キャリバー8500


D3 + Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8

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完成に7年の歳月を費やし、2007年に発表されたオメガ30年ぶりの自社製ムーブメント8500。
機械式腕時計において、これほどの革新的発明はもう出ないだろうと言われるコーアクシャル脱進機の技術が、完璧に動作するように設計されたオメガオリジナルのキャリバーである。

コーアクシャル・エスケープメントを付加したキャリバーは、1999年の導入以来すでにオメガの多くの機種に搭載されているが、ジョージ・ダニエルズ博士の理論をより理想的に実現するには、一から自社で設計・製造されたキャリバーである必要があったという。
つまり現在オメガの時計としての最高の性能を味わうためには、8500系のキャリバーを搭載した機種から選ぶ必要があるのだ。

必然的に3針モデルになるが、8500搭載機はまだ少なく、展開の速度も遅い。
本当はシーマスターの代表的なデザインである、ブルーのベゼルのモデルに搭載したものが欲しいのだが、登場は何年先になるのかわからない。
仕方なくではあったが、8500搭載機としてはもっとも安価なアクアテラを選んだ。

驚いたことに、キャリバーの性能が体感できる。
極めて正確に時を刻むのだ。
腕を通して精密機械の鼓動が伝わってくるようだ。
この強い存在感を知ってしまうと、デザインだけ変えて中身は同じETA製ムーブメントを搭載した多くの時計が、急に色褪せて見えてくる。
機械式時計の真髄は、マニュファクチュールによる独自ムーブメントにあるのではないかと思えてくるのだ。

しばらく腕にして生活してみたが、何と一週間で1秒しか狂わなかった。
さすがはクロノメーターである。
個体差はあるのだろうが、この驚異の性能はクロノメーターはおろかクォーツなみと言ってよく、福島の電波が途絶えて狂い始めた電波時計の性能を上回っている。
もう一週間試してみたが、やはり1秒ほど進んだだけだった。

アクアテラのこのモデルは、デザインが地味で国産みたいだと言われそうだが、実際には立体感のあるインデックスのアクセントが強く、腕の上でかなりの存在感を放っている。
本体は厚みがありずっしりと重く、ソリッドな金属の塊という感じ。
今まで買った(より安価な)時計とは、所有する満足度が相当違うことがわかった。

アクアテラ クロノメーターには、ケース直径41.5mmの通常モデルと、38.5mmのMサイズの2種類の大きさが用意されている。
僕の細めの腕には小さいMサイズの方がしっくりくるのだが、例によってネット上の写真をPhotoshopで解析してみたら(笑)、通常モデルのカン幅が20mmなのに対し、Mサイズは19mmであることが判明した。
19mmではベルト選びの自由度が大幅に狭まる。
大きい方が文字盤の視認性がずっといい・・という店員さんのアドバイスもあり、結局通常モデルの方を選んだ。

ベルトはジャン・ルソーのアリゲーターつや消しの丸斑。
裏面にはキャメル色のアンチスエット材を配した。

以前ジャン・ルソーが日本への導入キャンペーンで、一定期間だけ特別価格で販売していたのだが、いよいよそれが終了するというので、ひとつ頼んでおいたもの。
その時は何に付けるか決まっていなかったので、とりあえずポピュラーな20mm幅を選んでおいたが、それがアクアテラでめでたく実を結んだ。
というか、このベルトのことが頭にあって、カン幅20mmの通常モデルを選んだのだが・・・(笑)
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