いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

岡田マジック24

2023-08-24 18:53:54 | トラ、トラ、トラ。
処理水についても甲子園についても墜落機についても飛翔体についても、
一切コメントしないことでSNSと心の平穏を保とうとする、
凡庸で狡猾な大人に成り果てた私です。

そんな私は、耳慣れぬ「マジック」という言葉と、
それに続く数字が毎日減っていくことに魂の安穏を見出しています。

思い返せば38年前、まだ元号は昭和で、ランドセルを背負っていた頃。
初めてシーズン通して野球を観るようになった私の胸を撃ち抜いた、
何点取られようとびっくり返す、わかりやすいホームラン量産打線。
ヤマトが、それもデスラーが好きだった私にとっては、
「全艦デスラー砲発射!」的な、
パワフルかつ雑なコテンパン戦法がたまらなくツボ。
シーズンの勢いを駆って、
そのまま大嫌いだった小学校を思わせる西武管理野球を打ち破り、
日本一に輝くまでの軌跡は、
いまに至るまで私の虎党としての原点にあり続けています。

…翌年から、長い地獄を見るとは思いもせず…。

そこから涙涙の星野胴上げまで18年。
時代は平成になり、私は28になり、
ステージで見栄を切って歌う日々を送っていました。
契約のかかった大きなホールのステージで、タイガースのハッピを着て、
旗を振り回し、MCでもそのネタばかり、
関係者席にいた、巨人ファンの偉い人がシラケた表情で、
割と早く席を立ったと聞かされたのはその直後のことでした。

2年が経って30歳を迎えた私が見たのは、生え抜きプリンス岡田の胴上げ。
不動の四番金本と天才的な打点王今岡を擁し、
6回までリードしておけばJFKの向かうところ敵なし、
黄金時代が来たと思いました。
私はといえば、ライブハウスから教室へと舞台を移していましたが、
仕事の合間に隠れてマメに試合をチェック、楽しい毎日でした。

このとき、私は不謹慎にも
「2年ですぐ優勝だとありがたみがないなあ…やっぱ阪神は十何年ぶりじゃないと…」
などと、心にもないナマイキを呟いてしまったのです。
ああ野球の神様ゴメンナサイ。
その罰が当たったかのような日本シリーズでした。
不思議と記憶が深い霧に包まれたようで、あまり思い出せません。
ただ、しばらくガムやアイスを買わなくなったのは事実です。

今後はきっと毎年優勝争いするんだろうなあ…
八月から消化試合なんてことなくなるんだよなあ…
なんて思っていたら、たしかにそれはそうだったんですが、
僕の思い上がりで呪いがかけられたかのように、優勝からは遠ざかります。
開幕独走、失速、逆転、惜敗の歴史が繰り返され、
かつての「万年2位」体質が蘇ったかのような悔しいシーズンばかり。
中でも憎き讀賣にまくられ岡田辞任に至った、
2008年の屈辱を忘れたことはありません。
その後、2014年のCS4連勝で讀賣に雪辱、わずかに溜飲を下げたものの、
戦力は整っているのに勝負どころで勝てず、
なかなか優勝できないシーズンが続きました。
挙げ句にキレイゴト好きで謎の文字職人に操られたスピ監督までが登場し、
「予祝」などという珍妙な儀式では飽き足らず、
不可解な采配と頑固な選手起用で、乳酸菌飲料に酸っぱい思いをさせられ、
昨年は虎党休業まで考えました。

それが!今年!!
あの!岡田が復帰!!

野球ってのはこうやるんや、とでも言うかのように、
鮮やかな采配と選手起用の妙で、着々と勝ち星を重ね、
いつのまにやらマジック24。
でもチームに浮き足だったところはなく、もうアレは間違いありません。
いままで怖くて口にできませんでしたが、もういいでしょう。
今年こそは!!アレ!

気づけばまたしても、18年が経っていました。
元号は令和になり、僕は二児のパパになっていました。
信じられますか。
ランドセル、バンドマン、塾講師、パパですよ。
人生4度目の奇跡。楽しみで仕方ない。
日本シリーズ…どころかCS時点でもイヤな予感しかしない、
染みついた虎党気質もあるけれど、楽しみにしたいと思います。

次は…またら18年後だと子供が2人ともが成人してるんだよなー。
僕の墓前に報告…とかにならないよう、長生きしよっと。
タイガースファンは、長生きしないと務まりませんや。
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