題状況の論点を当たってみました。この10年間の過去問の中で、論点として条約の知識が記述されているのは以下の問題でした。

平成19年度論文・特実・論点
『【問題Ⅰ】
時期を前後して出願された、パリ条約による優先権主張を伴う国際特許出願及び累積的な優先権主張を伴う特許出願の特許性についての理解を問う。』

平成16年度論文・特実・論点
『問 題Ⅰ
国際出願に関する特例についての理解を問う。』

即ち、10年間の過去問において、パリ条約の優先権の知識が問われる問題が1題、PCTの知識が問われる問題が1題、それぞれ出題されています。
従って、「特実の論文試験を通じて、受験生に条約の勉強をきちんとしてもらおう」という姿勢はあるようです。ただし、10年間でパリ条約とPCTが各1題ずつ、というのはいかにも少ない印象です。
もしも、「特実の論文試験勉強を通じて十分に条約の知識を担保している」と称するのであれば、条約関連問題の出題頻度をもっと多くすべきでしょう。ただし、条約関連問題の頻度を上げるとしたら、論文必須科目の試験科目として、「工業所有権に関する法令(関連する条約を含む)」と明記しない限り、「出題内容が試験案内の問題範囲を超えている」との疑義が生じるであろうと思われます。

なお、条約のなかにはトリップス協定が含まれています。協定の内容を読むと、パリ条約よりも具体的でかつ多岐にわたっています。しかし、弁理士にとっての重要性はパリ条約の方が上です。なぜなら、トリップス協定の具体的な内容は、そのすべてが日本国特許法でより具体的に規定しており、パリ条約の条文と相違し、わざわざトリップス協定の条文を適用する必要がないからです。
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インターネット出願で通信エラー頻発

2013-07-06 11:02:06 | 弁理士
ここ数週間でしょうか、わが特許事務所のパソコンからインターネット出願ソフトで特許庁にオンライン手続きを行う際、通信エラーが頻発しています。
インターネット出願、その前のパソコン出願まで入れたら、13年以上にわたって日々特許庁にオンライン手続きを行っていますが、通信エラーの発生等皆無でした。それが最近になって頻発です。何かおかしい。それも、同じ事務所内では同じLANにつながった複数のパソコンでインターネット出願手続きを行っていますが、通信エラーが発生するのは私が使っているパソコン1台だけです。他のパソコンでは発生していません。
その都度、「処理の続行」を選択すれば最後には処理が完了するということで、今までは過ぎてきました。

先日も通信エラーが発生しました。そこで、今回こそ原因を究明しようと、エラーを表示する画面をハードコピーした上で、特許庁のサポート窓口に電話することとしました。

画面上には以下のメッセージが表示されています。
『V5IPX9999E 通信処理中に異常が発生しました。関数名[V5IPIP33_Reception]・・・』
サポート窓口への電話では、まず関数名を聞かれたので、上の関数名を回答しました。また、「ウィルスソフトに何を使っていますか」との質問に「ウィルスバスターです」と答えました。
すると、以下のような回答を得ました。

『最近、同じ現象が多く発生しています。本日も同じ質問が既にありました。ウィルスバスターとの関連があるようです。問題解決用のモジュールがメーカーのトレンドマイクロで準備されています。今からご案内するウィルスバスターのインターネットサイトにアクセスし、そのモジュールを入手して適用してください。』
そして、サポートの案内に従って、トレンドマイクロのお客様窓口にアクセスし、「メールでの問い合わせ」でメールを送りました。
特許庁サポートからの指示でメール本文に「特許庁ソフトでのトラブルについて]の文言を入れ、状況説明を行いました。

翌日、トレンドマイクロからの返答メールが届きました。
『お問い合わせいただいた現象につきましては、恐れ入りますが、現在弊社にて専用の修正モジュールを用意しております。』
そして、[VB2013_60_win_jp_AMSP25_Scan_hfb1428.exe] という名称のファイルがダウンロードされました。
さっそく、メールの指示に従ってこのファイルを実行し、修正モジュールを読み込ませました。

