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盆地を北上するように走っているとき小雪混じりの雨が降り始めた。降りかたはワイパーを普通に動かすくらい。上空は時計の針よりひと足早く夕暮れを呼びそうな黒い雲が低く垂れこめている。帰宅を急ぎながら、もうひと山越えるまで雪にならないでくれと誰にともなく願っていた。
東向きにハンドルを切った。視界が変わり雨を降らせている黒い雲の向こうに明るい青空が見える。視界のせいか錯覚か、その青空が妙に高く見える。しばらくすると雨も小降りになり、やがて黒雲の覆いから抜けだしワイパーは役目を終えた。
爽やかな秋の空も「何とかと秋の空」と浮気心を面白く言い表す。冬の寒々とした空はさてなんと表現するのが面白いだろう。目の前の空の様子はどう言い表したものか、そんなことを思いながら信号待ちをした。
雨が上がると少し風が出た。寒気団が南下しているという。次は雪雲の番かもしれない。冬空も忙しそうに冬を演出するため変化している。明日はどんな空模様を見せてくれるのだろう。
(写真:冬空の模様)
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