電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【□ どうでもいい】
2020年6月13日
【□ どうでもいい】
「□ A」か「□ B」かを問うアンケートの選択肢に「□ どちらともいえない」があるとき、「□ どちらともいえない」にチェックを入れたことがない。「□ A」か「□ B」かを選ぶのはたやすいけれど、「□ どちらともいえない」を選択する理由を述べるためには真面目でなくてはならないからだ。「□ どちらともいえない」理由を説明できる人は真面目な人だ。
「□ A」か「□ B」か「□ どちらともいえない」ではないもう一つの選択肢は記されていない。記されていればそこにチェックを入れたいけれど、そういう選択肢がないアンケートには答えないことにしている。もう一つの選択肢は「□ どうでもいい」なので、答えないことが回答になる。
「□ どうでもいい」は決して無責任などではなく大切な選択肢である。
難しい本の読書会などに参加するとインテリ風の人がいて、「あの人は頭がいい」とよく口にし、相対的に「あの人は頭が悪い」と言外で言い、そのさらに言外で「おれは頭がいい」と言っている。「□ A」か「□ B」かの選択肢が択一の両極にあるとしたら、「□ 頭がいい」と「□ 頭がわるい」はただ相対的な考え方であって、選ばれるべき両極ではない。「□ 好き」か「□ 嫌い」かも相対的であって択一の両極ではない。
あなたは経済学が「□ 好き」ですか「□ 嫌い」ですか、あなたは数学が「□ 好き」ですか「□ 嫌い」ですか、あなたは哲学が「□ 好き」ですか「□ 嫌い」ですか、という問いに必ず答えさせるなら「□ どうでもいい」が必要だ。結論を言えば、世の中に「□ 頭がわるい」人などいない。頭が悪いのではなく、その人はそういうジャンルが「□ どうでもいい」だけである。
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