いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

そうりだいじんの選び方

2006-09-21 01:31:42 | 教えてみよう
多くの子供たちは、
ソウリダイジンがどうやって選ばれているかを、知らない。
まあ、教えたところで、彼らが理解するには複雑すぎることもある。
共和国ではなく「立憲君主制」をとる日本の「国家元首」の定義、
議院内閣制の仕組み、政党政治の仕組み、解散の仕組み、
いずれも非常にまどろっこしく感じられるようだ。
そして彼らの疑問はひとつに集約される。

「なんで選挙で選ばないの?」

だ。
彼らの教えられている民主主義の基本システムとは、
主権者である国民の手による直接選挙であり、
そこからすると最も肝心な一国の元首を直接選べないのが、
どうにも奇妙に映るようなのだ。

そして予想通りこういう質問も来る。

「いまやってる安倍さんとか谷垣さんとか麻生さんってのは、なに?」

やはり、あれを「ソウリダイジン選挙」だと思っている子供は多いようだ。
自民党という一政党の、総裁選だということを説明してもピンと来ない。
じゃあ身の回りにあれに投票したという人がどれくらいいる?と訊くと、
「あ~~~~~~。」
ときた。

しかし、一政党の総裁選に過ぎないものが、
事実上のソウリダイジン選挙になっている、
そのこと自体の「ど~も腑に落ちねーなー」感は彼らにもあるらしい。
やはり、疑問は「なぜ直接選べないのか」という点に尽きる。

さあこれ、どう教える?

ちなみに俺は。
歴史的な経緯、天皇制と議院内閣制の意味合いとを客観的に教えた上で、
「国民はバカだと思われているから」説を採りました。
いわゆる「衆愚」というやつなんだけど、
日本国民というのは自分の欲望とか利害・損得ばかりに敏感で、
本質的な部分に関する問題意識というものが希薄だ(と思われている)。
しかも大多数の国民はメディアを盲信し、イメージだけで物事を決めつけ、
安易にやさしくて面白くて気持ちよくて泣けるものに飛びつく(と思われている)。
個人の責任という意識に乏しく、集団でヒステリーを起こし、
みんな同じじゃないと不安になり、ブームになれば何でも飛びつき、
異端者は排除する(と思われている)。
カリスマとか天才とかが大好きで、とにかくミーハーだ(と思われている)。
刹那主義的で、後先のことまで考えずに、
とりあえず今気持ちよくしてくれるものにすがりつく(と思われている)。
要するに、バカだ(と思われている)。

だから、こんなバカどもに国家の首脳を選ばせるなんてとんでもないことだ。

と、政治家や官僚は腹の底で考えている。
そう考えていない者は居ないだろう。
日本は明治以来、エリート官僚が支配する国だ。
彼らは知識と教養と家柄(血筋)と学歴と財力がないものは、
政治に関わる資格がないと考えている。
とにかく人を見下すことで自分のアイデンティティが満たされる人種なのだ。
「優秀な」彼らが、その主導権を「愚かな」国民に渡すはずがない。
政治なんていう高等なものが国民に扱えっこないのは明らかだ。
我々エリートだけで決めてしまいましょう、
そういうことを回りくどく難しく言うのであるこれがまた。

そもそも、真の民主主義なんか日本では成立しないのだ。
日本は「話し合い至上主義」を「民主主義」と勘違いしているからだ。
「民主主義」とは個人の責任に於いて自由に発言し、行動し、
その結果収束した意見について、
「多数決」で是非を明らかにしていくシステムだ。
日本にはここがなじまないのである。
総論賛成、各論反対でなんだかんだと注文を付け、
妥協に妥協を重ねて例外やら特例をくっつけ、
玉虫色の結論を得て全員が60%happyな状態をつくって良しとする。

議院内閣制はまさにうってつけだ。
1.国民は責任を持って首相を選ばなくてもいい。
2.国民は首相の失政について自分の責任を考えなくていい。
3.国民はとにかく政府のせいにしていればいい。
4.官僚や政治家は自分に都合のいい首相就任を誘導できる。
5.多数党の形さえ作ってしまえば、次の選挙までの間どうにでもできる。