さて効果のほどは・・・。
修正モジュール導入後、まだ特許庁と通信していませんし、通信エラーの発生は1週間に1、2回発生する程度でしたから、この対策が効果を奏したかどうかを実感するには1週間以上待たなければならないでしょう。

もし同じ現象にお悩みの方がおられましたら、まずは特許庁サポート窓口に確認した上で、対策を講じられてみてはいかがでしょうか。
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平成23年度弁理士論文試験合格発表

2011-09-23 11:21:54 | 弁理士
《弁理士論文試験合格発表》
9月22日に弁理士試験の論文式試験合格発表がありました。本年の合格者は715人でした。
合格したみなさん、おめでとうございます。
例年のように、論文試験合格者の推移を記録します。

     受験者数 論文 最終
            合格 合格
平成03年度 3217     96
平成07年度 4177    116
平成10年度 4362    146
平成11年度 4700 223 211
平成12年度 5166 250 255
平成13年度 5599 306 315
平成14年度 6714 470 466
平成15年度 7953 551 550
平成16年度 8883 634 633
平成17年度 9115 738 711
平成18年度 9298 655 635
平成19年度 9077 589 613
平成20年度 9679 601 574
平成21年度 7354 944 813
平成22年度 6582 822 756
平成23年度 6377 715
     (短答受験者)

最近の試験では、短答免除者は短答試験を受験しませんから、上記の「受験者数(短答受験者数)」の数値は論文試験の難易を計る上では参考になりません。また、論文合格率を算出するには論文受験者数を知る必要があります。そこで、種々の数値を推定することとします。
特許庁の平成23年度弁理士試験統計からは以下の数値を読み取ることができます。カッコ内の数値は昨年のデータです。また「一般」とは、今年短答試験に合格して論文試験を受験した人の意味です。

短答合格者数    1934(899)
論文必須受験者数 2988(3093)
  内選択免除者 2164(2268)
論文選択受験者数 927(897)
論文合格者数    715(822)

以上の数値を元に、解析を試みます。
まず、
論文受験者数合計=論文必須受験の選択免除者数+論文選択受験者数
  =2164+1934=4098(3165)

この結果から、論文試験合格率を計算できます。
論文試験合格率(=論文合格者数/論文受験者数合計×100)
  合計        715/4098*100=17.4%(26.0%)

何と、合格率が昨年の26.0%から17.4%まで落ち込んでいるではないですか。論文受験者数が3165人から4098人に増えているのに、論文合格者数が822人から715人に減っているからです。なぜ論文合格率が突然こんなに落ち込んだのか。この原因は今後解析しなければなりません。
すぐに分かることは、本年に短答合格して即論文受験した人数が本年は増大しているので、それが論文合格率を押し下げている可能性はあります。

次に、短答免除者数を推定します。今年短答合格した全員の1934名が論文受験したと仮定します。そうすると、
論文受験者数
  一般        1934(899)
  短答免除 4098-1934=2164(2266)
この数値から、本年の短答受験者数と短答免除者数の合計は、
  6377+2164=8541(8848)
となります。
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平成23年司法試験合格発表

2011-09-10 11:11:34 | 弁理士
法務省が公表した新司法試験合格者の大学別統計(pdf)を、例によって(昨年一昨年3年前4年前)エクセルファイルに組み替えてみました。以下に5年分を示します。
2011年エクセルファイル ← 今年分
2010年エクセルファイル
2009年エクセルファイル
2008年エクセルファイル
2007年エクセルファイル

このうち、2011年エクセルファイルは、5シートで構成されています。
第1~第3シートは、本年の結果について、法務省のpdfファイルから取り込み、合格者数の多い学校順に並べ替えたものです。
次の第4、第5シートは、複数年次の対比を行ったものです。
第4シート(4年間の比較)を見てください。
総合の合格率は、
平成19年 40.2%
平成20年 33.0%
平成21年 27.6%
平成22年 25.4%
平成23年 23.5%
と一直線に下がり続けています。

