1月半ばに競馬場で腕節のひどい骨折をした雌馬。
痛みがひどくて移動できなかったのだろう。
数週間経って帰って来た。
繁殖供用したい、とのことなのだが、第三手根骨は大きく2つに割れている。
もともと外反していた腕節は、少し内反している。
内側が崩れているからだ。
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プレートを使って、手根間関節を動かないようにしてしまう手術も考えたが・・・・
なんとか歩けているので、今より生活状態が悪くなる手術はしたくない。
こういう症例を見ると、slab fractureは、「板」状骨折ではなく、「盤」状骨折と訳すべきなのがわかる。
(これは私の考えで、日本獣医学会は「板」状骨折としているのだと思う)
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内側の矢状方向の骨折部は骨片になっていたので関節面側の骨片は摘出した。
小径のscrewで固定することも考えていたが、粉砕しているのでは固定できない。
骨折線部は結合組織がかなり線維化している。
大きな骨体をscrew固定するための目印になる針を骨の端に刺した。
3.2mmドリルで穴を広げて、骨折線までは4.5mmドリルでgliding hole 「滑り」穴にしておく。
骨体が大きいので、もう1本screwを入れたい。
1本目のscrewと当たらないようにしなければならないので、2本目の方が難しい。
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痛みはやわらいでいるとは言え、この馬は寝ていないそうだ。
腕節は曲げると痛いし、手術台上で脱力しても腕節は完全には曲がらなかった。
手術までどのくらいの期間をおくかは輸送のリスクもあり難しい判断だが、すこし時間がかかりすぎたかもしれない。
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「この稿は、戦闘描写をするのが目的ではなく、新興国家時代の日本人のある種の能力もしくはある種の精神状態について、そぞろながら考えてゆくのが、いわば主題といえば主題といえる。」
とある。
ロシアに勝った、と戦勝礼賛する気分があるならこの小説は読まない方が良い。
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新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫) |
司馬 遼太郎 | |
文藝春秋 |
ロシア周辺国で、社会化革命を支援する諜報活動をした明石元二郎の活動の様子は、他の章とまったく舞台も内容も異なっていて興味深い。
「勝因のひとつは明石にある」とさえ言われたそうだ。
ロシアは帝政が抱える病巣が末期状態にあり、自壊したのだ。
国を思い、多くの人が命がけで必死の努力をした。
明治の人は偉かった。
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