かくして、日本はどんどんどーしよーもない方向へ溺れていくのである。
でもさ、首相公選制にすれば解決するってもんでもないよね。
国民も言い返せないじゃない。
小泉純一郎はまさに、国民が選んだようなもんだしさ。
小泉首相の功罪は他に譲るとして、
就任時のあの熱狂的なバカ騒ぎ、忘れた訳じゃないでしょう?
まあ、平気で忘れられるのも、日本人なんだけど。
あの結果、「改革」の名の下に、
どれほど弱者に容赦なく「痛み」を強要する政策が実施されたか、知ってる?
既に二層化社会へのレールは引かれてしまったんだよ。
おまけに最後にあんな大勝利までプレゼントしちゃって。
郵政選挙だなんて目くらましに思い切り引っかかって、
「最後に、純ちゃんの永年の夢を叶えてあげたい」
だなんて、安易に票を投じたヤツがどれほどいたか。
それを1年後に安倍が引き継ぐって、誰も考えてないでしょう。
次の選挙までの数年が怖くてしょうがねえよ。

どうすればよくなるんでしょうね、日本。
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5 Comments

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Unknown (Rico)
2006-09-22 14:45:29
いつも楽しく(また、時に……笑)

こちらのブログを拝見しています。



この内容は

政治の知識(歴史背景含めて)に乏しい私にも

理解、納得のいく説明、話しで

深い関心をもって読みました。



今回のブログは

できるだけ多くの人(子)に目に留めてもらいたいナァ

って感じました。



「バカな国民」でも、このぐらいのことは知っておくと

メディアの流行にながされずにマシな考え方ができるでしょうに。



それに、将来の世の中をちょっとおもったら

ホントウ、重要な問題。



レクチャーありがとうございます!
返信する
え・・・; (神チャソ)
2006-09-22 18:27:26
あれって選挙じゃなかったの!?

馬路っすか!?

知らなかった~・・・
返信する
うはー ()
2006-09-23 04:02:18
>Rico

えー、どこのどなたかは存じ上げませんが、

どーもこんにちわ。

「人様に読んで頂く」ものとして、

受け容れられやすい表現上の工夫や配慮、

そういったものを一切排除して、

好き勝手に心の内幕を洗いざらい書いているこのブログなのに、

そんな風に言ってもらえるとうれしーなー(笑)。

まあ、正直というか単純というか、

とにかく「イイヒトぶった八方美人の偽善者」がキライなので、

これからも白黒まだらなブログですけども、

半笑いで読んで頂ければ嬉しいです。



全然関係ないけどおれ、「りこ」って名前、

響きがみょーに好きなんだよね。

身の回りにいなかったけど。

俺のお袋「のりこ」だから、惜しいって感じ。

「じゃがりこ」はかなりいい線いってんだけど。

エアロのスティーブンの本名も「たらりこ」だし。



そうそう、俺こないだ初めて

「♪たーらこーたーらこー♪」の歌、

フルコーラスで聴いたんだよね。

すっげー難しいよ、あれ。

ちなみに俺、あの曲大好きなんだけど、

どーにも「キャッツアイ」に繋がってしまいます。



え?わかんない?



「♪たーらこー、たーらこー、かーぜにのればこんやー♪」



ね?

返信する
じゃあ ()
2006-09-23 04:04:21
>じんちゃ

そのうち、ここで解説しようか。

けっこうね、まわりくどいことやってんのよ、それが。

しっかしアベ、俺にはブルドッグにしか見えねーぞ。

麻生はドラゴンボールのピラフ様を思い出す。

谷垣はいまだに顔が出てこない。
返信する
はじめましてo (ァリスo)
2006-10-01 11:56:03
ブログ読ませてぃただきましたoイブキさんが学校の先生だったら良かったのになぁと思いましたo



ちなみに私の名前「りぇこ」ですが、ちょっとかすってなぃですかo笑;

「ico」ってゲームぁったょね…o
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