弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

電車7人シートに6人がけ

2018-03-31 10:51:07 | 歴史・社会
昨年11月に京都に旅行に行った件については、
2017秋 京都で記事にしました。
そのときは、まず大阪を訪問し、大阪から京都へJRの電車で移動しました。

JRの電車の中で、おかしなことに気づきました。長いベンチシートに、客が6人がけで座っているのです。それも、特定の1列のみではなく、見渡すところ、どのベンチシートもほぼ例外なく6人がけです。いつも関東では7人がけで座っていますから、びっくりしました。
ひょっとしてシートが短いのだろうか、と思いましたが、いろいろ調べても、やはり本来は7人がけで設計されている車両であり、関東の車両と異なるところはなさそうです。

6人がけにするとお隣との間に若干のスペースが生まれます。私は空いているシートに腰掛けるとき、そのスペースが一方の側のみとなってもう一人座れるように、と配慮したのですが、どうも車両全体の乗客が6人がけを前提としているようなので、その後、私の両側にスペースが生まれるように座り直しました。

電車の7人がけ、確かに窮屈です。特に、冬場で客が着ぶくれるとき、それと着席者の男性比率が高いときは窮屈です。どうしても肩幅は女性に比較して男性は広くなりますから。私も、座るなら女性客が2人以上座っている列に座りたいと思っています。
それでも、関東では、冬場であろうと、着席者全員が男性であろうと、窮屈を押し合いながら7人がけで座っています。一人でも多く座れるようにとの意識からと思います。
それが、私が経験した大阪-京都では、6人がけが乗客全員の共通認識となっているようでした。

今までも関西で電車に乗ったことはあるのですが、本来7人がけのシートに6人がけで座っていることに気づいたのは今回が初めてです。
帰宅してからネットで調べてみました。私のように「気づいてびっくりした」という経験談はヒットするのですが、有識者による論評や記者による記事は見つけることができませんでした。もう当たり前になっているのでしょうか。
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内閣人事局はどうなる?

2018-03-25 12:05:06 | 歴史・社会
最近、「内閣人事局」の評判が悪いようです。高級官僚が安倍総理と総理夫人に「忖度」しているのは、内閣人事局に人事を握られているからだと。

内閣人事局ができる前、日本の政治は、「官僚内閣制」と呼ばれていました。国権の最高機関たる国会が方向を定めるのではなく、実質、官僚によって牛耳られていると。そしてその官僚、政治の方向を「国益」で判断するのではなく、自分たちの「省益」を最優先していると。
官僚たちの行動をゆがめている原因の一つは人事権です。

高級官僚の人事権は、大臣が握っているといっても実質的には次官が握っていました。高橋洋一「霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」」(4)でも紹介したように、竹中さんが総務大臣になったときも、事務次官がもってくる人事リストを何度つきかえしても、同じ幹部候補のメンバーを担当だけ入れ替えてもってくるから、なかなか手こずったそうです(民主党政権の公務員制度改革2009-10-06)。

そしてこのブログで、2010年1月に「公務員制度改革の進捗2010-01-17 」として以下のように書きました。
----再掲-----------
『去年(2009年)の10月に民主党政権の公務員制度改革でご紹介したように、安倍政権のときに渡辺行革相と高橋洋一氏が一緒に取り組んだ『国家公務員制度改革』は、以下の5本柱でした。
1.年功序列の廃止
2.天下りの斡旋禁止
3.キャリア制度の廃止
4.内閣人事庁の創設
5.国会議員と公務員の接触制限

このうち、「2.天下りの斡旋禁止」と「4.内閣人事庁の創設」に関するニュースが最近流れたようです。

「4.内閣人事庁の創設」に関連して
内閣人事局 局長に国会議員 公務員法改正案 「脱官僚」加速
1月12日7時57分配信 産経新聞
『政府が18日召集の通常国会で提出する国家公務員法改正案の概要が11日、明らかになった。公務員制度改革の体制整備を担ってきた「国家公務員制度改革推進本部」を3月末で廃止し、幹部人事を一元管理する新設の「内閣人事局」にそのまま機能を移す。局長には国会議員を充て、公務員制度改革と人事の権限を一手に政治家が握ることにより、「脱官僚依存」を加速させる狙いがある。
新制度は、内閣人事局が、各省庁の事務次官や局長ら幹部職員の人事に先立ち、「幹部候補者名簿」を作成。これに基づき首相や官房長官、各閣僚が協議した上で任命する構想。これにより省庁横断型の人事ができるようになり、縦割り行政の弊害を排除することが可能となる。
政府は4月からの新体制移行を目指し、2月上旬にも国会に提出し、早期の成立を目指す方針。』

上記高橋洋一氏の話によると、渡辺行革でめざしていた内閣人事庁がもしできていれば、大臣が幹部を決めるときには、今までの事務次官がつくったリストに加えて、内閣人事庁が推薦するリストも参照できるようになったはずでした。官僚にとっては、痛いところを突かれたと言ったところでしょう。自分たちが一手に握っていた人事権が弱まり、外部から人材が流入してくれば、営々と築き上げた昇進ピラミッドがぶっ壊れるに決まっている。
今回のニュースによると、民主党連立政権による「内閣人事局」構想は、高橋洋一氏らによる「内閣人事庁」構想と内容ではよく似ているようです。もし「全然違う」というのであれば、どのように違うのか、その点を明確にしてほしいところです。

一点だけ、民主党政権の「天下り禁止」とはでも書いたように、渡辺行革における「内閣人事庁」はその後の麻生政権で「内閣人事・行政管理局」に変わり、当時事務官房副長官であった漆間巌氏が、「内閣人事・行政管理局」の局長職を官房副長官級から政務官級に格下げしてしまいました。今回、「内閣人事局」の局長に国会議員を充てることになるので、官僚人事の主導権を官僚から政治が取り戻す、という点では前進です。その結果、「なに級」になったのかは不明ですが。』
----再掲終わり-----------

以上のように、内閣人事局は本来、それまでは官僚に牛耳られていた政治の主導権を、本来の議院内閣制に戻すための政策の筈でした。
それなのになぜ、今回のように、目の敵にされる事態となったのでしょうか。原因が2つ考えられます。

第1
お役人はそもそも、自らの人事権を持っている人事権者には頭が上がらない、上ばかりを見るいわゆる「ヒラメ役人」が大勢を占めているかもしれません。内閣人事局ができるままでは、省内の事務方トップ(次官)が人事権を握っていたため、省内の事務方トップ(次官)の意向を常に忖度して政策が立案されていました。
内閣人事局ができた結果、人事権者が省内事務方トップ(次官)から官邸に移行しました。ヒラメ役人たちは従来通り、人事権者に忖度する態度をとり続けた結果、今度は官邸に忖度することになってしまった、ということではないかと。

第2
第2代の内閣人事局長は萩生田光一氏です。安倍総理のお友達で、保守志向の強い政治家であることが記憶されます。
安倍総理は、内閣人事局で官僚の人事権を行使するにあたり、もっと穏やかに事を進めるべきだったでしょう。「官僚とは人事権者に忖度する人種である」ということに気づいていれば、今日のような状況に至ることなく内閣を運営できていたかもしれません。

いずれにしろ、内閣人事局という制度そのものが悪者視され、また公務員制度改革が逆行することだけが懸念されます。
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