ひびレビ

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「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」を見て

2024-03-04 08:06:54 | テレビ・映画・ドラマ
 先日放送された「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」を見ました。

 空に浮かぶ理想郷「パラダピア」で、のび太はパーフェクト小学生を目指すことになる本作……なのですが、正直予告ではあまり面白そうには思えませんでしたし、実際に見ても途中までは「悪くはないけど地味」という印象を抱いていました。
 しかし「パーフェクト」を目指す過程で静かに忍び寄ってくる違和感。その違和感に気付きながらも信じたくないのび太や、ドラえもんたちとの触れ合いで大事なものを思い出しつつあったパーフェクト猫型ロボット・ソーニャの葛藤。ダメな部分だけを見るのではなく、その人全体を見ることの大切さ。終盤は、どこか「魔界大冒険」を彷彿とさせる伏線回収。自分が「したいこと」「したくないこと」をはっきり言えるのも心があってこそ……と、派手さや迫力には少々欠けるものの、個性や心の大切さが丁寧に描かれていた作品でした。じんわり来る系の作品ですね。終盤ののび太とドラえもん、ドラえもんたちとソーニャのやり取りはちょっと泣ける……

 黒幕は……もともとは優しい人物だったのでしょうね。心の底から世界を憎んでいるのであれば、理想郷の住人たちの衣食住はもっと辛いものだったはずです。それも周囲の目を欺くためだったとも考えられますが、それでも根底にあったのは「誰もが肯定される世界」だったのではないかと感じました。
 また、パラダピアが三日月の形をしていたのは、満ち欠けする月と「満点」と「欠点」を関連付けていたのかな?と。満ちている部分=才能に目を向ける人もいれば、欠けた部分=ダメな点ばかり批難する人もいる……そんな納得のいかなさを象徴しているのかもしれません。

 ラスト、のび太が住む町についての想いが語られますが、あれを言わせるのであれば普段の街の様子なんかも映っているとよりじんわり来たかなーと。まぁ、それは普段のアニメでやっているでしょうから、今更映画で描写することでもないのかもしれませんが。

 そんなこんなで思っていたよりも楽しめた作品でした。
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