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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

正しいキャストは3週間は大丈夫

2015-11-11 | 整形外科

今日は、

3歳競走馬の腕節の関節鏡手術。

続いて、

外傷をキャスト固定していた当歳馬。

これで3週間巻いていた。

キャストをはずしてみたら傷の癒合は良好。キャスト擦れもない。

あと3週間キャスト固定することにして巻き直した。

このブログで何度も書いているが、正しくキャストを巻けば3-4週間は巻き直さなくても大丈夫。

皮膚が薄く、頻繁に寝起きし、動き回る当歳でさえも、だ。

                        -

午後は競走馬の第三中足骨外顆骨折のスクリュー固定。

競馬場から巻いてきたキャストは繋部分で折れてしまっていた。

キャストの蹄底部分はひどく厚く巻かれていてはずすのがたいへんだった。

割れていた繋部分は薄い。

distal limb cast は球節の上か下で割れ易い。

だから、その部分を厚く巻いた方が良い。

「均一に巻け」と教えるところもあるようだが、「割れるのは必ず球節の上か下」なのだから、そこを相対的に厚くすれば良いのだ。

磨り減る蹄尖部はスーパーファーストのような樹脂剤で補強すれば良い。

                           /////////////

この季節、仕事が終わる時間にはもう真っ暗。

そう、日照時間も「気分」に影響をあたえるらしい。

せいぜい晴れた日には陽光を浴びたほうが良いのだろう。

白い手術室で明るい無影灯の下で手術していても陽気になるような気はしないけど・・・・・

 

 


6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (piebald)
2015-11-11 19:39:58
 昔、競馬関係の方に、肢巻を巻くときは、右肢は、右回り、左足は左回りに巻くように教わりました。
 理由は聞きませんでしたが、もしかして、どちらでも同じなのでしょうか?
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>piebaldさん (hig)
2015-11-11 19:57:41
それは私は気にしたことがありません。どういう理由なんでしょう・・・?
右利きの人は、左回りに巻くほうが巻きやすいですよね。
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Unknown (zebra)
2015-11-12 07:12:40
引っかかったとき解けにくい向きがあるのかもしれませんよ。
もしかすると前肢後肢でその向きはさらに逆かもしれません。

キャストテープを巻くピッチをかえるというのはなかなか難しいです。
意図して集中して巻くとその周囲が折れやすくなりますよね。
厚くしたい部分から巻き始める。
次のテープも厚くしたい部分から巻くというのが比較的やさしいと思います。
これも姑息でしょうけれども。
テープを複数本使うなら、幅の違うものを使うと巻きのピッチが変わりますから折れにくくなると思いますが如何でしょう。
巻く向きを変えるというアクロバットもあるでしょうが、さすがにこれは折れるというより剝げそうでやった事がありません(笑)
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Unknown (saru)
2015-11-12 08:17:54
わかりました。次から,鎮静剤を用いて繋から球節を厚く巻きます。ありがとうございました。
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>zebraさん (hig)
2015-11-12 18:34:53
関係ないと思います;笑。たいした根拠もなくルールを作り上げ、自分や周りの者に強制する輩がいます。どっちでも良いことはどっちでも良いままにしておけば良いのです。どっちでも良いけど、どちらかに統一しておかなければいけないこともあるんですけどね。(例えば右側通行か左側通行かです)

キャストの幅も「5」を始めてみたとき、「こんなもの使えない」と思いましたが、使い始めたらとても安心です。子馬には5を3本、競走馬には5を3本と4を1本使いました。
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>saruさん (hig)
2015-11-12 18:37:27
鎮静剤は必須でしょうね。禁止薬であるせいかもしれませんが、必要な場合には使わないとまともな診療はできないと思います。なにせ医療者を蹴る患者さんたちですから。
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