【清水の備前堀をさがして】

【清水の備前堀をさがして】

備前堀(びぜんぼり)といえば、茨城県水戸市を流れる桜川と涸沼川を結ぶ用水路、別名伊奈堀が名高い。清水区七ツ新屋と上原の境界に備前堀跡が残っていると郷土資料にある。

 七ツ新屋と上原の境界に堀割の跡が残っている。この堀は、天正年間徳川家康の家臣で土木事業に明るい伊奈備前守が奉行として掘ったもので、水源を静岡曲金の軍人社の所のかつさ川に求めた。この川は、安倍川の水が駿府城の濠へ入り、横内へ流れ、南流して大谷に至る川で、今も僅かに用水路として残っている。
 家康が駿遠甲斐の太守であった天正年間に、土木工事の技術者として備前守にこの水を北脇・渋川方面に供する計画で工事を命じ、多数の金と人夫を使ったが、何故か中止したと伝えられている。今、調査してみると、水源地が海抜十六米で、上原でも十六米であるから水の流れに無理があり、計画は失敗したものと思う。 備前守は当国小島の生まれといい、初めに信康に仕え、後、家康に用いられ一万石の大名となった。漆畑弥一氏は、備前堀は運河として造られたとし、等高線を通って居る謎も解き、明治廿年頃まで舟も浮かんでいたという注目すべき見解を述べている。(『ふるさと有度』)

資料にはありがたいことに昔の写真が添えられていて「備前堀跡 上段平地の所、有度一小校庭東側」とキャプションがある。

有度第一小学校は創立150周年の横断幕を掲げている。無断で校門をくぐって校庭東側を探索するわけにもいかないので、学校の周囲をぐるぐる回ってみた。

小学校の敷地北西側は静岡鉄道の線路と並行しており、古びた石垣がぐるりと巡らされている。斜面に石垣を積んで平地を作り、そこに「海抜十六米」の水路を作ったのではないか。グーグルアースで情報を取得してみたらまさに海抜 16 メートル前後の数値が表示された。

2024年5月15日 線路は静岡鉄道。突き当たりに見えるのが有度第一小学校東側の石垣。

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