壁の二匹


SIGMA DP2 Merrill

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忙しくて帰りが遅い。
夜になり事務所を閉めようとしたら、アマガエルが壁にはりついていた。
いつもの大きいカエルと、今日はもう一匹、小さいのが来ている。

白い壁に集まる虫を食べているのだ。
とはいっても、この気温である。
もう虫など、ほとんど飛んでこない。
必死になって、一晩中食べ物を探して歩くのだろう。

最後の追い込みの時期だというのに、こんなに小さいのがまだいるのか。
この大きさで、冬を越せるのかどうか・・・
何だか悲壮感が漂っている。

可哀想になり、あちこちを探して、小さな虫を捕まえた。
指につまんで、小さなカエルの目の前に持って行き、虫をちらつかせてみた。
カエルは少し考えていたが、やがて意を決したように僕の指に手をかけ、パクリと虫を食べた。
そして美味しそうに、モグモグと口を動かした。
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