他にやることないんだろうか

偶然つけたテレビ番組は、

かつて三国連太郎が「日本一美味い」と評した幻の餃子を食べに行く、

というものだった。

老夫婦で営まれていた熊本県のその店は、既に昨年閉店したのだが、

今回この番組のために引退した老店主が特別に再現して作ってくれるのだ、

という。

果たして大はしゃぎのタレントたち。

しかしこれ、彼ら以外の誰が喜ぶ企画なんだろう。

どんなに美味しくてももう食べられない餃子を、

旨そうに食べる姿を見せつけて、何を伝えたいんだろう。

まして誰もが旅行や外食を我慢しているこの時期に、

どうして彼らテレビだけは特別扱いなんだろう。

どうしてそこまで視聴者を逆撫でできるのだろう。

テレビって何だろう。他にやることないんだろうか。

大本営発表を垂れ流し、明らかな行政の無策にも批判らしい批判もできず、

科学や知性を軽視し、デマに加担し、

二番煎じのバラエティでとことん世の現実から目を逸らす。

他にやることないんだろうか。