左足ブレーキ


SIGMA DP2

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もっぱらAT車ばかり乗り継ぐ軟弱ドライバーの僕であるが、うるさいことを言うわりに、実はそれほど車のことを好きではないのだと思う。
だからよほど運転が面白い車でないと、すぐに飽きてしまうし、長距離のドライブでは眠くなって同乗者を怖がらせる。
もともと運動神経がそれほどいいわけでもないので、最近は歳を考えて無謀な運転をすることもなくなった。

ただ若い頃に、いろいろな本を読んで覚えた、左足を使ったブレーキングは今でもよく使う。
本来はサーキットで飛ばす時に使われるテクニックのようだが、目一杯のハイスピードコーナリングの最中に、左足を宙に浮かせて踏ん張りの利かない状態にするなど、怖くて僕にはとても出来ない。

僕の場合、通常の街乗りのテクニックとして使う。
人ごみの中を走る時に、これが非常に有効なのだ。
足を踏みかえる時間を必要としないので、驚くほど反応する時間が短縮され、安全性が向上する。

もちろんそれなりの練習期間が必要で、今日からいきなりやれるものではない。
いきなりやれば、踏み加減が分からずに、車を急停止させてしまう事になるだろう。
慣れるまでは危険が伴うので注意が必要だ。

歩行者のいる狭い道を進む時や、見通しの悪い路地から出る時などには、無意識のうちに左足ブレーキに切り替えている自分に気付く。
あっと思った時、瞬時に車を止める事が出来るので、停止までの時間が半分くらいに縮まったように感じる。

ところが、これにはどうも問題もあるような気もしている。
慣れてくるとどうしても、右足と左足を同時に踏む瞬間が出てくる。
スパッスパッと自動車がスピーディに動き、イメージ通りにリズム感のある運転が出来るからだ。
つまりアクセルはオンにしておいて、同時にブレーキを働かせて微調整するという走り方である。

これが自動車を壊すのではないかという気がしてならない。
動かしておいて、同時に止めようという強引なやり方である。
各パーツに相応の無理がかかるのは明らかであるが、それだけではなく、車によっては電子系にトラブルの生じる可能性がある。

実は以前、フランス製の某小型車にMrs.COLKIDが乗っていた。
それを僕が運転する時、この左足ブレーキを多用した。
その車が電子系のエラーで何度と無く暴走したのだ。

突然、アクセルを床まで目一杯踏み込んだのと同じ状態になり、足をアクセルから離しているのにもかかわらず、エンジンがレッドゾーンまで一気に回り、車が急加速を始める。
狭い道などでいきなり始まるので、恐ろしくてMrs.COLKIDにはしばらく運転させなかった。
暴走が始まったら、強引にブレーキで制動するしかなく、女性では対処が難しいと感じたのだ。

結局プログラムを最新版に書き換えてもい、左足ブレーキも意識してしないようにしたら、この症状は出なくなった。
人気車だったのでかなりの台数、街を走っているにもかかわらず、同じトラブルが起きたという話はついに聞かなかった。
アクセルとブレーキが同時にオンになった状態・・それも細かくオンオフを繰り返すという状況が、コンピューターを混乱させた可能性は十分にあるだろう。

ブレーキとアクセルをを同時踏むなんて、そんな無茶な走り方をしているとは、あえてディーラーには伝えなかったが(笑)、今でもあれが原因ではなかったかと、密かに疑っている。
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