
先日のはがき随筆で掲載された「日給300円でも」を読んでくれた知人から「300円、何かの間違い、桁違い、よくわからん」と読後感が届く。よくわからん文章で申し訳ない、と反省しつつ思い出しながら綴った。
私は昭和30年代半ばの高卒。就職試験解禁初めは求人数が激減状況だったが、3学期になり大幅に増加、実業高校の我がクラスは就職率100%だった。我がクラスの就業先企業の初任給は8千円を中心にして幅があった。ただ1社、1万円があり1名がそこに入った。
300円が高いか低いか。日給300円は初任給8千円で換算すると20数日分になり、それなりのバイト料だと思う。同時期バイトで最高は日給350円、バイト先は氷屋、仕事は氷の注文があった家庭に角切り氷(写真)を配達する。私の配達する小包と違い、解けないうちに届ける必要がある。電気冷蔵庫普及前の時代ならではのアルバイトだった。
今年度山口県の最低賃金は4.5%の40円アップで時間給928円。全国の平均1004円にはまだ至らない。実施は10月からという。国民・厚生年金も久しぶり増額になったが、その額は生まれ年の関係で私は1.9%、率では最賃制より大幅に低く、喫煙はしないが日割りにすればタバコひと箱も買えないという厳しい現実。自ら打開するしかないだろう。
(今日の575) 金額じゃないと恰好つけてみる