日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

「ムカツク」で町興し

2013年07月31日 | 地域
            

 「何丁目何番はどのあたりでしょうか」とたずねららて困ったことがある。「旧町名がわかりますか」と問い返すがそうした準備はされていない。郵便配達や宅配の人なら「そこです」と指させるだろう。時代の変遷、合併の繰り返しなどにより地名が変わる。年配者には古い地名には郷愁がある。その古い地名は若い人には知らない場所となっていく。

 地名には名付けられた由来があり、長い歴史の中で生まれた言い伝えや育まれた独自の文化がある。それはそこで育った人やゆかりのある人だけの思いかもしれない。この年まで、生まれた地を離れて暮らしたことがない。離れなかったことの是非を別にして、故郷として生まれ育った地名を思い出すことはない。

 最近、ロゴで「ムカツク」と書かれたTシャツを見つけた。「むかつく」とは、「胸がむかむかする。吐き気をもよおす。癪にさわって腹が立つ」こと。例文では「飲みすぎてむかつく」「相手の態度にむかつく」など気分をさわやかにする意味は見当たらない。そんな嫌われ4文字を使うとは、むかつきはしないが不思議な感覚を味わった。

 聞けば地名が「むかつく」といい、その町興しのために最近作られたTシャツという。生まれた地を大切にし、将来へつないでいこうという思いを知った。失礼だが、おやっ、という珍しい地名が「印象に残る地名」になり、Tシャツが売れればいい、と思い直した。

 逆手にとって事を成す、こともある。「むかつく」が「さわやか」になることを信じたい。むかつくは「向津具」と書き、油谷湾に面する地で日本書紀にもその地名が見られるとか。この地も丁目番号表示になると「むかつく」は消えるのではなかろうか。それまでに町興しを根付かせて、とエールを送る。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする