【男投げ女投げ】

【男投げ女投げ】

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2003 年 6 月 11 日の日記再掲)

キャッチボールは和製英語である。
 
野球用語には和製英語が多い。トップバッターは lead-off hitter、ランニングホームランは inside-the-park home run、ヘッドスライディングは headfirst slide、ナイターは night game と言った具合に数え上げたらきりがない。キャッチボールは play catch だそうで、捕球遊びであって投球遊びではないのかもしれない。ともかくふたりひと組で捕球と投球を交互にするキャッチボールは楽しい。
 
男女の身体の違いを面白く思うことのひとつに、女性特有の座り方がある。床に座る際、太股をピッタリくっつけ、膝から下を左右に開く座り方で、僕はどうしてもそれができないし、男友だちでできる者を知らない。関節の出来具合が違うのかしらと思ったりする。
 
同様に面白いと思うのが、女性がボールを投げる際、とくにオーバースローではいわゆる女投げになってしまうことで、これは運動神経の善し悪しとは直接関係ないような気もする。幼い頃から男に比べてキャッチボール体験が少ないからと説明されることが多いけれど、男の子はたいがい最初から男投げできるので違うような気がする。

女性の肩関節における腕の付き方が浅いからという説もあるけれど、女子ソフトボールで腕をぐるぐる回す激しい投げ方を見ていると、あまり関係ないような気もする。妻は僕に比べて遙かに運動神経が良いのだけれど、キャッチボールをすると見事な女投げで球に勢いがなく、遠投もきかず、コントロールも悪い。何処が悪いのかと観察していると肩 → 肘 → 手首と連動する動作が上手くできなくて、何度教えても駄目なのである。

どうして矯正できないのだろうと見ていると、投球動作のあいだ、終始両足先が前方に向いているのである。男投げができる者ならわかりやすいのだけれど、投球動作の際、軸足の先は投球方向に対して90度横を向いており、踏み出す足先は投球方向へ向くのであって、がに股の男性には自然にできる動作が、内股気味の女性には苦手なのかもしれない。そのため肩 → 肘 → 手首と連動する動作がスムーズにできないようで、男女固有の身体差が影響しているとすればやはり腰から下のような気がする。

昼下がりの東京・銀座 1 丁目、久し振りにキャッチボールの上手な女性を見かけてシャッターを切った。

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