電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【乃木坂から赤坂まで】
2020年7月15日
【乃木坂から赤坂まで】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/89/b89eb2e05ea374cb2dce60d981018873.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/0d/1ff3320fb818edab0851f75310599760.png)
少し早めに出て乃木坂から赤坂まで歩く。一時的に雨も上がっていた。
見知らぬ出版社の飾り窓に新刊書が並べられていて、目の端にちらと『死は別れではない』という書名が見えた。
「たしかに死は別れではないでしょう」
と心の中で思う。
「それでは何ですか」
と問う声がするので
「死は端的に死でしょう」
と答えると
「端的な死の死とは何ですか」
と聞くので
「死は言葉にできません。言葉にできるということは存在するということで、存在するなら死ではなくなってしまうからです」
と答えると
「ということは死は無ですか」
と聞くので
「無だと思います」
と答えると
「無とは何ですか」
と聞くので
「あるものを在ると言葉で措定したとき、その対として観念的に仮設されざるを得ないものなので言葉にできません」
などというやりとりを考えながら歩いているうちに、打ち合わせ時刻になって赤坂に着いた。
◉
コメント ( 0 ) | Trackback ( )
« 【啓蟄】 | 【仮(け)の... » |
コメント |
コメントはありません。 |
![]() |
コメントを投稿する |
![]() |
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません |