生まれて2週間の子馬が種子骨骨折した。
底部で骨折した、というより種子骨と種子骨遠位靭帯群の間でちぎれた感じ。
一番良く切れてしまう前肢の内側種子骨。
競走馬になっても最も負担がかかる種子骨だ。
新生子馬の種子骨骨折は、温存しても骨癒合することがある。
おかしな形の大きな種子骨になるが、競走できた例も知っている。
以前はワイヤーで締結する手術を数例やったこともある。
しかし、ワイヤーで締めておくと種子骨の遠位部が切れてしまうことがある。
そして、ワイヤーを抜く手術もしなければならない。
この症例は・・・・あまりに変位がひどく、このままでは骨癒合することは期待できない。
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手術することにした。
ワイヤーではなく、吸収性の強力な糸で締結することを考えた。
ワイヤーなら1本で縛ることになるが、糸なら2-3本掛けることができるだろう。
引き寄せるために骨鉗子をかけたが、これは遠位部にかかっていなかった。
PDS(吸収性モノフィラメント糸)を編んだ1mmの糸を2回かけて締結した。
念のためにもう一度今度は1回かけて締結した。
この日齢の子馬の種子骨は、縫合糸についている針で3度貫通することができた。
内外の種子骨を縛ろうかとも考えていたが、外側にも術創を作らなければいけないデメリットを考えてやめた。
10日間キャストしてもらうことにした。
子馬の種子骨の骨癒合する能力に期待したい。
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この1週間寒かった。
もう厳寒期も終わりだろう。
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分娩中に膣穿孔した馬は、腹膜炎を起こして再来院し、開腹手術になった。
小結腸とその腸間膜が傷んでいたのを修復し、腹膜炎を洗う手術になった。
3日間入院して退院していった。
有る物でやるというのも大変ですね。
吸収糸は組織反応を起こす方だと思うのですが骨癒合にとってどうなのでしょう。
付着している靭帯が骨片変位の原因なのであればこちらに糸をかけて縫縮したくなりますが、現実的には難しいのでしょうか。
フェブラリーステークスですねー
https://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/f187e1efcc1ea640ede81d9c15b7bc93
成長板への影響は起こりうるものなのでしょか?
冷え込みが続いたので、寒さに負けないようにむきになって温かく過ごすよう努力した!昨日は動物園歩き回ってぽかぽか。今日もさくっと動き回る予定。
https://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/cbe4d36a3133b7767a2ea753a957e102
子馬の種子骨骨折はなんとかしないといけないと思っています。かつてワイヤーで縛りましたが、結果は満足がいくものではありませんでした。温存でそれなりに「治る」症例もありますが、ひどい例は縫ってみようと考えています。
成長板は関係しません。対側肢は傷むかもしれません。