日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

春の海

2017年02月21日 | 自然 季節

 天気予報の瀬戸内海の波の高さは50㌢、見た目には穏やかな海面、遠くは春かすみかうっすらと白くかすんでいる。そんな海面をながめていると突然「春の海 終日(ひねもす)のたり のたりかな」という句が浮かんだ。この句の作者は与謝蕪村、丹後の海を詠んだ一句という。丹後の海が霞んでいる、うとうとと気持ちよく眠ってしましそうな風景が思い浮かぶ。

 眼下の穏やかな海面を見ていると蕪村でなくてもうとうとしたくなる。その眠気を拭うように小さな小さなタンカーらしき2隻が競うように現れたがその船足はよう気に似て遅く、白い航跡とかき分けられた海面がかすかに揺れるだけ。船影が消えると何事もなかったように穏やかな海面に戻る。

 「のたり」は「ゆるやかにうねるさま」という。「のんびり」は「気を使うところがなく心身がのどかに落ち着いている」、「のどか」は「のんびり落ち着いて静かなさま」、「のんき」は「気分や性格がのんびりしている」など「の」で始まる言葉はどこか人の気持ちをゆるめる、そんな感じがする。人の話を聞いて「そういの」と終わりに付ける「の」も相手への気持ちを穏やかにする。

 穏やかな瀬戸内海、透明度が増し綺麗になったと喜んでいたら深刻な問題が進行しているという。藻場の減退、ヘドロの沖合移動、河川水減少など多くの難題により漁場としての力が低下しているという報道がある。「のんびりのどか」に眺めるだけでなく物言わぬ海の異変のシグナルを捉えないと海力は戻らない。さてどうするか。
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