次に第5シート(卒業年別・4年間の比較)に移りましょう。このデータのみイメージで下に示します。

法務省発表データには、法科大学院の卒業年次別のデータが入っています。このデータについて、平成18~23年を対比しました。タイトル行に「1年前」「2年前」等々の文字が入っています。これは、今年(平成23年試験)であれば、平成22年度(平成23年3月)卒業を1年前、平成21年度卒業を2年前と表示したものです。

「受験者数割合 %」に表示されている数値は、各年別に、合計受験者数に占める該当年次の受験者数の比率です。
「合格率 %」に表示されている数値は、各年別に、該当年次の人のみで算出した合格率です。

平成22(去年)と平成23(今年)の比較をしてみましょう。
「1年前」の「合計」では平成22(33.0%)と平成23(32.5%)であまり差がありません。それにもかかわらず、「計」では平成22の25.4%に対して平成23が23.5%と合格率が下がっているのは、要するに合格率の低い「4年前」「5年前」の受験者数割合が増大し、逆に合格率の高い「1年前」の受験者数割合が45.7%らか40.3%に減っているからです。

それともう1点、「1年前-既修」の合格率が、平成22は46.4%あったのに、平成23(今回)は41.8%と下がっています。これには意味があるのでしょうか。
逆に「1年前-未修」は平成22よりも平成23の方が合格率が高く、その結果として合計の合格率は微減で留まりました。

次に、「既修」「未修」を対比すると、「1年前」~「5年前」のいずれも、未修の合格率が既修に比較して著しく悪いことが明らかです。

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弁理士試験合格率の推移

2010-11-23 20:51:25 | 弁理士
平成22年度弁理士試験合格発表で書いたように、今年の弁理士試験では口述試験の合格率が低下したことが特徴でした。
平成22年度弁理士試験統計平成22年度弁理士試験最終合格者統計が公表になったので、口述試験の合格状況がどのようになっているのか、解析してみました。ここでは論文試験の合格率もチェックし、過去4年間の推移を見ることとしました。
下記で「一般」とあるのは、その年に短答式試験を受けた上で論文試験を受けた人を指します。

《論文試験》
試験年度   19年度       20年度        21年度       22年度
一般    588/2638=22.3% 600/2085=28.8% 188/1420=13.2% 142/899=15.8%
短答免除                        751/2017=37.2% 679/2266=30.0%
合計    588/2638=22.3% 600/2085=28.8% 939/3437=27.3% 822/3165=26.6%

まず論文試験について見ると、「一般」の論文試験合格率は21年度以降明らかに低下しているようです。短答免除者が論文試験を受けるようになって、やはり論文試験の合格ボーダーを上げたのか、それとも実力者が短答免除に回ってしまい、「一般」の受験生レベルが低くなったのか、その辺はわかりません。

《口述試験》
試験年度   19年度       20年度      21年度      22年度
一般    540/588=91.8% 525/600=87.5% 144/188=76.6%  98/142=69.0%
短答免除                       587/751=78.2% 456/679=67.2%
筆記免除  67/71 =94.4%   43/48 =89.6%   77/80 =96.2%  181/227=79.7%
合計    613/659=93.0% 574/648=89.6% 808/1019=79.3% 735/1048=70.1%

こうして口述試験の合格率を年度別に比較してみると、一般、短答免除、筆記免除のいずれも、特に22年度において合格率が明らかにかつ大幅に低下しています。
論文試験の合格率と対比してみると、受験生のレベルが落ちたと考えるのは難しく、やはり口述試験の合否ボーダーが厳しくなった、と見るべきかと思います。口述試験の合否のハードルをなぜこんなに高くしたのか、理解に苦しむところです。
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平成22年度弁理士試験合格発表

2010-11-16 22:23:43 | 弁理士
平成22年度弁理士試験の最終合格者発表が11月9日にありました。756名の方が合格されました。合格した皆様、おめでとうございます。

