悲鳴


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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Mrs.COLKIDが、マンションの外にあるごみ置き場に、ごみの袋を持っていった。
鍵を開けて、鉄の扉を開くと、暗い室内に外光が差し込む。
見ると、正面の暗がりの中で、ふたつの小さな光が光っていた。

何だろうと思い、よく見ると、大きなネズミであった。
毛並みの艶やかなネズミが一匹、部屋の奥の壁際で、半分立ち上がってこちらを見ている。
一瞬、両者見合ってしまったという。

突然、ネズミがこちらに向かって突進してきた。
「キャアアア・・・」
街中に響き渡る盛大な悲鳴を上げて、Mrs.COLKIDは扉を閉めた。
離れたとところにある駅のホームでも、悲鳴に驚いた人が、何事かとこちらを見ていたという。

顔を真っ青にしたMrs.COLKIDが、部屋に逃げ帰ってきた。
掃除のおばさんが、日中ごみ置き場のドアを開けて掃除をしている。
恐らくその間に、ネズミは中に入り込んだのだろう。
ああいう動物は、隙間があると内部に入りたがる習性がある。

ところが、掃除を終えたおばさんがドアを閉めたため、外に出られなくなった。
大抵の建物は、どこかにネズミが出入りできるくらいの穴はあるものだが、ごみ置き場は意外にしっかり作られている。
逆にネズミなどが入らないように、意識して設計されているのだろう。

しかし、閉じ込められたとは言え、内部には食べ物はたっぷりある。
とりあえずひもじい思いをすることはないので、あわてる必要は無いのだ。
閉じ込められたネズミは、山のようにある生ごみを食い漁り、中でたっぷり太っていた。

今も誰か次の人が扉を開けるのを待っているに違いない。
一度学習しているから、足音が近づいたら、すぐに飛び出す態勢を取るだろう。
その瞬間は、また大きな悲鳴が上がるだろうから、ここにいてもすぐにわかる(笑)
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