レッツ・ゲット・ロスト

2020-08-29 | 【断想】音楽

 レッツ・ゲット・ロスト:Chet Baker, Let's get lost!(1987 Novus - RCA)
 オリジナル・サウンドトラック
 亡くなる1年前、57歳の時の録音。
 ジャケットのチェット・ベイカーのポートレートが、時の流れの残酷さを示している。
 額、頬、首筋の皺・・・・しかも、一度クシャクシャにされて捨てられたような写真。
 わざとされたものかも知れぬが、チェット・ベイカーの経てきた時を物語るかのようだ。
 チェット・ベイカー:Chet Baker (tp,vo)
 フランク・ストラッゼリ:Frank Strazzeri (p)
 ジョン・レフトウィッチ:John Leftwich(b)
 ラルフ・ペンラン:Ralph Penland(ds,perc)
 ニコラ・スティロ:Nicola Stilo (g)
 1.ムーン&サンド:月と砂
 2.イマジネーション
 3.ユー・アー・マイ・スリル:あなたはわたしのスリル
 4.フォー・ヘブンス・シェイク
 5.エブリタイム・ウィ・セイ・グッドバイ
 6.アイ・ドント・スタンド・ア・ゴースト・オビ・ア・チャンス・ウィズ・ユウ
 7.デイドリーム:白昼夢
 8.ジンガロ
 9.ブラム・イット・オン・マイ・ユース
 10.マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ
 11.エブリスイング・ハプンズ・トゥ・ミー
 12.オールマスト・ブルー
 このアルバムの紹介文に、「暗さ、倦怠、絶望、達観、不安」等の文字。
 果たして、どうなのだろうか。
 1.老い、疲れを感じさせる声だけど、少年の純真さが衷心にある。
   人の宿命、悲しくてたまらなくなる。
 2.イマジネーションで、今の自分を持ちこたえさせる・・・。
 3.これは、やろうとして出来る歌ではない。
   決して、手抜きではないのに、脱力感が漂ってしまう。
 4.ラスト・トライとは・・・。
 5.少年の日のやるせないラッパ。
 9.若さゆえの過ちはある、老いてはできないことがある。
 10.ちょっと息苦しいね。でも、君のトランペットのいいとこだね。


ちょっとちぇっと

2020-08-29 | 【断想】音楽

 チェット・ベイカーの「チェット:CHET」(1958-1959 Riverside)
 チェット・ベイカーは、58年の生涯だった。1988年、オランダ・アムステルダムのホテルの窓から落ちて死去した。
 このアルバムは、30歳頃のもので、まだ、老いのかげ見えぬ時に作られている。
 演奏メンバー・構成は、以下の通りだが、曲によって異なる。
 チェット・ベイカー:Chet Baker(tp)
 ペッパー・アダムス:Pepper Adams(bs)
 ハービー・マン:Herbie Mann(fl)
 ケニー・バレル:Kenny Burrell(g)
 ビル・エヴァンス:Bill Evans(p)
 ポール・チェンバース:Paul Chambers(b)
  コニ―・ケイ:Connie Kay(ds) 
 フィリー・ジョー・ジョーンズ;Philly Joe Jones(ds)
 演奏ベンバーは、全体では多いが、チェット・ベイカーの音をしっかり聞ける。
 収録は、10曲(CD版)。1曲が、ボーナス・トラック。
 1曲目「アローン・トゥゲザー」の演奏メンバー。
  チェット・ベイカー:Chet Baker(tp)
  ペッパー・アダムス:Pepper Adams(bs)
  ハービー・マン:Herbie Mann(fl)
  ビル・エヴァンス:Bill Evans(p)
  ポール・チェンバース:Paul Chambers(b)
  コニ―・ケイ:Connie Kay(ds)
  静かで、さみしげなトランペット。
 バリトン・サックスが、そこに深みをつけている。
 2曲目「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」の演奏メンバー。
  チェット・ベイカー:Chet Baker(tp)
  ペッパー・アダムス:Pepper Adams(bs)
  ハービー・マン:Herbie Mann(fl)
  ビル・エヴァンス:Bill Evans(p)
  ポール・チェンバース:Paul Chambers(b)
 3曲目「イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド」の演奏メンバー。
 チェット・ベイカー:Chet Baker(tp)
  ケニー・バレル:Kenny Burrell(g)
  ポール・チェンバース:Paul Chambers(b)
  コニ―・ケイ:Connie Kay(ds)
 4.ティス・オータム
 5.イフ・ユーク・クッド・シー・ミー・ナウ
   出だしのビル・エヴァンスのピアノが美しい。
 6.セプテンバー・ソング
 7.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
 8.タイム・オン・マイ・ハンズ
 9.あなたと夜と音楽と
 10.アーリー・モーニング・ムード
 チェット・ベイカーは、どうして。こんなに、静けさを求めたのだろうか、必要としたのだろうか、誰かに知ってもらいたかったのだろうか、胸の中に波立つものに苦しんでいたのだろうか。
 思うことと、やれることは別でもある。
 どうして、あんなにできたのかなとも思う。
 でも、結局は、内に発するもの。
 それがあってのこと。