昨21年度の受験統計の解析()にならって、今回も内容の解析を試みます。

特許庁の平成22年度弁理士試験統計からは以下の数値を読み取ることができます。カッコ内の数値は昨年のデータです。また「一般」とは、今年短答試験に合格して論文試験を受験した人の意味です。

短答合格者数    899(1420)
論文必須受験者数 3093(3336)
  内選択免除者 2268(2273)
論文選択受験者数 897(1164)
論文合格者数    822(944)
口述受験者数    
  一般        142(188)
  短答免除     679(751)
  必須免除     227(80)
  合計        1048(1019)
最終合格者数    756(813)

以上の数値を元に、解析を試みます。
まず、
論文受験者数合計=論文必須受験の選択免除者数+論文選択受験者数
  =2268+897=3165(3437)
次に、今年短答合格した全員の899名が論文受験したと仮定します。そうすると、
論文受験者数
  一般        899(1420)
  短答免除 3165-899=2266(2017)

ここまで準備をした上で、各種合格率の数値を算出します。

論文試験合格率
  一般        142/899*100=15.8%(13%)
  短答免除    679/2266*100=30.0%(37%)
  合計        822/3165*100=26.0%(27.5%)

口述試験合格率  756/1048*100=72.1%(79.8%)


以上から、論文試験合格率を「一般」(今年短答受験)と「短答免除」で比較すると、「短答免除」は「一般」に対して合格率が約2倍弱であることがわかります。去年は3倍弱でしたから、それに比較すると差は小さくなりましたが、やはり論文試験に合格する上で短答免除者が圧倒的に有利である状況に変わりはありません。
論文試験の合否ボーダーラインの難易度の変化については、よくわかりませんが、論文試験合格率について今年と去年を対比してみると、ほとんど変化していないと考えてよろしいでしょうか。
去年もそうだったのですが、論文受験者の中に短答免除者が加わったにもかかわらず、論文試験の合否ボーダーは短答免除者が生まれる前と同じになっているようです。そうとすると、短答免除者にとっては合格しやすくなっているわけで、論文試験合格者数が去年から急増している理由はそれで説明できます。

そのかわり、口述試験の合格率が落ちています。
    口述試験合格率
20年度 88.6%
21年度 79.8%
22年度 72.1%

口述試験の合否難易度に変化があったか否か、という点については、特許庁から「平成22年度弁理士試験最終合格者統計」が公表になったら、そのデータに基づいて再度解析してみたいと思います。
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荒井裕樹弁護士が金融グローバルプレーヤーに転身

2010-11-14 13:31:10 | 弁理士
2006年時点、東京永和法律事務所の升永英俊弁護士が、青色ダイオードの中村裁判を始め、職務発明の大物事件を一手に手がけていること、アルゼvsサミーの特許権侵害事件で70億円を超える賠償判決を勝ち取っていることは知っていました。

その升永弁護士の元で、荒井裕樹弁護士が活躍していることを知ったのは、2006年12月にTBS番組「情熱大陸」で放映された番組で、ここでは「情熱大陸・荒井弁護士」として記事にしました。
番組を通じて感じられる、荒井弁護士の凄いところは、自分の顧客を争いごとで勝たせるため、顧客の話を聞いた上で、通常人では考えつかないような法律構成を創出し、あるいは相手方のロジックの弱点を見抜いてそこを切り崩していく論理を展開する能力に長けていることでしょうか。
とにかく、勝訴という実績により、荒井弁護士が裁判官を説得するたぐいまれな成果をあげていることは間違いありません。
番組では、「弁護士となって3年目(だったかな?)に年収1億円」が注目点となっていました。
荒井弁護士は毎日深夜まで頑張っています。番組は、そんなに頑張って楽しいですか、と振ります。

私は2006年の上記記事の中で、『一つ危惧するといえば、民事訴訟は結局AさんからBさんにお金を移動するか否か、という争いであって、それ自体新たな価値を創出するものではありません。唯一、「新たな判例規範を創出する」という喜びがあるのみです。このような仕事に嫌気が差して、もっともっと社会派に転ずる、ということはあるかもしれません。』という感想を述べたのでした。

