日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

初 物

2013年07月15日 | 生活・ニュース
           

 自作ですが「味を心配しながら持ってきました」と大型のハッポースチロール製箱の蓋が開けられた。中には氷詰めされた真っ赤に熟れたスイカ。よく冷えているのがわかる。畑仕事で乾いていたのどの奥から「ホー」と声を出すのは男女10人ほど。準備されていた包丁が気持ちよく小分けする。甘味と水けは申し分なしのでき、瞬く間に3切れほどいただく。今年、初物だ。

 初物とはこう説かれている。①その季節に初めて出来た穀物・野菜・果物など。②その年に初めて食べるもの。③まだだれも手を付けていないもの。よってこの日のスイカは私にとって②の初物だった。

 我が家では祖父母が、初物は先祖にお供えしその後でいただくことにしていた。両親もそうした。子どものときからそれを見て育った。そして今もその習慣は続いている。よそ様からいただいたお土産などは③にあたるから先ず供える。①、今年もプランターでできたミニトマト、初もぎ取りは数個だった。これもお供えをしてから冷蔵庫へいれた。こうすることに何の意味合いがあるかと問われたら「気持ちのもちかた」と答えることにしている。

 仏も先祖も身体を持って存在していないから、現世の人間のように食事をされることはない。それでも毎日、仏飯をお供えすると同じ思いで、珍しいものは初物としてお供えしている。お供えした物は無駄にならないよう、おさがりとしていただく。教えたわけではないが、孫は帰省するとまず仏前に座る。その姿を孫の高祖父母、曽祖父母の遺影が眺めている。
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