いぶろぐ

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関西旅日記:8/14

2017-08-14 23:41:06 | 超・いぶたろう日記
僕は旅に出るとき、あまり細かく計画を立てない方だ。
ただでさえ普段、次はあれ、次はこれ…と仕事に追われているので、
たまの休みくらいはそういうのなしにして、思うままに動きたい。
予定や時間の制約から一切解放されるところにこそ、休暇の良さがある。
思いつきの旅はそれこそ思わぬ出会いや発見にも恵まれるし、
目に映り耳に入るものすべてを感じ取れる心の余裕は、
次の目的地へと急ぐ忙しなさに囚われていないことが前提だ。

そんなわけで、無理して早起きとかもしない。
この日、僕が起きたのは11時。
部屋を出たのは12時。
いつもとおんなじだ(笑)。

んで今回、僕はこれまで「行きそうで行かなかった」、
奈良へ行こうと思い立った。
平城宮、東大寺、薬師寺、唐招提寺、法隆寺、飛鳥…
それこそ歴史旧跡はいくらでも出てくるけれど、
なぜかこれまでに行く機会がなかった。
社会を教える仕事柄、頭では色々と知ってはいても、
やはり現地に赴いてみなければ、授業も面白くならない。
知っている分、これがあれか、あれがそれか、と感慨も深いだろう。

ということで、まずは御堂筋線でなんばへ。
そこから近鉄に乗り(これがまた新鮮)大和西大寺へ。



懐かしい…中1の夏休みに友達4人で旅行して以来だ。
橿原線に乗り換えて2駅、西の京駅で降りる。
もうこのあたりに来ると、駅のひとつひとつに情緒が溢れる。

10分ほど歩くと薬師寺が見えてくる。


ここで一首。
ゆく夏の 大和の国の 薬師寺の 拝観料は 1100えんだよ ボリ過ぎじゃね?

続けてすぐ近くにある唐招提寺へ。



これはよく教科書なんかに載ってる構図だよね。
そこで、現地に行かないと見られないもの好きな私は、
とりあえず背面を撮ります(笑)



うーん。変わり映えしない。

小学生の頃、小学館の歴史漫画で初めて鑑真を知り、
その高潔な志に感動。
気がつけば社会の授業で教え、
はたまた国語で「天平の甍」を教える立場になり、
でも考えてみれば一度も来たことはなかった。
これじゃいかんと思い立っての今回の奈良旅行。
止める弟子たちを振り切り、仏教戒律伝授の熱い思いだけで
幾度もの失敗や困難、失明さえも乗り越えて大業を果たし、
遂には異国の地に骨を埋めた不屈の高僧。



ようやく拝観できました。
ここに眠っているのかと思うと何だか胸が熱くなります。

授業用に「校倉造」の写真を撮り…(正倉院じゃないけれど)


さらに近くの古美術屋で、授業で生徒に見せてやろうと安い古銭を買ったら、
歴史好きな親父さんとついつい話し込んでしまいました。
おまけをいっぱいもらってしもた。



621年鋳造の開元通宝、1111年鋳造の宋銭、銭形平次が投げていた寛永通宝など。
珍しいものでもなく古銭的な価値は無いそうですが、
それでも何百年も前に作られて、多くの人の手を経たものだと思うと、
何だか感慨深いモノがあります。

そしてまた電車に揺られ、近鉄奈良駅へ。
奈良と言えばこれ、鹿の公園ですね。





ほんっとに我が物顔で歩いてるんだもんなー。

こんなとこにまで。


鹿を入れて自撮りしようと、
ポジショニングをアレコレしているうちに興フンしてしまい、
そこらじゅうに落ちている鹿フンをフンでしまって
フン慨している外国人観光客たちを尻目に、
フン別のある私は東大寺へシフント。



世界最大の木造建築…はいいんだけど、臭い(笑)



そこらじゅうフンだらけの世界遺産。

金剛力士像にも挨拶。



そして薬師寺ではケチった私ですが、さすがに大仏は見たい。



おお—見えてきた。
まごうことなき東大寺。
でかいな。



そして大仏にご対面。
奈良時代から現存するのは台座のみ。
度重なる戦乱や災害で、首が落ちるわ、胴体とろけるわ、
建物焼けて何十年も雨ざらしだわ…と、
大仏さんもそうとうの苦労人(仏?)らしい。
聖武天皇が国家鎮護の願いを込めて建立したはずなのに、
我が身を守る術は無かったのだろうか…。



そしてやっぱり背中を撮る(笑)。
教科書や資料集には載ってない「裏側」とか「内側」を観るのが好き。
よくもまあ木造でこんなでっかい建物つくったよね。
大仏にしてもスゴイなとは思うの。
しかし駆り出された民衆の労苦を思うとき、
いまひとつ素直に感動できないのはあたしったらマルクス史観なのかしら。



ちゃんと教え子たちの健闘をお願いしてきました。



帰りには興福寺に寄って、五重塔をパシャリ。
五重塔と言えば幸田露伴。
歴史にその名を留めずとも、こうしてその手によるものは残る。
知られざるのっそり十兵衛はたくさんいたことだろう。

夕闇が迫るとどんどん人が増えてきた。
今日は東大寺も興福寺も夜間ライトアップやるらしい。
浴衣姿の人でいっぱい。人混み嫌いの私は早々に退散。

それはいいとして、さっき興福寺で
「明太子と変わらんなー」
って3回繰り返した人がいて、何がだろうと思って振り返ったら、中国人同士の中国語の会話だった。
…なんて言ってたんだろう…。

帰りの近鉄電車は貸し切り状態。


大阪市内まで帰り着き、夜は親父と会食予定。
マネージャーY氏と福島駅前で待ち合わせ、
台湾から帰国する親父を関空までお迎えに。

そして帰阪の際は何よりこれが楽しみ、尼崎の天才のお店に。

大胆にして繊細な仕事、意外な素材の組み合わせの数々。
けっして奇をてらったのではなく、必然としか思えない絶妙な味わいに昇華されている。

僕はここよりうまい寿司屋を知らない。

親父と、マネージャー氏、某芸人さんとで楽しい夜。
いまや、ごく普通の親子関係になったけれど、
10年前は会うことすら考えられないことだった。
僕にも親父にも色んなことがあって、
自然と修復されていった幸運を思う。

人生は誰もが自分の幸せを求めて生きているだけで、
その過程ではたとえ家族であってもすれ違ってしまうこともある。
けれど、そのまま会うこともなく死に別れてしまったら、
自分の最大のルーツである親と話すことも叶わなくなる。
僕にはそれは勿体なく思えた、それだけのこと。
親父もまた、きっと僕以上に顔を合わせ辛かったかも知れないが、
単なる親子であることを望む僕の気持ちに応えてくれた。

時間が流れていくことは、そう悪いことばかりでもない。
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