2007年4月には「荒井裕樹「プロの論理力」」を記事にしました。

その後、2008年6月です。突然升永英俊弁護士が、東京永和法律事務所を解散し、ご自身はTMI総合法律事務所にシニアパートナーとして合流したのです。それでは荒井弁護士はどうしたのか。それからしばらく、荒井弁護士の消息を知ることができませんでした。

このたび突然、『荒井裕樹の「破壊から始める日本再興」 』というネット記事が登場しました。
『2008年6月、年俸4億円超という訴訟弁護士の仕事を捨てて米国に留学。直後にリーマンショックが起きる世界的な金融・経済危機の震源地で、金融工学の本質を学ぶ。2010年5月ニューヨーク大学スターン経営大学院でMBA(経営修士号)を取得し、ブックフィールドキャピタル共同最高経営責任者に就任。』
『投資家を目指すのは、株主の立場で日本企業の経営に関わり、変革を迫るためだ。遠くない将来に、日本の基幹産業を活性化し、再び高度成長させたいと考えている。』

荒井弁護士は、民事訴訟の弁護士から、金融のプレーヤーに転進していたのでした。2008年6月に米国に留学したということは、升永弁護士が自身の法律事務所をたたんだ期日と一致しています。これは偶然とは思えません。荒井弁護士が退職したことを契機として、升永弁護士は事務所を閉じたのでしょうか。

荒井弁護士は一体何を考えているのか。第1回の記事『自分がバフェットになって、この国を変える~年俸4億円超の弁護士から投資家へ転身した“志士”の決意』から拾ってみます。
『私は2000年10月に訴訟弁護士になって以来、数多くの訴訟を手がけた。
・・・(中村修二氏の職務発明の対価を求めた裁判、UFJホールディングスと三菱東京フィナンシャル・グループの信託部門の統合交渉差し止めを求めた裁判、味の素の人工甘味料にかかわる職務発明の対価を巡る訴訟、日本の特許侵害訴訟史上で最高額の賠償金支払命令を勝ち取った訴訟について紹介。)
・・・
しかし弁護士になって7年半が過ぎた2008年6月、私はある決断に基づいて行動を起こした。所属する弁護士事務所を辞め、米ニューヨークのマンハッタンにあるビジネススクール、ニューヨーク大学スターン経営大学院に留学したのである。この時、31歳だった。
なぜこのような決断を下したのか。1つには、弁護士という仕事に対して限界を感じたことがあった。裁判所の判決に納得できないケースが相次いだ影響もあったが、「弁護士という職業では世界という舞台で戦うことはできない」と悟ったことが大きかった。
弁護士として生きてきた自分がこれから世界で戦えるフィールドはどこか。考え抜いた末に選んだのが、金融の世界だった。
経済のグローバル化に伴って、マネーが国境を越えて行き交う金融市場。そこでグローバルプレーヤーとして活躍している日本人はまだいない。それどころか、この国は投資マネーに翻弄され続けている。
「それならば、自分が最初のグローバルプレーヤーになって、日本を今の窮状から救い出してやる」。こう決意した。』

そうだったのですか。

私が2006年時点で感じた予感が、ある意味当たっていたような気がします。荒井弁護士の才能は、民事訴訟の弁護士の枠に収まりきれなかったのでしょう。
ただし私は、『一つ危惧するといえば、民事訴訟は結局AさんからBさんにお金を移動するか否か、という争いであって、それ自体新たな価値を創出するものではありません。唯一、「新たな判例規範を創出する」という喜びがあるのみです。このような仕事に嫌気が差して、もっともっと社会派に転ずる、ということはあるかもしれません。』と予測しましたが、社会派に転じたのではなく、金融マンに転じてしまったのですね。

確かに、「情熱大陸」や「プロの論理力」で垣間見た荒井氏は、社会派というよりも金融プレーヤーが似合っているような気もします。
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