かけやは「掛矢」と書く。時代劇で木製の大きな槌で屋敷や城門の扉を破る場面がある。その時使われてれるのが掛矢。樫などの硬い木で作られている。扉など破るだけなく身近では杭を打ち込むときもよく使った。祖父の代からのそれが物置にあるが、最近は使うことがなくなった。使うにはケガをしないよう注意が必要だった。
新築の棟上げ現場から掛矢のカーンという音が二つ聞こえて来る。レッカーで釣り上げられた梁や棟木が掛矢で打ち込まれていく。現場はネットで覆われ道路からは奥の方で音がし掛矢を使うところは見えない。規則正しく、また交互に打つ音が秋の空に響く。見上げているのは施主夫婦、まだ若そうに見える。自分の棟上げの時を思い出す。
知り合いの棟梁も2日続けて棟上げの写真をブログに載せていた。棟梁は「最期は土にかえる家」を作ることを目標にしており、いつも木造で通している。何れも掛矢を使う写真になっている。鉄骨造りの家では観られない棟上げ風景で、昔ながらの日本を感じる。
わが家から数分のところにある小学校校区は人気があり、校区内という文字が宅地や新築販売のチラシでは大文字で刷り込んである。掛矢の音がする新築現場はその学校の前、校門までは子どもの足でも1分だろう。周囲は子どものいる家が新築ラッシュ、人気校区の裏付けだろうか。毎日、通学の子らからの元気な声や姿に接しながら、平和が将来も続くことを願っている。
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