COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
病棟
D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
大きな画像
今日は午前中出社、午後は母親と待ち合わせして、入院している伯母の見舞いに行った。
大分容態が悪いと聞き、どうしても会っておきたかった。
僕が若い頃に、特別かわいがってくれた伯母だが、痴呆症の症状が出てからは、会う機会が無かった。
外から入ることは出来るが、中から出るにはキーが必要な、老人専用の病棟に入る。
反応のない老人たちの横たわる中を抜けると、一番奥に酸素吸入を受ける伯母のベッドがあった。
顔を近づけると、ほとんど意識のない伯母が、わずかにほほ笑んだように見えた。
僕のことが、わかったのかもしれない。
老人の入院する病棟に行くと、重苦しい雰囲気に家族も無言になる。
その人の全盛期のことを思い、さらには自分にもやがては訪れる運命かと思うと、何とも言えない気持ちになるのだ。
母親が手を握っていると、伯母は安心したのか眠ってしまった。
これが最後になるかと思いながら、そっと病室を後にした。
昨年宮城興業にお願いした誂え靴が出来てきた。
今回で3足目である。
先に同社に問い合わせたところ、僕の好きなホーウィン社のクロムエクセルを少量在庫していることがわかり、それを使って靴を作ることになった。
お店に置いてあるサンプル以外に、こちらの欲しい銘柄の革を同社が保有している場合があるのだ。
これこそ誂え靴の醍醐味と言えるだろう。
デザインはラウンド・トゥのESシリーズから、外羽根式プレーン・トゥのES-12を選んだ。
同じプレーン・トゥでも、完全に繋ぎ目のないES-8もあるのだが、保有しているオールデンとかぶるため、今回はあえて羽根の部分から後ろが別パーツになるES-12にした。
個人的には繋ぎ目のないデザインの方が好きなのだが、分割のラインがアクセントとなり、これはこれで面白い。
オイルレザーのクロムエクセルをアッパーに使用するので、当然カジュアル色の強い靴になる。
各オプションも、それを意識して選択してみた。
ソールは合成ゴムの「ダイナイト風」を選び、「ダブル底」仕様にした。
アウトソールは出し縫い一周の「ダブル巻き」とし、積み上げた革の断面が見える「吟積上げ」を選ぶ。
この辺りはいつもの定番の仕様である。
ウエルトは水除けの付いた「ストーム」、コバは「平」を選んだ。
その際、ウエルトのみ濃茶にして、コバは黒という、少し変わった仕様にしてもらった。
上から見ると濃茶で、横から見ると黒・・というデザインを狙ったのだ。
目立たない部分に凝ってみたのだが、実際よく見ないとわからない(笑)
また、コバを黒くしてしまうと、せっかくの「吟積上げ」が目立たなくなることもわかった。
出し縫い糸は茶色を選び、ステッチが柔らかく浮き立つようにした。
靴紐の通るハトメの穴を、表側に金属の環が出る「表ハトメ」にして、ハトメの色はブラウンを選んだ。
カジュアルさを強調する演出だ。
靴紐はベージュの丸紐にしたが、これは見事にマッチしたと言えるだろう。
裏革には珍しいグリーンを選んだが、これもなかなか効いている。
今回追加料金のかかったオプションは、「ダブル底」、「ダブル巻き」、「吟積上げ」、「表ハトメ」である。
さらに素材をクロムエクセルにしてもらった分が追加料金として加わる。
サイズは25.5の2Eをベースにして、幅方向に数ミリ広げてもらった。
幅などはCSシリーズとほぼ共通ということなので、以前CSシリーズを作った時と同じ数値で広げてある。
結果的に、ほぼぴったりであった。
以前購入したオールデンのブルーチャーと、同じ色のクロムエクセルのようだ。
お店にいた他のお客さんが、素晴らしいと感嘆するほど美しい褐色である。
外観はちょっとオールデンに似せすぎた感じで、アウトソールを明るい色にしてもよかったかなと思っている。
これに大胆に皺を寄せて、惜しげもなく使い込んでいくのが、この手の靴の正しい履き方であろう(笑)
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )