「十一屋のある通り」

2012年6月23日

 千石交差点から南西に延びて護国寺方向に向かう不忍通り、通り沿いにある林町交番向かいあたりから不忍通りを右折して北西に延びる道があり、巣鴨方向までまばらながら商店が並んでいる。商店があるので商業的な通り名くらいあるのかも知れないけれど道の名を知らない。十一屋という角打ちのできる酒屋さんがあるので、自分で勝手に「十一屋のある通り」と呼んでおり、しばらく「といちや」だと思っていたけれど正しくは十一屋能村酒店 (じゅういちやのむらさけてん)という。

伊勢五米店

 明治の終わり(明治39~42年)頃の地図を見るとまだ不忍通りはないが「十一屋のある通り」はちゃんと存在し、巣鴨方向から南東向きに伸びてきて林町にあった徳川邸にぶつかってとまっている。当然明治始め頃の地図を見ても載っているので、江戸時代からある古道なのだろう。ちなみに十一屋ならびにある登録有形文化財指定の米店「伊勢五」さんのサイトを見ると、創業のはじまりは享保年間(1716~1736)あたりまではさかのぼれるという。

十一屋のある通り

 大塚の出版社まで打ち合わせに行くと、バスに乗るほどでもないので不忍通りを歩いて帰ることにしている。路面電車がなくなってしまってからの不忍通りは、味も素っ気もない産業道路だけれど、「十一屋のある通り」に折れて裏通りを行くと妙にほっとする。たくさんの人びとの生活道路らしい風情がいまも残っているからで、とうに消えてしまった江戸、明治、大正、昭和初期の人びとが、やはりこんな風にこの街を行き交っていたんだろうな、と思い浮かべることができるからだ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
Unknown (ティコティコ)
2012-07-08 18:01:47
十一屋通りはいい感じですね~
角打ちに良く行きます、少し先に伊勢五があり更に歩くと銭湯があります。

又、不忍通りを渡って反対側の小道(交番に向かって右の教会の横を入る小道)も昔の商店街の名残があり古い蕎麦屋「進開屋」さんもあり空いている午後に蕎麦前を楽しむのにはいい店です。
この店は酒は置かず自由持込なので人によっては
シャンパンやワインも可・・・

わたしは近頃天ヌキに吟醸酒か樽酒でやります。

谷根千に住み散歩酒ブログ ↓ を書いてます。

http://blogs.yahoo.co.jp/hanakoparis

之からも宜しくお願い致します。
 
 
 
十一屋のある通り ()
2012-07-09 06:07:54
こんにちは。
昨夜は神楽坂『竹子』からはしご中で認証がおくれました。
『進開屋』の持ち込み、ビールを頼んだら教えて貰い体験済みですが
抜きを頼めるのはびっくりしました。
宝物のような蕎麦屋ですね。

『十一屋』さんは静岡市在住の友だちによれば
徳川家関連の屋号かもしれないそうですが
店ごと買われたようで由来はわかりませんでした。
銭湯のちょっと先右側になりますが
モンゴル料理『シリンゴル』に入ってみたら良いお店でした。

王子育ち、団子坂起業、本駒込在住なので
ブログ拝見したら懐かしい店ばかりでしたが
田端『初恋屋』は知らなかったなぁ。
今度行ってみます。
 
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