【こわい】

2020年6月12日

【こわい】

精神科医なだいなだを再読していたら、「こわい」ということについて論じた章のこんな箇所に某線が引かれていた。

苦しんでいる不幸な人間を、みんな努力のたりないなまけものだと、きめてしまう。こうした考えが、この世の中の不幸な人たちを罪のない、ただ運の悪いだけの人たちとして、みんなで助けて平和な世界を作ろうとするのを邪魔するのである。(『心の底をのぞいたら』)

ウィルス感染してしまった人を「努力のたりないなまけもの」と考えてしまう人間のこわさがここにある。「個」の「体」を守ろうとする本能が他人に対してそう働いてしまう。

昭和の時代に「精神疾患はありません、わたしは正常です」というお墨付きが運転免許更新に必要と定められ、獣医と歯科医以外すべての医者を動員して検査をし「不安解消のお札(ふだ)」をもらって提出させる騒ぎ ─ 11 カ月で頓挫したらしい ─ があった。いま PCR 検査や抗体検査済みの「お札(ふだ)」が、いったい何を担保するというのか。

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