満員電車


D3X + Carl Zeiss Distagon T* 21mm F2.8 ZF

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最近は座ることの出来る時間帯の電車で通勤するようになったが、新入社員の頃は満員の電車で会社に通っていた。
今から思うとよくも毎日・・と思う。
もちろん現在も満員の電車で通われている方は大勢おられると思うが・・・

何年か満員の電車の中で揺られているうちに、いろいろなドラマに遭遇した。
極度のストレスにさらされ、精神的にまいっていることが原因であろう。
いくつもの喧嘩を見た。

中で一番興味深かったのは、女性同士の喧嘩だった。
何がきっかけかは知らないが、ぎゅう詰めの社内で二人の女性が喧嘩を始めた。
多分鞄がぶつかって痛いとか、些細な事が原因だろう。

男対男なら向かい合って怒鳴り合うところだが、女性の場合はなぜか互いにあさっての方向を向いて、目を合わせない状態で、口から発する言葉だけで戦う。
それも相手の身体的特徴への批判で攻撃するのだ。

シーンとなった身動きの出来ない車内で、
「ふん、あんたのはお尻は大きいわね!」
「何よ、ぺちゃパイのくせに!」
などと怒りに目を吊り上げて言い合うものだから、周りの男性はニヤニヤしながら聞いている(笑)
まるで漫画みたいなセリフである。

まだ喧嘩する余裕があるのは車内に空間がある時で、本当に混雑する時間帯は、自分の体を守るので必死だ。
壁際では息が出来なくなる寸前まで押し付けられるし、下手につり革に掴まっても、限界ぎりぎりの体勢まで人が圧し掛かってきて辛い思いをする。
コツが分かってくると、一番楽な体勢になれるように、自分のポジションを狙って絶妙に行動するようになる。
こうなるとある種のスポーツともいえ、逆にストレスが発散される面もあるかもしれない。

線路に落ちそうなほど人で溢れ返ったホームで、電車を待っていた時の話・・・
ゆっくりと電車が入ってきたが、既に車内はほぼ満員であった。
とても乗れそうになかったので、次の電車を待つべく列の後ろの方で見ていた。

ドアが開いて、ホームで待っていた人たちが一斉に乗り込もうとした。
一瞬、先頭に立っていた女性が、運悪く入り口でつまづいたのが見えた。
あっと思ったが、乗客はもう止まらない。
前のめりになり床に手を付きそうになった女性の後ろから、一気に車内になだれ込んだ。

女性の体が上下逆さまになったように見えた。
群集の頭の間からハイヒールを履いた女性の足先が見え、錯覚ではないことがわかった。
そのハイヒールが押されて車両の奥へと移動していき、そのままドアが閉まり電車は発車してしまった。

あの後どうなったのだろうか・・・
やはり次の駅まであのままだったんだろうね。
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