黒のストレートチップ


D2X + Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D

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やはり「男は黒のストレートチップ」だろう。



というわけで、アレン・エドモンズのパークアベニュー(笑)
同社を代表する靴と言っていいだろう。
何しろ米国の歴代大統領が、初登庁する時に履くとされている靴である。
長年モデルチェンジのない、クラシカルなデザインで愛用者も多い。

大統領が履くとはいいながらも、海外の有名ブランドの中では、特に安価な靴といえる。
本国での価格は365ドル。
しかし国内のネット通販でも、恐らく円高時の並行輸入品だと思うが、3万円台で売られており、送料や関税を考えると国内で買ったほうがずっと安い。
本国では様々なサイズが展開されているが、国内でも幅広の3Eが一部輸入されており、選択肢は広い。
今回は無難に、いつもの25.5の3Eを選んでみた。

以前も同社のウィルバートの25.5/3Eを、米国より輸入したことがある。
モデルが違えば木型が変わるので、あまりサイズは参考にはならない。
特にパークアベニューは、同社の製品の中では幅が狭めだと言われている。
だがとりあえず25.5/3Eであれば、履けないということはないだろう。

定番のストレートチップでありながらも、何となく変わったデザインの靴である。
まず目に付くのはキャップトゥの小ささで、つま先をちょこっと覆ったような、ユーモラスな形になっている。
ステッチはダブルでしっかりと入っているため、キャップの接合部分に段差が出来て、余計に浮き立って見える
アイレットは6個と多めで、クラシカルな雰囲気がなかなかいい。
360度縫いこんだグッドイヤーウェルト製法で、少し張り出したウェルト部分が無骨に見える。

メイド・イン・USAにこだわっているが、(かえってそのせいか)作りは大雑把な印象で、品質は価格相応といえる。
逆に、そこがこのブランドの魅力になっているのが、面白いところである。
実用性を最優先する哲学が、カッコよく見えるのだ。
ヒール部分は滑り止めのゴムが貼られているが、同社のウエブサイトではこのゴムが外れる不具合が時折報告されている(笑)

創業者は世界一履きやすい靴を目指したというが、シャンクが入らず軽くしなやかな履き心地は、同社の靴の特長と言える。
中底にはコルクが全面に敷かれ、中敷の革は先端部まで延びている。
革靴でありながら、どこかスニーカー的な履きやすさがあり、この履き心地のファンも多いと思われる。
アメリカの富豪たちのもっとも愛用する靴にも選ばれているという。

幅広の3Eサイズを選んだが、足がスポッとはまり、幅は余裕少なめでピッタリの感じ。
ヒールカップが少し緩めに感じるのは、同社のウィルバートの時と同じである。
ただ、脱げてしまうというほどではなく、歩いてもしっかりついてくる。

靴の幅は吸い付くようにピッタリなので、やはり選ぶとしたら、このサイズになるのだろう。
薄い靴下だと羽根は閉じ気味になるが、だからといって幅に余裕はほとんど感じられない。
幅に合わせるとヒールが緩くなるというのは、大柄な白人との体型の違いもあり、仕方の無いところだろう。
サイズの選択幅の広い靴であるが、例によって、僕の足に完全にフィットするサイズは用意されていないのかもしれない。

フォーマルな席のために購入したのだが、質的には程々で、それ専用に使う・・というタイプの靴ではない。
しかし独特の存在感があるのは確かだ。
オーソドックスな英国調とは別の路線なので、かえって目立つかもしれない。
以前お店で見せてもらった時も、この雰囲気が受け入れられるなら、面白い靴ですよと言われた(笑)
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