▼足を前へ

 


パーキンソン病の義父は小刻みなトットット歩きで加速するとブレーキが効かなくなり、前のめりに歩道で転んで顔面を強打してからは、転倒予防とブレーキがわりに歩行用補助具が必要になった。

パーキンソン病に関連した症状だと思うのだけれど、室内では手すりや家具につかまりながら自分ひとりでそろそろと歩いていた義父が、目の前の床に電気コードが一本横切っていただけで、それが跨げずにその場で固まってしまうということが良くあった。「踏んでも大丈夫」とか「跨いでしまおう」とか声かけすると、緊張で手足がブルブル震えたり動かなくなったりするのであり、床に落ちているゴミひとつでさえ義父を固まらせることが可能だった。



7/13、六義園のレンガ塀沿いにて。



同じような傾向が実は自分にもあって面白い。
毎朝早歩きで周回する六義園外周で、早起きして掃除をされているご婦人がおり、歩道に横たわるビニールホース上を通過するときいつも身体が戸惑う。自転車などは踏んでいくわけで「(踏んでもいいんだぞ)」と自分に言っても踏むのが嫌で踏まずに跨ごうと思うのか、前方で歩幅を調整しようという意識が働きペースが乱れてぎくしゃくし、ホース直前で空足を踏んだりする。

しっかりと安定した歩き方をすると自然に速度も上がるので、早歩きしたいときは心の中で「(足を、前に、足を、前に…)」と自分に声かけしている。義父に必要なのは先行して前のめりになってしまう身体に足を追いつかせるための何らかの力だったのかもしれない。

自分もいつかそれが失われるまでの過程を生きているような気もするので、踏もうが踏むまいが一定速度で通過できるよう、予防の願いを込めて「(足を、前に、足を、前に…)」の声かけをしながら毎朝歩いている。

7月15日の計測結果。
KsoQ 2010年7月15日 - 6:32 am
TotalTime: 000000'57:44.3
Ave.Time: 000000'11:32.8
001 000'11:34.4
002 000'11:15.0
003 000'11:22.3
004 000'11:24.1
005 000'12:08.5

5周回った後、富士神社のラジオ体操に出掛けてみたら、汗だくのせいかたくさんの藪蚊にたかられ、痒くて耐えられないので体操前に逃げ出した。


 
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