スプレー


D810 + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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怪我であるが、お陰さまで経過は良好である。
最初の数日は、消毒後、専用の水で洗い流すという治療法であった。
二日経ち傷が落ち着いたところで、先生がスプレーをしよう、と言った。
スプレー?

看護婦さんが、何やら小さい瓶の入った袋を持ってきた。
専用容器に透明な液体を移し、スプレー式のキャップをつけた。

傷口を洗浄後、そのスプレーで液体をシュッシュッと吹きかけた。
見た目は何の特徴も無い水のような液体で、まったく染みることはない。
数回吹きかけて、少し乾かしてから、軟膏のついたフィルムを被せた。
その後、上からガーゼと包帯を巻いた。

先生は、これで傷の周りから肉が盛られてくるから、と言われた。
肉が盛られてくる??
そんな事があり得るのかと思い、その後先生が離れてから、もう一度看護婦さんに尋ねてみた。
「あのスプレーで筋肉が再生されるのですか?」
看護婦さんは少し考えてから、「そうです。高いお薬ですから覚悟して下さいね」と言った。
高いと言っても、数千円程度であった。

次の日に病院で包帯を外してみてビックリ。
傷の状態が、明らかに昨日よりよくなっている。
切り落としてしまった表面には膜が張り、その両側の肉が少し出てきているように見える。
一日でこんなに変化が・・・
まるでSF映画だ。
傷を覗き込んだ看護婦さんも、「あら、昨日と全然違っている」と驚いた様子であった。

それからほぼ毎日、その「スプレー」という薬をかけている。
効果を見たくて、包帯を外すのが楽しみなくらいである。
平らになってしまった切断面に、膨らみさえ感じられるようになってきた。

お金を取られたのは、最初に封を切った時だけで、その後は保存しておいて残りを使っているようだ。
調べたところ、どうもフィブラストスプレーというものらしい。
怪我で病院に行くことが無いので知らなかったが、この分野も随分と進化しているようだ。

昔理科の教科書に、イモリの脚を切り落とすと、しばらくすると再生されて生えてくる、という記述があった。
あの組織再生の原理を応用した薬だろうか。
まさか僕がイモリを飼っているので、特別に効果が高いわけではあるまい。
そのうち尻尾が生えてきたりはしないだろうな・・・
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