十月の空にヘリの編隊

2008-10-27 | 【断想】ETC
 十月の曇り空を自衛隊のヘリが編隊を組んで埼玉方面へ飛んでいった。
 その音を聞き、機影をあおぎながら、もし自分が戦地で孤立しているとき、味方のヘリがあのようにやってきたら、どんなに力強く感じることだろうと思っていた。

季節はずれの桜花

2008-10-27 | 【樹木】櫻
 木の花にカメラをかまえている人がいた。
 白く小さな花。
 そこにその木があったことを思い出した。
 神代植物公園の十月桜。
 いつも、カメラを向けられている。
 その一週間後、クルマの窓から桜の花に気づいた。
 日野から青梅に向かう途中。
 植物園の木より大きな十月桜だった。
 十月に桜をみるのもいいが、どうしても見たいというものでもない。

海幸彦の「こだわり」

2008-10-27 | 読書
 古事記の上巻を読み出し、思っていたより早く最後の「章」にいたった。自分なりの理解を読書メモのようにして記してきたが、これが出来たのは、上巻にある話と言うのは、よく知られているものが多いこと、以前、現代語訳で、古事記を何種か読んでいたからかと思う。中巻に入るとどうなるか分からない。
 とりあえず、次は、火遠理命(ホヲリノミコト)にまつわる話である。その第一段は、海幸彦と山幸彦。
 木花之佐久夜毘売(コノハナカクヤビメ)が生んだ火照命(ホデリノミコト)が、海佐知毘古(ウミサチビコ)、火遠理命(ホヲリノミコト)が山佐知毘古(ヤマサチビコ)である。海幸彦、山幸彦という。
 海幸彦は海のさちをとり、山幸彦は山のさちとっていたが、ある時、その仕事を交替してみる。そして、山幸彦は、海幸彦の使っていた釣り針をなくしてしまう。山幸彦は、剣をつぶして釣り針を作り、許してもらおうとするが、海幸彦は、かたくなに、元の釣り針でなくてはダメだと言い張る。
 海幸彦のかたくなさが、話の展開のもととなっている。
 海幸彦が、「剣までつぶすことなかったのに。これでいいよ」と言っていたら、それで一区切りだった。

燃えさかる産屋で

2008-10-27 | 読書
 古事記、木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)の段。
 邇邇芸命が、笠沙というところで、美人に出会う。その美人が、神阿多都比売(カムアタツヒメ)、別名、木花之佐久夜毘売である。
 「妻にならないか」と誘うと、父と相談するというようなことであった。父は、いい話と喜び、姉の石長比売(イハナガヒメ)も一緒に嫁がせた。
 ところが、邇邇芸命は、石長比売に返してしまった。石長比売は醜女だったのである。
 父の大山津見神(オホヤマツミノカミ)は言う。「石長比売は、邇邇芸命の命を強めるため、木花之佐久夜毘売は繁栄をもたらすためであった。邇邇芸命は、石長比売を失うことで、命を弱める」と。すめらみことたちの命が長くない所以がここにあると言うことである。
 その後、一夜の交わりで木花之佐久夜毘売が妊娠する。邇邇芸命は、自分の子ではないのでないかと疑う。そこらの国つ神と交わって出来た子でないかと。
 木花之佐久夜毘売は、その疑いをはらすため、自分の妊っているのは神の子であることを証すために、火炎に燃える産殿で出産する。そのようにして生まれたのが、次の三柱である。
 火照命(ホデリノミコト)、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホヲリノミコト)。
 なにかとトラブルあるんだね。
 木花之佐久夜毘売は、樹木が語られるときに、よく登場する。

「猿」が溺れる

2008-10-27 | 読書
 古事記、猿田毘古神(サルタビコノカミ)と天宇受売命(アメノウズメノミコト)の段。
 邇邇芸命の天降りの先導をした猿田毘古神は、やがて役目を終え、帰還することになる。それで、天宇受売命が、女神ながら男神である猿田毘古神の名を負うことになる。二神の関係はきわめて近いものであったと思われる。猿女君(さるめのきみ)である。
 ここに、二つのエピソードが記されている。
 ひとつは、猿田毘古神が、貝に指をはさまれ、溺れたことがあること。
 もうひとつは、天宇受売命が、魚たちを集めて、「お前たちは、膳となることで、天の神の御子に仕えよ」と言ったとき、海鼠(こ)が返事をしなかったので、小刀でその口を開いたということ。海鼠とあるのは、鮑や牡蠣の類のことか。
 猿田毘古神が溺れたのは、志摩半島あたり。魚介類が豊富である。海に生きる国つ神も多かったろう。そういうバックグラウンドがあっての話か。

ドングリが落ちる

2008-10-27 | 【樹木】ETC
 ヨーロッパ・オオカミの子どもたちも、順次、大人の顔になりつつある。オスたちは、オスとしての尊厳を示しつつ、俺を見ていた。
 数週間ぶりに行った多摩動物公園は、あちこちでドングリが落ちる音がしていた。
 クマシデの茶色の果穂を見あげた。
 ユリノキは、早々と葉を変色させ、落としている。
 カエデの類は、まだ緑色をしていた。
 十月下旬である。