日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

煙が消えて

2010年02月24日 | 町かど
               

校区内にかって3軒の銭湯があった。鉄砲小路と錦帯橋近くの土手町、もう1軒は昔の岩国税務署から少し細い道を入った塩屋町と曲尺町の中ほど、どれも表通りから1歩入った共通点がある。

土手町のそれは閉店後、岩国特産の漬物店のギャラリーとして観光客向けに開かれている。宇野千代お勧めのお店として漬物工場には観光バスが立ち寄る。ギャラリーの玄関は往時のままで懐かしい。

長久寺小路の銭湯は早くに閉まった。普通乗用車の離合も難しそうな小路沿いだが、当時は垢抜けていたであろうアパートに建て変わった。しかし長い年月、周辺も次々に建て代わりかっての雄姿をしのぶ由もない。

最後の1軒、燃料のおが屑を積んだ軽トラがこなくなってまもなく閉まった。それから3年になる。建物は今も残っているが役目を終えた煙突、町の移り変わりをどんな目で見たのだろう。入り口の扉があく1時間もまえから利用客が集まり「銭湯入り口サロン」のようで賑やかだった。

銭湯は町の社交場とも呼ばれ、なくてはならない施設のひとつだった。ひとたび閉じればこのご時勢、再び開くことはなかろう。古いといいながらも庶民の生活が染み込んだ歴史が姿を消す寂しさは、単なる感傷だけではない気がする。

(写真:煙が出なくなって寂しく感じる銭湯のなごり)
コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 芭蕉にも春近し | トップ | 体験しに来てください »

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
tenchanさん (tatu_no_ko)
2010-02-25 20:03:02
女学生と下宿と銭湯、題材と申し分ない組み合わせのように思います。
ブログアップを楽しみにしております。
返信する
kanopinさん (tatu_no_ko)
2010-02-25 20:00:46
「五橋湯」です。
銭湯のお世話になった事がないので分かりませんが、番台との係わりをエッセイでぜひ拝見させてください。
返信する
yattaroさん (tatu_no_ko)
2010-02-25 19:57:56
そうです、土手の銭湯は「五橋湯」です。
今は「うまもん」ギャラリーです。先日前を通ったらお客さんでにぎわっていました。
返信する
sibuyaさん (tatu_no_ko)
2010-02-25 19:55:00
ブログでは温泉ご利用の様子をよく拝見しております。
やはり銭湯はなくなりましたか。各地で銭湯の消えていく様子が目に見えるようです。ところで、そちらでは銭湯の燃料は石炭だったのでしょうか。
返信する
anneさん (tatu_no_ko)
2010-02-25 19:48:38
自分も銭湯のお世話になった子とはありません。ので、湯船の情景が書けませんでした。
返信する
Unknown (tenchan)
2010-02-25 15:13:34
学生時代に住んでいた下宿には
お風呂が付いていませんでしたので
銭湯に通いましたね~。
あの頃のことを思い出したので
また記事にしてみようと思います。
返信する
懐かしいですね (kanopin)
2010-02-24 23:16:14
錦帯橋近くの土手町の銭湯とは「五橋湯」のことでしょうか。
高校時代にお世話になりました。若い女性が番台で恥ずかしかった思い出が蘇ります。
返信する
土手の銭湯 (yattaro-)
2010-02-24 22:12:16
白為から少し臥龍橋に寄ったところにあった銭湯。
若かりし頃、何度か行ったことがあります。
懐かしい思い出ですが、今はその面影さえなくなりましてね。
返信する
銭湯の思い出・・ (sibuya)
2010-02-24 20:56:21
北海道の我が小さな町にあった3軒の銭湯も
20年も前に無くなってしまいました。
子ども3人が小さかった頃 自転車でよく
銭湯に行ったことを思い出します。
現在は郊外にサウナ付き・岩盤風呂付きの
現代風の温泉が繁盛しています。
返信する
いったことがありません (anne)
2010-02-24 20:41:22
この銭湯いったことがありません。
学生時代に、みんなで銭湯に行った経験がありますが。下宿のおばさんとけんかして、お風呂が入れなかったので。
返信する

コメントを投稿

町かど」カテゴリの最新記事