大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2014年04月09日 | 植物

<949> シロバナショウジョウバカマ (白花猩々袴)

       山動く 猩々袴も 咲き出せり

 春だ。山道を歩くと、草木が芽を出し、花を咲かせているものも見られる。冬の間縮こまっていた草木の活動が始まり、山が動き出した。そんな感じで、半日蔭の崖地ではシロバナショウジョウバカマが二十センチ前後の花茎を立て、先端に白い花をつけていた。

  ショウジョウバカマはユリ科の多年草で、紅紫色の花を咲かせ、この花が中国の伝説上の珍獣ショウジョウの赤ら顔のようなのと、細長い葉が花茎を取り巻いて多数つくことからこれを袴と見て、この名がつけられたという。

              

 全国的に分布するが、中に白い花を咲かせるシロバナショウジョウバカマと呼ばれる変種が見られ、これは関東以西、四国に分布し、大和でもよく見かける。ショウジョウバカマよりも少し花期が早く、三、四月ごろ咲き、花は少し貧弱なところがうかがえる。

 今日は少し遠出をし、三重県境の東吉野村の高見山の辺りまで行った。途中の車から見る風景はどこも満開のサクラが見事だった。山中では、コブシのような花を咲かせるタムシバ、ヤマネコヤナギとも呼ばれるバッコヤナギ、カツラに似た花をつけるフサザクラ、それに、キブシ、アブラチャン、ウリカエデ、ニワトコなどが目についた。

 草花では、このシロバナショウジョウバカマが目についたが、同じ株元から白い花と紅紫色の花を咲かせる珍しいショウジョウバカマを見たのでそれも紹介したいと思う。 写真は左からシロバナショウジョウバカマ、シロバナショウジョウバカマの花のアップ、右は白色と紅紫色の花をつけたショウジョウバカマ(高見山の大峠付近で)。