<954> 山間地の春の草花
花一つ 二つ三つ四つ 春の山
今日は桜でにぎわっている吉野山よりなお奥に当たる川上町へ出かけ、吉野川の川沿いの山間地を少し歩いた。わずか一キロほどの往復だったが、いろんな花が見られた。今回はその中から出会った草花十種を紹介したいと思う。では、早速あげてみる。写真は上段左からスズシロソウ、ミヤマキケマン、ツルカノコソウ、キシュウネコノメ、トウゴクサバノオ。下段左からユリワサビ、ヤマアイ、オオチャルメルソウ、ムロウテンナンショウ、ヒトリシズカ。うかがうに、花たちはみな個性豊かであるのがわかる。
スズシロソウ (アブラナ科の多年草) 近畿以西、九州に分布。白色四弁花。走出枝を伸ばし広がる。
ミヤマキケマン (ケシ科の越年草) 本州の近畿以東に分布。草丈は四十センチ前後。総状花序に黄色の花を多数つける。
ツルカノコソウ (オミナエシ科の多年草) 本州、四国、九州に分布。花は白色もしくは赤みを帯び、多数つく。
キシュウネコノメ (ユキノシタ科の多年草) 紀伊半島に分布。イワボタンの変種。雄しべの葯が暗紅色になるのが特徴。
トウゴクサバノオ (キンポウゲ科の多年草) 宮城県以南、四国、九州に分布。淡黄白色の花弁状の萼片を開く。花弁は軍配形。
ユリワサビ (アブラナ科の多年草) 本州、四国、九州に分布。山地の谷沿いに生え、茎が地を這う。白色四弁花。
ヤマアイ (トウダイグサ科の多年草) 本州以西に分布。昔は葉を染料に用いた。雌雄別株。花はごく小さい。
オオチャルメルソウ (ユキノシタ科の多年草) 紀伊半島、四国、九州に分布。山地の谷沿いに生える。葉が他種より大きい。
ムロウテンナンショウ (サトイモ科の多年草) 近畿ほか愛知、福井県に分布。仏炎苞は淡緑色。付属体の先端は緑色で膨らむ。
ヒトリシズカ (センリョウ科の多年草) 全国的に分布。葉の開出と同時に白いブラシのような花をつける。