擬態


D2X + Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D

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壁のアマガエルの冬眠前の栄養補給にも、そろそろ終わりが近づいている。
エサになる虫は少なく、腹いっぱい食べられたとは思えない夜が続く。
寒い朝に壁を見上げると、カエルがそこにいないことも多い。
冬眠に入ったのかな・・と思うと、翌日にはまた戻っていたりする。

観察していると、いくつかのことに気付く。
壁は真っ白なのだが、体色も白くなっているものは少ない。
白くなるのは苦手なのか、本来の鮮やかな緑色のままのため、壁面で非常に目立っている。

カエルにとっても、擬態に技術を伴う、困難な色というのがあるのだろう。
薄茶色の延長で白に近づくのならともかく、いきなり真っ白な壁を見せられても、対応しきれないのかもしれない。
あるいは秋に体を白くすると寒くていられないとか、まったく他の理由も考えられる(笑)

アマガエルが強い縄張り意識を持つことは、以前にも書いたことがある。
自分の選んだエリアから、なかなか離れようとはしない。
エサを捕るときは遠征もするようだが、翌朝には元の場所に帰っていることが多い。

しかし縄張りの中に進入した他者に対し攻撃的かというと、そうでもないようだ。
大きなカエルのすぐ横を、新参者の小さなカエルが上っていくのを見ていたが、体をかすめていっても、何もせずに黙っていた。
怒って追い返すかと思ったが、意外に性格は大人しいのかもしれない。

カエルを生理的に嫌っている人が案外多い。
カエルの話を聞くのさえ嫌だという人もいる。
しかしこのちょっと素っ頓狂な生き物は、なかなか愛嬌があって可愛い。
個人的にはカエルは大好きな生き物である。
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