日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

子ども歌舞伎堪能

2013年12月08日 | 地域


 「歌舞伎を見たことも聞いたこともない子ども達が、夏休みの暑い時季から、浴衣、足袋を身に着け、長いセリフを覚え、踊りや所作の練習に励んでまいりました。本物歌舞伎に一歩でも近づきたいと、プロの歌舞伎役者である嵐橘三郎先生をはじめ多くの方の指導に熱心に取り組んでまいりました」、こんな挨拶で子ども歌舞伎公演の緞帳は上がった。

 演目は歌舞伎十八番「勧進帳」。いうまでもなく歌舞伎を代表する名作の一つであり、歌舞伎の演目の人気投票では必ず上位をしめる人気作。悲劇の貴公子義経と、義経に最後まで従った弁慶の話、歌舞伎のみならずさまざまに描かれている。なかでも智仁勇を兼ね備えた「勧進帳」の弁慶は、歌舞伎を代表する役柄であり、立役を志す歌舞伎俳優なら憧れる大役中の大役です(解説より)。

 加賀の国安宅。兄頼朝に追われ、山伏姿になって奥州に落ちて行く、源義経をはじめ、武蔵坊弁慶、付き従う四天王ら一行は、富樫左衛門が警固する関所にさしかかる。舞台はここから始まる。出演は岩国小学校の2年から6年までの児童14名、それぞれの役柄の衣装が舞台いっぱいに映える。舞台中央の松羽目は、かって「錦帯劇場」で舞台を飾った由緒あるもの。児童らの演技を黙って見守る。

 現役のころ「日本人なら、日本の伝統美と文化を集結した歌舞伎を1度は観ること」と先輩に勧められた。歌舞伎座でのそれはかなわなかったが、退職してから子ども歌舞伎に出会えた。今年は2回目の観賞。会場は小学校の講堂だが、パイプ椅子の観客は私語もなく舞台と同化している。孫が2人出ました、という嬉しそうな知人の笑顔が公演の成功を語っている。

 数回の観賞では、まだ舞台から深く感じるものを得ていないが、先輩の勧めた理由をなんとなく感じている。演じ終わた14名の児童が自己紹介とそれぞれが練習から得たことを口上した。聞きながら、これまでになく拍手している自分に気づき、見えない引かれるものを感じているのかも、そう思った。次回を楽しみに待つ。
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